オリーブ油
   16年産のイタリアEV大幅減産   
  害虫被害等の影響を受けて
 現地相場は急騰後も高止まりに
     
   イタリア、スペインのオリーブオイル価格が高騰している。イタリアは新穀の減産に加え、とくに南部がオリーブバエの被害を受け、品質の悪化に伴うエキストラバージン(EV)の減少が相場上昇につながったもの。スペインは降雨による収穫遅れが影響しているという。両国とも最終的にどうなるのか不確定要素を抱えるが、イタリアのEV減産は確実視されており、今後も相場の高止まりは避けられないとの見方。日本の輸入価格もこの先、再び上昇に向かう可能性が強まっている。
 16/17年産のイタリアのオリーブオイル生産量は「なお不透明ではあるが、20万~25万トンのレンジを予想する声が多い」(トレーダー筋)という。前年が40万トン超えと記録的な豊作となったことから、仮に20万トンそこそこまで落ち込めば、減産幅としては大きい。「木になるオリーブの実が明らかに少ない」(同)というようにクロップサイクル、いわゆる豊作後のストレスが減産の要因とみられている。
 ただ、それ以上に相場の高騰を招いたのはオリーブバエによる被害。今クロップは秋口以降、「とくに南部で湿潤な天候となったことからオリーブバエが発生し、実に大きなダメージを与えた」(同)としている。実際にハエの被害を受けたオリーブの実を見ると、穴があき、傷だらけとなっている。このため、当然ではあるが歩留りは悪く、品質も劣化。結 、EVの大幅減産が伝えられており、収穫がスタートし、被害の実態が表面化した10月中旬に現地相場が急騰。9月あたりまでEVの現地価格は工場渡しでキロ3・8ユーロ前後だったが、一気に6ユーロ弱まで上昇した。約50%値上りで、「現在も高止まったまま」(同)という。
 一方のスペインだが、生産予想は130万~150万トンのレンジ。ほぼ前年並みの水準となりそうだが、「収穫が活発化する12月に降雨に見舞われたことから収穫が遅れ、これが相場の乱高下につながった」(同)としている。「収穫初期の歩留りが悪かったことから、農家はさらに実が熟すのを待って収穫しようとしたが、そのタイミングで雨が多くなり、収穫作業が全 に遅れてしまった」(同)とのこと。このため、スペインの現地価格も10~11月のキロ3・5ユーロ弱から、現状は15%ほどアップの4ユーロ弱まで値上がりしているという。
 両国とも生産量を含めて、まだ不透明感は強いが、イタリアのEV減産はほぼ確実視されており、スペインなど周辺国を巻き込んだ形で相場は今後も高止まりする可能性が高い。日本の輸入価格は昨年全般を通して軟調な展開だったが、今年はこの先、上昇に向かうことが予想されている。
11月のオリーブ油輸入 5987トンに
前年比58%増、累計3%減で推移

 財務省がこのほど発表した2016年11月分の輸入通関実績によると、当月の「オリーブ油」輸入 は5,987トン(1トン未満4捨5入、以下同)となり、前年同月と比べ57・9%増となった。内訳は、エクストラバージン(EV)が4,263トンで同56・2%増、ピュアが1,535トンで同73・0%増。その他分 油の輸入量は189トン。 1~11月累計ではEVが3万8,289トンで前年同期比4・3%減、ピュアが1万3,828トンで同2・6%減。その他分 油2,946トンを加えた合計輸入量は5万5,063トンとなり、同2・9%減で推移している。
 当月の輸入金額はEVが23億6,216万9,000円、キロ当たり輸入単価は554円で前年同月と比べ29・5%(232円)の下落。ピュアは6億6,007万円、同単価は430円で同20・2%(109円)の安値。前月との比較ではEVが24円高、ピュアも19円上がっている。16年のイタリア産の大幅減産で、価格は今後、上昇する見通し。
 



 日本パン工業会