新春トップインタビュー  
   
 日清オイリオグループ  
 吉田伸章常務に聞く  
 かけるオイルで生食需要の拡大を
 
 油を調味料的に使う「かける」用途のさらなる拡大が今年のテーマ。中食・外食ユーザーに対する課題解決提案など、業務用での積極的な取り組みも着実に成 を上げている。コスト環境が大きく様変わりする中、すでにこの一月からの価格改定へ動き出している日清オイリオグループ。今年の方針などについて、営業 を統括する吉田伸章常務に聞いた。

吉田伸章常務
――まずは、昨年を振り返って。
「原料相場は比較的穏やかな流れで推移し、為替も含めて16年のコスト環境は全 に安定した一年であったと言える。しかしながら、昨年11月の米大統領選でトランプ氏が当選して以降は、急速に円安が進んだ。原料 では米国大豆、カナダ菜種がいずれも過去最高の生産見通しとなったものの、需要は旺盛で、先物相場はシカゴ大豆が10ドル台、ウィニペグ菜種が500カナダドル超えと高値圏に位置し、状況は様変わりした。総括すると、比較的安定的な一年であったと言えるが、年度で見れば、最後のタームが大変厳しい状況に変わったということになる。加えて、パーム油の高騰、シカゴ大豆油も高止まりしており、オイルバリューの水準が高い。この1〜3月の搾油採算は非常に厳しい状況となった」
――販売量については
・「家庭用マーケットの動向は、4〜11月で重量ベースが前年同期比106%、金額が同97%で推移している。金額がやや落ちているが、これは前年にココナッツオイルやアマニ油、えごま油といった、いわゆるサプリ的オイルが大きく拡大し、今期はその反動で六掛け程度にまで落ち込んでいることが影響したもの。一方で、引き続き、オリーブオイルやゴマ油が好調に推移し、カバー。キャノーラ油も重量106%、金額103%と伸長していることから、金額ベースの前年割れは最小限にとどまっており、重 は引き続き拡大傾向を堅持している。当社の状況については、オリーブオイルが大幅に伸長した。BOSCOブランドが発売20周年を迎えたことから、各種の販促施策を展開。他企業とのコラボレーションや流 側の協力を得て積極的な店頭活動などを実施した結果、BOSCOだけで見ると、販売量は前年同期比150%程度と大幅な伸長となった。前年は、イタリア、スペインの不作で相場が高騰したことから大幅な値上げを行ったため、販売を落としていたという側 もあるが、前々年の数字も上回っている。オリーブオイルの販売は、前年の落ち込みから完全に戻った。ゴマ油も前年を上回って推移している。汎用油では、日清ヘルシーオフ、日清ナチュメイドが好調で販売構成比が上がっている。とは言え、まだ汎用油の中での構成比は二品で10%程度であり、今後も継続的に販売拡大に取り組んでいくつもりだ。今後もさらに拡大していきたいと考えている」
――ギフトの販売動向は。
「ギフト市場は依然として前年を割り込んでおり、調味料・食用油カテゴリーも厳しい状況が続いている。当社においてはオリーブオイルのセットが好調に推移。販売構成比は四割弱と、前年の約三割からさらに上がっている。全体では、市場トレンドを若干上回る推移となっている」
――業務用の状況については。
「中食・外食をターゲットに、さまざまな取り組みを実施することによって販売を伸ばしている。14年、ユーザーサポートセンターを設置し、営業と技術スタッフが協働する体制を強化した。ニーズ協働発掘型営業として、得意先と一緒に、調理現場や消費者のニーズへの対応などを積極的に行っている。得意先からの『こんなことはできないか、あるいは、こういう機能を持たせられないか』といった要望に応えることによって評価をいただき、横にも展開できる動きにつながっている。また、油だけではなく、調味料などを持つ関連会社と共同提案することによって新規顧客を獲得。グループの総合力を活かした提案も販売拡大に貢献している。具体的に言うと、当社は炒め油や炊飯油、麺さばき油、さらにはフレーバーオイルなど、さまざまな機能を付与した油を持っている。こうした機能性油を、ユーザーサポートセンターと連動することによって、関連会社の和弘食品の味作りの技術や大東カカオのチョコレートなどと共同提案できる体制を構築しており、これによって、中食や外食ユーザーの新メニューに入っていけるケースが多くなった。春と秋に行っているプレゼンテーションにおいても、当社のメニュー提案が中食、外食の得意先から高い評価を得ている、このほか、フライ油の酸価上昇を抑える『日清スーパーロングシリーズ』が伸長。揚げ物の吸油 を抑制する『日清吸油が少ないフライオイル』は、業務用卸からも引き合いが強く、着実に広がっている」
――今年は何と言ってもコスト急騰から、価格改定が大きな焦点となるが。
「比較的安定的に推移した昨年の状況から一変し、一月からのコスト環境は非常に厳しいものとなっている。コストに見合った適正価格の実現に向けて、年明けからの価格改定を取引先にお願いしている。引き続き、原料や為替といったマーケットの動きに適切に対応していく」
――販売面での考えは。
「昨年来、油を調味料的に使う生食用途が拡大している。とくに家庭用では、1400億円のマーケットのうち、約400億円が生食用途と推計しており、この市場にさらに注力していく考えだ。『かけるオイル』ということを前 に打ち出し、フレッシュキープボトルの『BOSCOエキストラバージンオリーブオイル』『日清かけて香る純正ごま油』『日清アマニ油』で生食需要を盛り上げていきたいと思っている。家庭用の展開に止まらず、業務用の中食においても、最後の仕上げ調味料的に買って帰って家でかける、あるいは総菜自体にパックするなど、いろいろなことが考えられる。さまざまな食シーンで使えることを啓蒙し、需要喚起を図り、食用油市場を活性化していきたい」。


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