昭和産業㈱
   阿部部長が飼料畜産部概況説明
 高齢化で畜産環境厳しさが継続
     
   昭和産業㈱(東京都千代田区内神田・新妻一彦社長)は、去る2月3日に記者会見並びに懇談会を開催した。飼料畜産部の概況については、阿部健太郎飼料畜産部長が報告を行った。
  阿部部長は、飼料事業のセグメント 実績について「飼料事業の平成29年3月期第34半期は、売上高403億8500万円で前年同期に比べ50億700万円、11・0%の減収となった。営業利益は5億8000万円で同8000万円、18・9%の増益となった」と述べた。
 阿部部長は製品市況について「2016年の配合飼料価格は、米国産のトウモロコシ、大豆が史上最高の生産高を記録したが、夏場の南米の天候不順による相場の上伸や、11月のアメリカ大統領選挙でのトランプ氏勝利確定後の予想に反した急激な円安から、年間を じて値下げと値上げを交互に繰り返す展開となった。畜産物相場については、鶏卵相場が昨年から下落傾向にあるが、需要の底堅さから高値相場が続いている。豚肉相場は、PEDの回復傾向から出荷 が増加し幾分下落したが、ほどほどの展開となった。肉牛相場は、和牛を中心に高値が続いているが、子牛相場の高騰で生産者にとっては厳しい環境になっている」と語った。
 同部長は、飼料業界の環境について「昨年の飼料業界は、外部からの構造改革を求める声が活発に挙がった。TPP発行をにらみ、農林水産業骨太方針策定プロジェクトチームを中心に、生産者の所得向上に繋がる生産資材価格形成の仕組みの見直しが検討された。飼料価格の見える化や、配合飼料製造業の業界構造にメスが入り操業率、銘柄数の観点から、過剰供給と低生産性の改善について、業界団体と政府間の議論が交わされた。また、昨年11月29日は、農業改革となる農業競争力強化プログラムが決定した。今後も政府が掲げる攻めの農業の実現に向けて、様々な改革が行われると思われる。昨年11月には、国内で1年10カ月振りとなる鶏のインフルエンザが、新潟県と青森県で発生した。その後も北海道、宮崎、熊本、岐阜と継続して全国各地発生している。飼料工場の防疫対策強化を含め蔓延防止に努めていく」と語った。
  阿部部長は今後の展開について「当社の第3四半期までの販売数 は、九州昭和産業も含め、前年並みで推移している。施策としては、採卵系が、養鶏生産者の農場規模拡大に対して、グループ会社昭和鶏卵の販売体制を強化して対応していく。豚用については、差別化を打ち出した銘柄豚向けの飼料の拡販により注力している。養牛用については、頭数減少の厳しい環境の中、特に肉牛において、地域 販売戦略と、育成銘柄の開発で数 を伸ばしている。また、政府も奨励している国産飼料用米については、2008年から順調に数 を伸ばし、当期は前年比130%となっている。飼料米の購買先を関東からエリアを広げ物流の仕組み作りを行っている。TPPについては、先月トランプ大統領が離脱を表明し、今後は2国間交渉でより厳しい条件を提示してくる可能性がある。一方、国内でも人口減少や、畜産就業者の高齢化、後継者不足で、飼料業界を取り巻く環境は、益々厳しくなり、競争も激しくなる事が予想される。今後は、グループ会社と1体となった販売体制を構築し、顧客のニーズに合った穀物ソリューションカンパニーとしてユーザーに貢献していく所存である」と語り、説明を締括った。

 



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