新春トップインタビュー  
   
 昭和産業㈱  
 檜前慶一専務
 油脂の価格是正着実に進める
 
   
 
 先の記者会見では、新妻社長が創業90周年である2025年のありたい姿を描いた長期ビジョンを発表し、連結売上高4,000億円を目指す昭和産業。一翼を担う油脂事業は、各事業間のシナジー効 により、油脂製品と粉製品や澱粉・糖化製品などを複合的に提案する問題解決型の営業展開により、着実に売上げを伸ばしている。昭和産業の営業部門を統轄し、営業企画部・製粉部・油脂部・食品部・原料部・支店担当の檜前慶一(ひのくま・けいいち)取締役専務執行役員に、昨年からの油脂事業の営業概況を中心に話しを聞いた。

 
檜前慶一専務
——昨年の油脂事業を振り返ってお聞かせ下さい。
・「昨年は、米国産大豆やカナダ菜種が記録的な大豊作にも関わらず相場が下がらずトウモロコシだけが下げている。一方で、為替がトランプ大統領就任以降、大幅に環境が変わった。円安かと思えば円高に振れる。乱高下が激し過ぎて対応が出来ないと云うのが現状である。これまでは経験的に、為替や原料の流れがある程度見えて、手立てを打つことが出来たが、ボラティリィが激し過ぎて、業界は苦労している。搾油コストや配送コスト等全体的なコストが上昇しているので、総合的な意味で価格是正の話しをしているが、為替だけで見ると翌日には変わってしまうので、難しい局面となっている。昨年の環境で見ると油の相場も大幅に下がる事なく、当社については、油脂単独では、物 で前年を上回る事が出来た。油脂部門で扱っている業務用プレミックス、植物性タンパクも堅調で、全体で数字がしっかり上がって来た。第3四半期では増益となったが、これは前年同期の油脂販売の環境が悪すぎた為で、収益量は一昨年のレベルまでには至っていない。第4四半期については搾油コストに見合った価格是正を粛々と進めていく」
——油脂事業で昭和産業独自の展開をお聞かせ下さい。
・「油脂事業は、穀物相場や為替相場等の搾油環境に左右される体質は変わっていない。他社も搾油環境に左右されない体質強化を図っているが、当社の場合は、昨年販売 を伸ばした要因にもなっている機能性油脂の〃キャノーラNEO〃や〃フライフォーカス〃の二本柱が販売を押し上げた。油の劣化を遅らせるなどの顧客の要求を満たす価値あるものを開発して販売していく。また、従来から申し上げている当社の得意な分野である業務用プレミックスや糖類などを油脂と組み合わせて販売していく、当社しか出来ない複合系シナジーを更に深耕していく。お客様の困っている事を聞いて、当社の複合的な穀物ソリューションで問題解決していく事が、お客様からの信頼を得るポイントだと考えている。お店の環境を良くしたい等の要求に対して、単純に油を売るだけではなく、シナジー提案を生かしてお客様の要求に対して価値を見つけて要求に応えていくと言う事である」
――2月に入りましたが値上げも含めて第4四半期の進捗状況は如何ですか。
・「厳しい環境にはあるが、4~12月までは全社的に順調に推移してきた。油脂部門については、前年を上回る事は間違いないが、全社で考えても前期を上回る利益を期待している。1~3月以降はもとより新年度の好スタートを切るためにも第4四半期の価格是正と販売をしっかりして行く必要がある。当社は、搾油コストに加えた、物流費の高騰等から昨年12月28日に価格是正を発表している。現在、お客様に誠実に丁寧に搾油環境を説明して、価格の値上げをお願いしている。1月は正月気分が抜けずに難しかったが、2月からは、実効を見始めており、2月の中旬から第一弾の値上げが実勢化している。当面のコストアップの理由を丁寧に説明して、油価是正を迅速に進めて行きたい」
――アメリカのトランプ政権発足の影響については如何ですか。
・「トップリーダーたる者は、思想信条や多 的視野が大事だと考えているが、少し欠けている様な気がする。トランプ氏の影響以外にも欧州情勢等、為替に対する外的要因が増加しているので予断を許さない状況。トランプ大統領の誕生で、我が社に影響を与えて来ると思われる第一の要因はTPPからの離脱である。現段階では今後始まるであろうFTA等の二国間協定がどうなるか予想も付かない。日欧のEPAを含めて、貿易環境が大きく変わってくる事は間違いない。一喜一憂していてもしょうがないので一つ一つ解決していくしかない」
——昨年からの健康油ブームが継続してますが、御社の対応をお聞かせ下さい。
・「当社が推奨してきた、味も良くて、オレイン酸豊富なヒマワリ油を継続して、販売しており、オレインリッチが再評価されて伸長している事は間違いない。しかしながら、さらなる新しい油脂をまだ手掛けていないが、まずは、以前から投入しているオリーブ油の再拡販を家庭用、業務用合わせて行っていく。色々な形で新製品開発も考えてはいるが、まずは、ギフトでオリーブ油の市場に参入していく。当社のオリーブ油は、非常にスパイシーなスペイン産で、他社とは違った美味しさがある。スペイン産オリーブ油の良さを、しっかり伝えて販売していきたい。それ以外の油については、考えてはいるが、健康と美味しさの両 から行くのが難しく、どちらか、あるいは双方の価値を持つ油を今調査しており、今後、顧客のニーズに応えられる商品を投入していきたいと考えている。基本的に美味しさを追求していく事を念頭に置いて商品開発を行っていく」。


横関油脂工業㈱