インタビュー  
   
 横関油脂(株) 
 橋本東京支店長に聞く
 前期の収益はほぼ前年並みに
 創業70周年、国内外で成長目指す
 
 
橋本芳樹執行役員東京支店長
 横関油脂工業(茨城県北茨城市・横関長太郎社長)は今年3月、創業70周年を迎えた。原料相場の乱高下や物流費の高騰など内外環境が厳しさを増す中、大手ではできない多 な油脂加工製品の取り扱いや委託加工の展開で業績を拡大している。目先の取り組むべき課題は海外事業の推進。昨年、シンガポールに現地法人を立ち上げたのに続き、今年は中国の営業拠点を再構築した。伸びるアジアマーケットに、積極的に打って出る方針を明確にしている。前期の業績概況と今期の見通しなどについて、橋本芳樹執行役員東京支店長に話しを聞いた。
 同社は、精製ラード、ショートニングや香味油、プレミアムオイルなどの食品関連製品の生産 が7割を占め、このほか、工業用・化学品の受託生産、天然ワックス類、化粧品原料等を展開する。茨城工場ではミニプラントで小ロットの委託加工や2015年9月に竣工した第二工場では、ケミカル関係の小ロットプラントが順調に稼働している。また、昨今の少子高齢化による国内マーケットの成熟化を睨み、将来の成長の糧として海外事業の推進を目標に掲げている。今年3月、創業70周年を迎えた同社。100周年に向けて、国内外でのさらなる成長を目指している。
  橋本支店長はまず、前期の業績について、過去最高の収益を記録した前々期から原料相場の高騰や為替の円安など、取り巻く環境は逆風に転じたが、「売上高は約40億円となり、ほぼ前年並みを維持した。一部の大口受託先が在庫調整に入ったことから、その部分の売上げが減少したものの、そのほかの事業は概ね計画 りに推移し、利益 も前年実績を堅持することができた」と総括した。
  今期の見通しについては「売上高は41億6,000万円を計画している。引き続き、内外環境は厳しいが、トランス脂肪酸問題から極度硬化油の売上げが伸長するなど、目標達成に向けて全社を挙げて取り組んでいく」と意欲を示している。 売上げの八割を占める食品関連事業については、やはりラードの状況が気になるところ。橋本支店長は「夏場を迎え、不需要期に入っているにも関わらず、豚脂の供給に余裕がないというのがレンダラー側の見解で、依然として原料生脂の需給はタイトな状況が続いている。2014年のPED(豚流行性下痢)以来、ハム・ソーメーカーなど大手加工食品会社に生脂が流れ、本来入ってくるべき原料が減少しているという。ただ、当社の場合は、メインのレンダラーさんを中心に、ご理解をいただき、原料の確保に努めている。4月渡しで豚脂がキロ5円の値上げとなったことから、当社もラードの価格改定を行った。得意先のご理解も得て、4~6月の間に実勢化することができた」と、引き続きラードの需給が厳しい環境下にあることを強調している。
 一方で、豚脂のひっ迫感については慢性的になってきたとの認識を示した上で、「比較的余裕のある牛脂の活用などで、ラードに負けないような旨みや香味を持つ新しい商品を今後、開発していきたと思っている」と語る。
  国内マーケットは少子高齢化による成熟化で、市場の 的な縮小は避けられないことは明らか。同社も化粧品原料やワックス等で海外展開の加速を目指す。昨年3月、シンガポールに現地法人「ヨコゼキ・シンガポール」を立ち上げたのに続き、今年は4月に再び、中国・広州に販売拠点を設置した。化粧品原料分野を中心に、中国・東南アジア全 をターゲットとして市場開拓に努めている。
 橋本支店長は「日本の横関の品質は十分に認識してもらっているが、価格など難しい問題もあり、まだまだこれから、というのが実情である。一方で、原料供給ソースの多様化というミッションもあり、こちらの では成 が出てきている」としている。
 

 


  Index