パーム油
   マレー相場今週も騰勢基調続く  
  先物市場は3000リンギ超えに高騰
 リンギ安と低水準の在庫が支援
     
   マレーシアのパーム油相場は今週も騰勢基調を維持している。リンギット安、供給ひっ迫、米大豆・大豆油高に原油高も加わり、強材料が重なっているため。先物相場は先週後半、中心限月の2月きりが3,000リンギ超えまで上昇した。その後も右肩上がりの展開が続き、11月21~28日まで6営業日続伸。利食いなどで値を下げる局 も見られるが、全 は強基調を維持している。輸出需要は伸び悩んでいるが、多くの強材料にかき消される格好。今後、季節的な減産期入りで供給はしばらくタイトなままで、リンギ安が続けば1段高も予想されている。現地11月30日の先物相場は前日比23リンギ高の3073リンギ、FOB価格はRBDパーム油で1~2月積み715ドル前後で推移。この日は、軟調な展開となっていたが、原油の急伸を受けて上昇に転じた。
 年のエルニーニョの影響で、今年はここまで生産 が伸び悩んでおり、在庫水準も10月末で150万トン台にとどまっており、前年同月の280万トン台と比べ45%減と、いかにも少ない。供給ひっ迫感が絶えず下支えする中、米大統領選でトランプ氏が当選して以降は、対ドルでのリンギット安の進行がさらなる強気を誘い、先物相場の3,000リンギ超えに結びついた。
 このほか、米国が来年のバイオディーゼル混合義務 を引き上げたことがシカゴ大豆油の上昇につながったことも支援要因に。中国・大連市場の植物油高なども含めて、相互に強材料が波及し合ったことも、全面高につながっている。
 さらに、著名なパーム油アナリストであるドラブ・ミストリ氏が先月後半に行われたコンファレンスにおいて、リンギット安の進行を背景に、2017年3月にかけてマレーシア先物相場は3200リンギまで上昇するとの見方を示したことも高値追いの要因となった。ただ、同氏は、昨年のエルニーニョの影響で減産傾向にあるパーム油生産 だが、今後は回復に向かうとしており、来年の6月にかけて2400リンギ辺りまで下落するとも予想している。
 現状、唯一の弱材料といえるのは、輸出需要の伸び悩み。11月1~25日までのマレーシア・パーム油輸出 は、SGSによると89万5077トンで前月同期(99万8,101トン)と比べ10・3%減。主な国 内訳は、中国が17万155トン(前月同期12万5,376トン)、EUが18万9,595トン(同26万8,200トン)、インドが5万7,910トン(同15万7,224トン)、パキスタンが1万2,000トン(同4万7,770トン)、米国が4万7,786トン(同2万1,910トン)など。ITSでは89万5,625トンで同(99万939トン)比9・6%減。中国が14万7,670トン(同9万4,250トン)、EUが18万7,145トン(同28万2,992トン)。
  今後の相場動向については、季節的な減産期入りで、在庫は当面、大幅な積み増しは想定できない。しばらくは、タイトな状態が続く見 しだ。例年、年末にかけては多雨による収穫停滞も発生、リンギット安も反転する気配にはなく、この2つの強材料が意識されるだけでも、相場は高止まりする公算が高い。また、OPECが総会を開き、減産で合意したことも、原油高につながり、パーム油相場の支援要因となっている。現状は、インパクトのある弱材料に事欠く展開となっている。
 



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