不二製油㈱ 11-13

   
 CBE好調で油脂が大幅増益に  
  清水社長が上期決算を総括 
 積極投資、内外で生産能力増強へ
 

 
 不二製油㈱(大阪府泉佐野市・清水洋史社長)は11月11日、東京・浜松町の世界貿易センタービルで「14年度第2四半期決算説明会」を開催した。当日は、清水洋史社長が決算概況および 期見通し、さらなる成長に向けた今後の取り組みなどについて説明した。 連結業績は売上高が1,281億1,500万円で前年同期比8・0%増、営業利益は64億2,100万円で同0・2%減、経常利益は64億300万円で同0・5%増、4半期純利益は46億8,400万円で同20・3%増となった。清水社長は、今上期使用の原料価格が前年同期と比較し、円安の影響も大きく受けて「パーム油が25%、パーム核油が64%、大豆ミールが15%、全脂粉乳が45%、ココアバターが76%といずれも上昇した」とした上で、「上期は増収、営業利益はほぼ横ばい。期初の業績予想に対して売上高は未達だったが、営業利益は上回った。油脂事業の営業利益がチョコレート用油脂CBEの販売好調で、予想および前年実績を上回る一方、製菓・製パン素材事業、大豆たん白事業の営業利益は原料価格上昇を販売価格に転嫁しきれず、減益となった」などと総括した。なお、ここにきての急速な円安進行で製油、加工油脂業界ともこの先、採算の悪化が懸念されるところだが、清水社長は「来年の上期以降、大変厳しくなる。販売価格への転嫁は積極的にやらざるを得ない」と値上げに向かう考えを示した。
セグメント の状況は次のとおり。
油脂部門
売上高495億5,900万円(前年同期比10・6%増)、営業利益26億7,900万円(同75・9%増)。国内は、チョコレート用油脂の販売数 が増加し、採算も改善。海外はチョコレート用油脂の販売数 増加および採算改善に加え、欧州の加工油脂販売が堅調。さらに円安による円換算額増加も寄与し、増収増益となった。
製菓・製パン素材部門
売上高591億500万円(同8・4%増)、営業利益34億6,600万円(同18・9%減)。国内は業務用チョコレート・クリーム等の販売が増加したが、原料価格上昇をカバーしきれず、増収減益。海外は東南アジア・中国で販売数 が増加したが、シンガポールのウッドランドサニーフーズで生産している乳調製品の採算悪化が響き、増収も減益となった。
大豆たん白部門
  売上高194億5,000万円(同0・8%増)、営業利益2億7,500万円(同56・7%減)。USS製法による新製品が寄与するなど増収となったが、大豆たん白素材の原料高による採算悪化で減益となった。
 同期の業績予想は売上高2,827億円で同11・7%増、営業利益150億円で同1・6%減、経常利益146億円で同1・3%減、当期純利益90億円で同10・2%増と期初の予想から変更はなし。ただ、営業利益については、部門間で油脂が期初予想の44億円から7億円増、製菓・製パン素材が同94億円から3億円減、大豆たん白が同12億円から4億円減に修正している。
セグメントの同期見通しは次のとおり。
油脂部門
売上高1,083億円(前期比13・8%増)、営業利益51億円(同13・5%増)。国内はココアバター高止まりを受け、計画 りCBE拡販を進行。パーム調合製品の採算は厳しい。海外もココアバター価格高止まりを受け、CBE販売は前年を上回る。欧米では健康訴求製品の販売が好調。アジアはパーム系製品の搾油マージン悪化で採算は厳しい。海外CBE販売数 については、11年度を100として、今期は119%まで伸長させる計画。上期は前年実績を上回っており、計画に対する進捗率は41%となった。販売価格についてもおおむね計画 りに推移している。
製菓・製パン素材部門
売上高1,329億円(同12・0%増)、営業利益91億円(同6・7%減)。国内は機能性チョコレート、市場が伸びている中食・外食でのクリーム拡販。海外はインドネシアの業務用チョコレート、東南アジアのクリーム、中国のマーガリン・ショートニング・フィリングの販売増加に取り組むが、調製品の減益が響く。アジアでの製菓三品は、中国のチョコレートを除き、販売は前年を上回っており、計画達成を目指す。クリーム・マーガリン・ショートニングは販売好調を受けて生産稼働率が上がっており、「早急に生産能力増強を検討する」(清水社長)。
大豆たん白部門
売上高415億円(同5・8%増)、営業利益8億円(同19・4%減)。分離大豆たん白、大豆加工食品事業ではアライアンス戦略を進める。
 同社では、さらなる成長を目指し、今期も積極的な設備投資を展開。上期には関東工場の業務用チョコレート生産設備増強、米国での油脂精製能力増強などで42億円を投資。下期もUSS工場の生産能力増強、シンガポールでのアジア研究開発センター建設などで 期120億円の設備投資を計画。米国の能力増強に関しては、トランス脂肪酸の規制強化によってパーム油の輸入が増加するなど、健康に配慮した食用加工油脂の需要が増えている。現地の外食産業向けに増加する販売に対応するため、精製能力を約2倍に引き上げる計画。来年1月に稼働予定で、約14億円の投資。
 今後の成長戦略について、清水社長は東南アジア・中国、欧米の各エリアへの権限委譲による経営のスピードアップを図るなどエリア統括機能の強化に努めるとともに、中国・アジア事業の強化では「来年3月の予定でシンガポールにアジア研究開発センターを設立する。さらに15年に中国地域統括会社の設立を目指す。また、新市場開拓のため、生産能力の増強が必要であり、早急に検討する」とした上で①インドでの合弁会社稼働(15年夏稼働予定)②油脂、製菓・製パン素材の中国・華南新工場の設立③タイでのチョコレート新工場の設立④マレーシアに製菓・製パン素材生産拠点の設立(ウッドランドサニーフーズで生産しているクリームが足りないなどのため)――に取り組む方針を明らかにした。