加工油脂各社

   
 原料油脂など高値ポジションで   
  第1四半期は大幅減益に
 パーム油下落も為替の円安危惧
 

 
 加工油脂各社はこの4〜6月、厳しい収益環境となった。大手各社の平成27年3月期第1四半期(ミヨシ油脂は平成26年12月期第2四半期)決算のうち、食品部門の収益は、パーム油が高値ポジションにあったことや乳製品の高騰など原材料価格のコストアップが大きく響き、大幅減益を余儀なくされた。流通側の低価格競争が続く中、製品価格の値上げもままならず、減益に拍車をかける格好となった。ここにきてパーム油が大きく値下がりしていることは下期に向かって好材料と言えるが、コスト改善に貢献してくるのは今年後半から来年1〜3月からで、円安に進む為替次第では、相殺される可能性も出てきている。当面は厳しい状況が続きそうだ。
 カネカの食品事業は売上高337億7200万円で前年同期比2・6%増、営業利益9000万円で同93・9%減。ADEKAの食品事業は売上高134億6800万円で同0・3%増、営業利益2億8800万円で同47・9%減。日油のライフサイエンス事業(食用加工油脂含む)は売上高55億9000万円で同4・0%増、営業利益5億600万円で同15・3%増。ミヨシ油脂の食品事業は売上高160億4100万円で同2・5%増、営業利益2億3500万円で同58・8%減となった。当4半期の業績は、主力原料のパーム油が高値圏にあったことに加えて、フィリピンの台風被害でラウリン油も全 に高止まり、さらに乳製品価格も高騰し、全般に原料コストは高値ポジションにあったことが収益悪化に直結した。マレーシア・パーム油相場は1〜3月の乾燥天候で一時900ドル超えまで急騰。その後もエルニーニョ発生懸念によって、さらなる上昇も予想されたことから、一部では厚めの手当に動いた向きもあるとされている。
 7〜8月にかけて、マレーシア・パーム油相場が急落したことは、加工油脂各社にとっては追い風となる。パーム油相場は8月後半にかけて先物市場は2000リンギを割り込み、約5年ぶりの安値圏に値を崩している。また、乳製品価格もピークからは軟化しており、コスト環境は改善に向かうことが想定されている。一方で、パーム油下落の恩恵を受けるのは、今年後半から来年1〜3月。ここにきての円安も大きな懸念材料で、「為替次第では下落分が相殺されかねない」(メーカー筋)としている。
 流通の低価格志向が続く中にあって、主力ユーザーであるパン業界も激しい競争にさらされている。コストアップに対して製品価格への転嫁が難しいことは変わらず、今後はむしろ、「パーム油安でユーザー側から値下げを求められかねない」(同)と危惧する。最大需要期の10〜12月に向けて、なかなか好材料を見出せない状況にある。