新春トップインタビュー  
   
 日清オイリオG  
 吉田伸章常務に聞く
 付加価値商品で新たな需要を創造
 
   
 
 家庭用では「日清ヘルシーオフ」に代表される付加価値商品を積極投入し、市場を活性化。一方、業務用ではニーズ協働発掘型営業でユーザーとの取り組みを強化し、新たな需要創造に取り組む。日清オイリオグループの食品営業を統括する吉田伸章常務に今年の営業方針などについて聞いた。
――昨年を振り返って。
 「大変厳しいコスト環境の中、1月、そして4月から価格改定に取り組んだ。1月からの値上げについては計画の2/3程度のものを市場で形成することができた。しかしながら、4月からの改定については大変苦戦した。それが今の厳しい業績に反映されていることは事実である。業界全体として、価格改定という観点から見ると、大変苦労した一年であった」
「それでは何故、価格改定が進まなかったのか。確かに夏場以降、シカゴ大豆が下落した影響がないとは言えないが、ただ、それまでの4〜6月の間に実勢化できなかったことが最大の要因である。結局のところ、競争激化の影響が大きかった」
「昨年11月以降、シカゴ大豆は9ドル割れ。一方、カナダ菜種は増産の中でも、底堅い相場展開が続いている。ただ、ピーク時に比べ下がっていることは事実で、原料相場が一服状態にあることは間違いないが、油脂の販売価格については、引き続き厳しいコスト環境にあることを得意先に説明し、ご理解をいただく努力を継続して行っていく。適正な販売価格の形成が下期の最大のポイントとなる」

――家庭用について、15年の総括と今年の方針を。
 「家庭用は昨年、歴史的な年となった。08年度、穀物価格が大高騰した時、値上げが浸透し、市場金額規模は前年度の1,000億円から1,200億円まで拡大。これは一言でいえば、主力のキャノーラ油の単価アップが起因したものだ。15年は1〜11月で1,300億円弱となっており、年間では,1400億円を突破する見込みだ。オリーブオイル、ゴマ油に加え、いわゆる私どもで言うサプリ的オイル=アマニ油、えごま油、ココナッツオイルが新たな市場を創出したことが最大の要因である。オリーブ、ゴマ、そしてサプリ的オイルの金額構成比は6割に達している。そういう意味で、歴史的な年だったと考えている。もう一つ大きな出来事だったのがオリーブオイル。14年産のスペイン、イタリアの大減産を受けて、オリーブオイルは昨年春から30〜50%の大幅値上げを実施した。得意先に受け入れていただいたが、正直、大幅値上げによって販売 が相当落ちるのではと考えていた。しかしながら、販売 は市場全体で前年比98%にとどまっており、金額では110%と拡大している。この2つの歴史的な出来事で、結果、家庭用市場は昨年、過去最高となる金額市場規模が形成された」
 
「これを一過性のもので終わらせるつもりはなく、これが今年につながる施策となる。まず、オリーブオイル市場をさらに活性化させる。今年はBOSCOを発売して20周年ということもあり、得意先との取り組みをすでにスタートさせている。各種キャンペーンを展開するとともに、春の新商品として、ボスコエキストラバージンオリーブオイルに『145gフレッシュキープボトル』と『600gPET』を追加するなど、ラインアップを強化。年間を して盛り沢山の企画を用意している。15年の金額市場規模は350億円まで成長したものと推測されるが、これを400億円、500億円にすべく、さらなる市場の活性化を進めていく。一方、新たな市場を創出したサプリ的オイルについては、まだ使い方が分からないというお客様も多く存在する。従って、今年はメニュー提案などを一層積極的に行い、家庭への定着を図っていく。とくにココナッツオイルに関しては、メニュー募集などの仕掛けを展開していく方針だ。この分野を一過性のブームに終わらせることなく、市場定着から、さらなる拡大に向けた取り組みを行っていく」
 「昨年は、『日清ヘルシーオフ』、『日清健康オイル アマニプラス』と二つの大型商品を上市した。ヘルシーオフは配荷が一気に進み、順調に回転している。時間はかかるかもしれないが、汎用化したキャノーラ油に代わる商品と 置付けており、じっくりと育成していく方針だ。アマニプラスは今春、改めてさらなる拡販に向けた取り組みを実施する。大きな手応えを感じている」

――業務用については。
 「昨年秋から、チームを作り、ターゲットを決めてユーザーと一緒になった取り組みを推進している。例えば、家庭用のヘルシーオフと同様の機能を持つ商品など、付加価値のある商品をユーザーとタイアップして展開。ニーズ協働発掘型営業を積極的に進めることで、まさに業務用の新たな需要を掘り起こしている。組織を変更し、横軸で見ることで、成果が見え始めている。また、当社グループの持つ多 な商品群、例えば大豆粉であったり、マーガリンをはじめとする加工油脂、和弘食品の調味料などと総合的な提案を進めている。外食、中食ユーザー等に対して、技術支援を行うユーザーサポートセンターも加え、グループの総合力を活かした営業を積極的に推進している。こうし た一連の取り組みが今年は、花が開くとの手応えを実感している」


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