加工油脂各社
   原料油脂の安値安定と円高で
  上期は大幅増益と好業績
 パーム油急騰、円安で環境悪化
     
   加工油脂各社の今第2四半期決算は、原料油脂相場が前年同期と比べ下落していたことに加え、為替の円高がコスト低減に大きく寄与し、各社とも大幅増益と好調な業績が続いている。主力原料のパーム油は、エルニーニョの影響を受けた減産懸念で一時的に上昇する局面もあったが、総じて安定した相場展開。今年(10月まで)の精製パーム油輸入単価は前年同期と比べ15%安い。前期、マーガリン・ショートニングなど製品価格を値上げしたが、価格を堅持できていることも好業績につながったものとみられる。一方で、ここにきて原料油脂相場、とくにパーム油が急騰、さらに為替も一気に円安に振れており、これまでの追い風が逆風に変わりつつあることが懸念材料として急浮上している。このままいけば、来年は大幅なコストアップとなることは間違いない。
 大手加工油脂各社の平成29年第2四半期(ミヨシ油脂は平成28年第3四半期)決算のうち、食品部門の収益は、カネカが売上高726億円で前年同期比3%増、営業利益19億円で同116%増。ADEKAは売上高316億円で同7%増、営業利益9億円で同75%増。日油(ライフサイエンス事業=食品含む)は売上高127億円で同1%減、営業利益26億円で同18%増。ミヨシ油脂は売上高246億円で同3%増、営業利益7億円で同47%増。
 クリームやチョコレート、アイスクリームなどに使用されるヤシ油、パーム核油のラウリン油が高止まりしているが、前下期以降、主力のパーム油をはじめとする原料油脂相場が比較的安値安定で推移したことに加え、為替相場が円高に転じたことが原料コストの低減に大きく寄与した。財務省の輸入 関実績によると、パーム油価格は今年1〜10月平均で、精製パーム油がキロ当たり75円。前年同期の88円と比べ15%値下がりしている。為替は120円台から100円台前半まで円高が進んだ。
 このほか、前期実施した製品価格の値上げも少なからず収益の向上に貢献。今期ここまで、大きな下げには至っていない。
 一方で、ここにきて原料油脂、為替要因とも追い風は一変、強烈な逆風が吹き始めている。マレーシアのパーム油相場が急騰。タイトな需給とリンギット安、米大豆・大豆油高などが強材料となり、先物相場は11月後半に3000リンギを突破。先週末には一時、3月きりが3,202リンギと4年半ぶりの高値まで値上がりした。パーム油の高騰について、1〜3月の影響は限定的とみられるが、「このまま高値が続けば、為替も大幅な円安に振れており、4月以降の原料コストは再び厳しい状況になる」(大手加工油脂筋)と危機感をあらわにしている。
 もう一つの懸念材料である為替相場は、米大統領選でトランプ氏の当選が決まって以降、円安が加速。110円をあっさり突破すると、週初は117円台まで円安が進んでいる。いずれかの段階で円安、ドル高に歯止めがかかるとは思うが、原材料コストの環境は一気に予断を許さない状況に変わっている。今年度は上期の貯金もあり、大きく崩れることはないにしても、4月からの新年度に向けて、不安要因は増すばかりだ。
 



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