東京油問屋市場
   一年締めくくる「大納会」開催  
  豆種三品ほか全建値同事に
 原料高、円安で製油側採算悪化
     
 東京油問屋市場(東京都中央区・金田康男理事長)は13日、東京・日本橋箱崎町の東京シティエアターミナル内で今年一年を締めくくる「大納会」を開催した。
 当日は、建値委員会による今年最後(12月後半)の「立会い」が開かれ、金田雅律建値委員長(マスキチ社長)のあいさつの後、喜田正道建値副委員長(富田産業社長)がコンダクター、松田直樹建値委員(カネダ食品油糧部)が撃拓を務め、「立会い」に移った。注目の大豆油、菜種油、菜種白絞油の主要はかる斗缶三品は、今回も同事据え置きとした。年後半にかけて、地合いの弱さが鮮明となっている豆種斗缶相場だが、ここにきての原料相場高騰、為替の円安で、来年以降のコスト環境は様変わり。製油側の採算は月を追うごとに悪化する見通しとなっており、価格改定の気運が急速に高まっている。各社とも今後、タイミングを見て値上げを打ち出すものと見られる。このほかの建値も全て同事据え置き。
 この後、賛助会員メーカー、来賓をまじえた懇親会に。東京油問屋市場の金田康男理事長(カネダ社長)は「今年は三月に熊本で地震があり、その後、英国のEU離脱、そして米大統領選でのトランプ氏の勝利と、まさかということが起こった。こうした中で、為替相場が1時と比べ円高のポジションとなったこともあって、製油各社の業績は、良好に推移しているものと考える。しかしながら、為替はトランプ氏が当選した後、マスコミ報道などでは円高、株安に進むという予測であったが、一転してわずか一晩で円安に進み、株も上昇に向かった。本当に予想もつかないようなことが起こっている」などと、今年一年のトピックスを振り返った上で、「来年がより良い年となるよう、われわれにとって希望の年となるように願っている」とあいさつした。
 引き続き、日本植物油協会会長会社である日清オイリオグループの岡雅彦執行役員が「今年の植物油業界を振り返ると、総じて安定した一年と言えるのではないか。比較的落ち着いたコスト環境の下、市販用マーケットは、今年度4〜10月で数 106%、金額でも98%。昨年、ココナッツオイルやアマニ油、えごま油などがブームとなり、金額ベースで30%ほど市場規模が拡大したことを勘案すれば、まずまずの数字と言える。業務用では、CVSを中心に中食の活性化が続いており、外食も前半は堅調、残念ながら後半はデフレの影響が顕著となったものの、ファーストフードや新業態では、新しい動きも出てきている」と、業界のこの一年を総括した。
  一方で、岡執行役員は「ただ、ここにきて状況は大きく変わってきている。主要な油脂原料である米国産大豆、カナダ菜種ともに記録的な豊作であるにもかかわらず、それを上回る需要、とくに油脂需要の強さから高値で推移している。これには原油の減産やバイオ燃料需要の再燃、パーム油相場の高騰などが絡み合っている。また、カナダ産菜種の降雪による収穫遅れ、EUの減産などで世界的には菜種の生産 が減少していることも懸念材料である。さらに、もう一つ大きいのが円安だ。大方の予想に反し、米国大統領選後の急激な円安の進行が加わり、油脂のコストは大きく上昇している」と、一転して厳しいコスト環境に変わってきた現状について言及。その上で、岡執行役員は「ここのところ、油脂のイメージがポジティブなものに変わってきている。こうした動きを加速することで植物油脂産業の価値向上を進めるためにも、ベースとなるコスト での変化を製品価値に確実に反映させていくことが大切であると考えている。状況を丁寧に説明していくつもりであり、東京油問屋市場の皆さまにもご理解をいただき、ご助力をお願いしたい」と強調した。
 この後、全国油脂販売業者連合会の宇田川公喜会長(宇田川商店社長)の乾杯で和やかな懇親の場へ。最後は東京油問屋市場の島田豪副理事長(島商社長)の油締めで大納会を締めくくった。



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