パーム油
   国産原料油脂
 2月渡しの米油ローリー物商談  
  需要堅調下も据置きで決着
 脱脂糠下落で抽出コストが上昇
     
   トランプ大統領就任後に1米ドル=120円近い円安が進んだが、その後の為替相場は乱高下しており、2月に入ると同112〜113円の円高に振れ、昨年末からの大手製油メーカーによる油脂価格是正にとっては、やりにくい展開となっている。
  為替についてはFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ観測から、今後は円安局 になる可能性が強くなっている。
 コメ油メーカー筋は2月15日、この様な環境の中で行われていた2月単月渡しの「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、チップスメーカー等のコスト高の環境の中で、揚げ油についても値下げ圧力が掛かっているものの、家庭用を中心とした需要堅調を背景に、前回1月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。据置き決着は、昨年10月以降5カ月連続となる。
 今回の据置き決着で国内の2017年2月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり235〜236円で流 する事になる。
 大手製菓メーカー向けの4半期商談については、円高による輸入原油の価格下落を背景に、2016年7〜9月渡しでキロ当たり5円の値下げ、10〜12月渡し商談でも為替の円高要因からキロ当たり3〜5円の値下げで決着しており、2・4半期連続で都合キロ10円の値下げ商談となっていた。
 2017年1〜3月渡し商談では、昨年11月の米国大統領選挙でトランプ氏の当選が決まると年末に掛け、為替が逆に円安に振れた事で、輸入原油が高騰したが、昨年夏場の北海道の台風被害で、ポテトチップスメーカーの主原料であるジャガイモが高騰した事で、米油については据置き決着となった経緯がある。
 年明け以降は、ポテトチップメーカーの工場は再開されているものの、北海道産ジャガイモの供給不足は続いており、5月の鹿児島産の収穫が始まるまでは、ジャガイモの供給懸念が続く事になる。
 ローリー物米油の需要環境については、「1〜3月渡しの飼料向けの脱脂糠商談がトン当たり2000円の値下げで決着している。国産原料の生糠は、搾油すると8割が脱脂糠である事から、脱脂糠の値下げで、米油の抽出コストは上昇している。輸入原油についても為替の円安傾向から、輸入単価は上昇しており、4月以降については、値上げを行っている大豆油、菜種油の動向を見ながら、油価是正を検討する事になる」(米油メーカーバルク販売責任者)とし、1〜3月渡し中性油の値上げが実勢化すれば、米油との価格差が縮まるので、値上げの可能性も出てくるとの見通しを示唆した。
  何れにしても米油の需要が多い、大手製菓メーカー向けが、ジャガイモの高騰等で、揚げ油の値上げには慎重な事から、米油の価格是正は厳しい環境にあると言える。
 米油の統計量は、農水省発表による12月の油糧生産実績によると、米糠の原料処理 は2万9973トンで、対前年同月比102・5%に増加した。一方で、12月末の脱脂糠在庫は1万57トン(同168・1%)に急増している。
 12月の米原油の輸入実績は、1273トン(内、精製油87トン)で、前年同月を1881トン(59・6%)下回った。年間輸入量も2万9973トンで同9・5%減少している。
 



 USDA