国産原料油脂    11-07

 
 11月渡しの米油ローリー物商談  
  原料高で更に5円値上へ
 円安で1〜3月長契も値上要請
 

 
 日銀の金融緩和による国内金利の低下で、為替市場でのドル買いが集中し、11月4日には1時、6年10カ月振りに1米ドル114円の円安を記録した。
 これを受け、年内の輸入原料は高騰が避けられない状況となっている。シカゴの穀物相場が記録的な豊作で相場が下落しているが、円安は相場下落分を相殺する勢いで、原料を海外に依存する製油メーカーにとってはマイナス要因となっている。 コメ油メーカー筋は連休明けの5日、国内の11月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、完全な決着はみていないものの、更なる為替の円安による輸入原油価格の上昇から、キロ当たり5円の再値上げで決着する見 しである事を明らかにした。前回10月渡し商談でも、1米ドル110円に迫る円安から、キロ当り5円の値上げで決着をみていた。
 また、円安による輸入単価の上昇は、来年1〜3月期に本格化する見 しである事から、年末に掛けて本格化するカルビー等のスナックメーカーで、4半期毎の長契商談についてもキロ当り10円程度の値上げを要請する事になるとしている。
 為替の急激な円安傾向から可食油の輸入原油価格は上昇傾向にあり、財務省関税局が発表した9月分のコメ原油の輸入単価は、前年同月に比べトン当り1万288円(キロ当り10円強/10・1%)も急騰しており、10月以降も輸入単価の上昇が予想されている。
 国内のコメ油需給は、日清食品や明星食品、エースコック等の即席麺メーカーが1斉に年初からの値上げを発表しており、年末に掛け即席麺の生産が加熱している。これに伴い即席袋麺の液体スープに入れるコメ油の需要が急増している。加えて、秋の行楽シーズンが幕を明け、原料米の安値もあって、米菓やスナック菓子の生産も堅調である。
 コメ油メーカー各社が、全国での食品展示会で、コメ油のピーアールに努めた事が功を奏して来ており、家庭用でもスーパー等での利用頻度が上がってきており、コメ油の需給は逼迫状態となっている。
 この環境を裏付ける様に農水省が10月末に発表した9月分の油糧生産実績による9月末のコメ原油在庫は、1,244トンと、前年同月の2,175トンを931トン(42・8%)下回り半減している。
 一方、唯一の国内原料である米糠の需給環境は①日本人の米離れから、新米価格が下落しているにも関わらず、精米が伸びずに生糠の出荷が低迷している②年末に向かいエノキ茸等の生糠を培地にするキノコや漬物向け需要が増加している——こと等から、米糠の集荷は低迷し、コメ油の安定供給の為に、無理に原料を手当てしようとすると、集荷価格が高騰するのが現状である。
 安定供給の為に需要の三割程度を輸入に頼っているが、昨今の急激な為替の円安で、輸入コメ油の単価が上昇している。
 輸入 関統計による9月の輸入通は1,024トンで、トン当り輸入単価は前年同月を1万288円(10・1%)上回っている。1〜9月累計のコメ油輸入は1万6,642トンで、前年同期を2,203トン(15・3%)上回って推移しており、国内のコメ油需要の堅調さを裏付けている。