㈱ADEKA    

 
 化学品好調で中間期増収増益  
  郡社長が決算概要など説明
 原料上昇影響大きく食品減益に
 

 
 ㈱ADEKA(東京都荒川区・郡昭夫社長)は18日、本社で「14年度第2四半期決算説明会」を開催した。当日は、郡昭夫社長が上期決算概要と 期の業績予想、食品、化学品の各事業戦略などについて説明した。
 当期の連結業績は売上高1,001億8,400万円で前年同期比4・6%増、営業利益68億3,200万円で同12・5%増、経常利益72億7,500万円で同13・9%増、当期純利益50億1,700万円で同19・0%増と増収増益なった。郡社長は「自動車向けの高機能な樹脂添加剤やエンジンオイル添加剤、情報機器向けの感光性材料などが海外を中心に好調に推移した。原料価格上昇などの影響を大きく受けた食品事業は苦戦したものの、増収増益となった」とした上で、中期経営計画「STEP3000」の最終年度となる今年度は、「マレーシア現地法人での加工油脂工場の竣工、鹿島工場西製造所でのメディカル材料用実験棟の建設、千葉工場での低ハロゲン特殊エポキシ樹脂の製造設備新設など『海外事業の拡大』と『新製品の創出』に向けた投資を戦略的に推し進めた」と総括した。
 食品事業の売上高は265億900万円で同0・6%減、営業利益3億7,500万円で同65・6%減。「需要の落ち込みが1部見られたものの、販売数 ではマーガリン類、ホイップクリーム類とも前年同期並みで推移した。一方で、原料油脂や乳製品などの原材料価格上昇の影響を大きく受け、収益 は厳しい状況となった」(郡社長)。 通期の連結業績予想は売上高2,200億円で前期比7・7%増、営業利益142億円で同2・8%増、経常利益150億円で同6・0%減、当期純利益100億円で同9・3%増。為替の前提条件をドルは上期、下期とも1ドル=103円、ユーロが上期1ユーロ=138円、下期同140円とした上で、経常利益の減益予想について、郡社長は「昨年は大きな為替差益が生じたためで、今年度はそれを見込んでいないということだ。ただ、昨今の状況は円安が進行しており、予測と異なってきている。経常利益に影響を与える可能性はある」と説明した。
 食品事業については売上高580億円で前期比4・7%増、営業利益13億円で同45・8%減と厳しい見通し。郡社長は国内について「製パン・製菓・洋菓子市場でのシェア拡大によって国内基盤を強化していくとともに、おいしさと高い機能をあわせもつ戦略製品の拡販に注力。1方で品種統合などコスト削減を推進する」とし、戦略製品の1例として、独自素材を活用した発酵バターコンパウンドマーガリンで、良質でしっかりしたバター風味が特徴の「アロマゴールド」、純生クリームのおいしさを生かし、風味と口溶けなめらかな食感を持続する純生クリームブレンド用ホイップクリーム「ピュアブレンドホイップ」を挙げた。
 また、海外展開の推進では「マレーシア、中国、シンガポールの各拠点によるマーケティング強化と販売対象各国の嗜好性、機能、使用環境に適した製品の拡充を図る」と強調。マレーシアの子会社「ADEKA FOODS(ASIA)」においては、この9月に加工油脂工場が竣工。11月にはマレーシアでハラル認証を取得しており、販売スタートへ態勢が整っている。
 食品事業は厳しい収益環境となっており、加工油脂各社とも今上期はおおむね減益決算を余儀なくされている。業界の状況について、郡社長は「確かに足下はわれわれも大幅な減益であるし、同業他社も大変苦労されていると思う。原料調達が国際相場の高いところのものをいま使用している最中であるということ、さらに円安が大きなアゲインストとなっている。かたや販売価格については、当然ながら相場で動かすものあり、それは相場動向の りであるが、そのほかは状況によりけりということで、大きな変化があった時に価格の上げ下げがある。そういう意味でいうと、現状のタイミングは国際相場、とくにパーム油の市況が一時と比べ低い水準で落ち着いている。900〜1,000ドルで動いていた局面から、今は600〜700ドルの水準であることから、ストレートに値上げをお願いできる環境にはなかなか至らない。円安のプレッシャーを含めて今後の動向を見極めていきたい」と述べた。さらに、「当社は化学品が70%ほど占めるが、化学品ほど加工油脂業界は需要がぶれない、需要が非常に安定しているのが良い所である。マーガリン工業会の生産統計を見ると、年間70万トン程度の推移で良くも悪くもその前後でおさまる。ただ、これから人口減少、高齢化ということで油脂の需要の伸びは期待できない、むしろ減少局 を迎える可能性が高い。こうした状況下、それぞれの企業が技術力を競い合い、高付加価値な製品作りに力を入れなければならないと考える。また、業界の規模の割にプレイヤーが多いわけで、例えば搾油メーカーはすでに合併を たしており、現状、各社独自路線を進んでいる加工油脂業界もそういう意味で、連携プレーというのは十分あるであろうし、それぞれがそれぞれの立場で現在、進めているのだと思っている」との見解を示した。
 このほか、供給がひっ迫しているラードの状況について、百瀬昭専務は「ラード不足は豚PEDの影響を大きく受けたものだ。そのPEDはこの夏あたりから収束に向かっており、来年の1月あたりから供給 も徐々に回復してくるとの予測もある。一方で、ハム・ソーセージなどの加工食品メーカーが生脂を大 に買い付け、ラードに回ってくる数 が価格の関係もあって、かなり厳しいことになっている。今年度いっぱいは厳しく見ていたほうがよいのではないかと考えている」と語った。



 愛知県油脂卸協同組合