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 昭和産業(株)  
 檜前慶一取締役執行役員
 1〜3月も最優先課題は価格是正
 
   
 
 原料相場の高止まりに円安、さらには物流費や資材コストの高騰で、油脂食品事業は今期、厳しい収益環境が続いている。昨年10月から実施する油脂製品の価格改定はまだ道半ば。この1〜3月も油価是正が最優先課題であることは変わらない。一方で、業務用の機能性油脂、家庭用ではオリーブオイルが好調に推移する。今年も付加価値製品の拡大で、さらなる成長を目指す。営業部門を統括する檜前慶一(ひのくま・けいいち)取締役専務執行役員にインタビューした。

————今期、ここまでの油脂食品事業の状況は。
「今第3四半期の売上高は593億900万円で前年同期比0・7%増、営業利益は18億7000万円で同24・8%減となった。主要原料の大豆、菜種が新穀、旧穀とも好調な生産 を記録したにも関わらず、中国をはじめとした旺盛な需要を受け、シカゴ大豆定期はここにきて10ドルを超え、ウィニペグ菜種定期も500カナダドルを挟んで引き続き高値圏を維持している。状況は非常に厳しい。1方で、原料調達コスト以外にも、物流費、包装資材などが上昇している。こうした中、昨年の2月、10月と価格改定を実施。一定の値上げが浸透したことは間違いないが、すべてのコスト上昇分をカバーするまでには至らなかったというのが実情である。また、この第34半期の半分以上で、オイルバリューが上がり、ミールバリューが低下するといった局 となり、これも油のコストアップにつながった。この間、数 を追わず、価格改定を行ってきたが、結 的に値上げ未達となっていることは反省点である。ただ、物 という意味では、付加価値品の拡売、取引先との関係強化で、数 ではほぼ前年同期並みを確保することができた」
ーー付加価値商品が好調とのことだが。
「家庭用においては、プレミアムオイルが伸長。とくにオリーブオイルが好調に推移している。当社のオリーブオイルは香りも味も特徴のあるスペイン産であり、それが受け入れられ、大きく伸長している。ただ、市場の規模からすると、当社の売上げ自体はまだまだ小さい。しかしながら、このところ注力してきた結果として伸長したことは間違いなく、その特徴が評価されてきたものと考えている。全体的にフルーティな傾向の中、当社のオリーブオイルは、香り、辛味がやや強く、スパイシーである。こうした、わかりやすい特徴が受け入れられてきたものと思っている」
 「業務用油脂では従来通り、中食・外食向けのフライ用オイルを中心に付加価値の高い機能性油脂の販売に注力した。とくに、独自技術で酸化、劣化を抑制し、長く使用できる『キャノーラNEO』や『フライフォーカス』が引き続き好調な売上げ。また、昨年の秋にリニューアル発売した炊飯油Rも、これまでより分散性を向上させ、好調な動きを示している。営業自体も課題解決型営業を推進するため、お客様に一歩踏み込めと言っている。一歩踏み込んだ上で、例えばユーザーさんのフライ回りにどんな問題あるのか、その問題について、粉も一緒になって提案して解決を図るといった営業体制を強化している。これは、当社の強みであり、より深化させていきたい」
 「一方で、こうした商品は我々のお客様、油を使う側にメリットを感じていただけるものであり、次に考えなければならないことは、消費者の方々に貢献できる商品の開発が重要である。消費者の方々にメリットがある商品をいま、開発しているところだ」
ーー大豆たん白商品も好調のようだが。
「畜肉製品の高騰を受けた代替需要だけではなく、大豆の持つ低脂質、ヘルシーといったポジティブイメージで使われ始めてきている。代替ではなくポジティブに、最終製品がそれによって機能向上する、例えば肉汁が保持できるようなハンバーグなど、機能性の向上を訴求できるような販売の仕方をしていきたい。昨年は、高吸収かつ強い食感のソイバリューが順調に伸びている。これは、いわゆる見えないところでも使われており、2ケタの伸長だ。大豆たん白は今年も引き続き、伸ばしていきたいと思っている」
————油脂事業については、この1〜3月も価格改定が最優先課題となると思うが。
「1〜3月についても積み残し分の油価是正に全力で取り組んでいるところだ。2月、あるいは3月からの値上げで成約できている得意先もあり、着実に実勢化が進んでいることは確かである。4〜6月のコストがどうなるのか、現時点ではまだ不透明ではあるが、物流費はさらに上昇傾向にあり、斗缶など資材価格の値上がりも顕著である。コストに見合うまで、価格改定を進めていく方針は変わらない」。
 

 


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