三団体合同賀礼会
   上半期の為替イベントから予測
  兼松㈱の城戸健太郎氏が講演
 胡麻輸入東西アフリカにシフト
     
   日本ごま油工業会(東京都中央区日本橋・竹本信二郎会長)、全国胡麻加工組合(藤波一博理事長)、油糧輸出入協議会(水本圭昭理事長)の三団体合同による新年賀礼会が1月27日に東京・港区芝の「芝パークホテル」で開催された。
 当日は、兼松㈱の食品大豆農産加工品課の城戸健太郎氏が原料胡麻の需給環境について講演を行った。
 城戸氏は講演の中で、2017年上半期の為替動向について、飽く迄も兼松の見解としながら「昨年、トランプ氏が米国大統領に当選して以来、過激な発言を繰り返している中で、為替の動向について述べてみたい。この先2月末までは1米ドル=110円〜115円で推移し、6月までは同105円〜115円で推移する」との予想を示した上で、外部要因の各種イベントが為替に与える影響について「1〜3月に掛けての英国のEU離脱については、メイ首相が3月までに実行に移す事を明言しており、安全性の高い円を買う可能性が強く、円高に振れる要因となる。米国では2月末には予算教書が発表されるが、何らかの財政政策が発表されれば円安要因となる。FRBが今年3回の利上げを予定しており、上期に一度利上げする必要があり、利上げが実施されると円安のイベントになる。また、3月に行われる中国の全国人民代表大会については、米国との貿易摩擦で成長率を下方修正するかもしれないが、海外には提示せずに為替には影響は無いと予想出来る。4〜5月に掛けて行われるフランスの大統領選挙と6月の総選挙は円高のイベントと見ている」と語り、上半期のイベントでは、兼松としては円高要因が多いとの判断を示した。
 城戸氏は講演の初めに過去5年間の世界の胡麻の生産 の推移と日本と中国の胡麻輸入の比較について、「世界の胡麻の生産 は、この5年間400万トン以上をキープしており、4年前と2016年をに比べると一割弱の増産となっている。日本と中国の胡麻の輸入 を比較すると、日本は、2012年から16年までの5年間で見ると、約14万トン〜18万トンと比較的安定して輸入されている。一方の中国を見ると、2012年には40万トンに満たなかった輸入 が、2016年には93万トン以上に劇的に輸入を増やしている。胡麻の地域 の胡麻生産のシェアは、2011/12年と2015/16年を比較して見ると、北アフリカとアジアの胡麻の生産は、この5年間で5%シェアを落としている。一方で、東アフリカと西アフリカは、この5年間で5%のシェアを拡大している。日本の輸入は、2012年と15年のデータを比較すると、南米、アジアは若干シェアを落としているが、東アフリカが21%〜27%に6%シェアを伸ばしている」と語った。
 城戸氏は、世界の胡麻生産量のシェアの推移と日本の胡麻輸入量のシェアの推移については「胡麻の生産量は、2012年と15年を比較すると、アジアが5・5%減に対して、日本のアジアからの胡麻の輸入量は、5年前に比べ6%減となっているので、生産量の推移と輸入量の推移がほぼ一致している。西アフリカの生産 は4・9%増に対して、日本の輸入量は2・0%増、東アフリカは、2・2%増に対して、日本の輸入量は6・0%増となっている。胡麻の生産量が伸びている所は、日本の胡麻の輸入量も伸びている事が分かる。南米に関しては、この五年間での生産量に大きな変化は無かったものの、日本の輸入量は4・0%減少している」と語り、日本の胡麻輸入が東西アフリカにシフトしている事を示唆した。
 城戸氏は中国の胡麻輸入に関しては、「中国の場合、陸続きのミャンマー等のアジアからの輸入が多い。2012年と15年を比較すると、胡麻の生産量は、北アフリカが4・0%減に対して、輸入のシェアは7・0%増加している。アジア地域の生産が6・5%減に対して、輸入のシェアは2・0%減となっている。東アフリカは、4・8%の生産増加に対して、輸入 のシェアは22%の減とかなり乖離した数字となっている。西アフリカは5・5%の生産増に対して、輸入のシェアは18・0%増と、日本と比較すると中国の輸入のシェアは、世界の胡麻の生産量のシェアと動きが異なる事が分かる」
 「日本の胡麻輸入は、世界の胡麻生産に寄り添った形で行われている様に見える。シェアの推移で見ると同じ様な動きをしているが、胡麻の生産量の絶対値と、日本の輸入量の絶対値を割合で見ると、世界の47%の胡麻がアジアで生産されているにも関わらず、日本はアジアからは7%しか輸入していない。一方で、世界の14%しか生産していない西アフリカからは、日本の輸入シェアの45%を輸入している。国 の過去5年間の上位5カ国は、一位がインド、二位がミャンマー、三位が中国、四、五位はタンザニアやエチオピア等のアフリカ勢が占めている。上位5カ国で、世界の生産量の61%のシェアを占める。日本は上位5カ国から輸入しているのは全体の25%程度となっている。品質、規格、味の問題があるが、数量の一点から見ると、日本の胡麻輸入は、世界の胡麻生産から見て歪な輸入となっている」と語り、講演を締括った。
 



   ㈱J-オイルミルズ