日清オイリオグループ㈱
   ヘルスサイエンス事業成長の核に  
  今村社長が新中計概要発表
 結晶性油脂開発、海外事業拡大を
     
 
今村隆郎社長 
 日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は3月28日、本社で「新中期経営計画説明会」を開催した。当日は、今村隆郎社長が2017年度から20年度までの4年間を対象とする中期経営計画「OilliO Value Up 2020」の概要を説明した。この4月からスタートする新中計では、中鎖脂肪酸を基軸とし、セグメントの枠を超えて横断的に展開する「ヘルスサイエンス事業」とその支えとなる独自の新技術で生み出した「結晶性油脂」を使った新たな付加価値商品の開発、ISFを中心とする海外事業のさらなる拡大など「より成長路線に軸足を移す」ことで、最終年度営業利益130億円以上の達成を目指す方針。
 新中期経営計画では「これまでの事業構造改革を継承しつつ、より成長路線に軸足を移す」(今村社長)ため、五つの成長戦略と二つの基盤強化に取り組む。中でも成長戦略のトップに 置付けているのが「ヘルスサイエンス事業」。今村社長は「人々の健康への貢献を じて社会に貢献するヘルスサイエンス事業を成長戦略の最初にもってきている。ヘルスサイエンス事業のグローバル展開をグループ全体の成長の核としていく。この基本方針の下で当社グループ全体のValue Upを図っていきたいと考えている」と強調し、経営目標として2020年度で営業利益130億円以上、ROE7%以上、EPS成長率8%(年平均)、営業キャッシュフロー 500億円(累計)を掲げた。ヘルスサイエンス事業の拡大、海外事業のさらなる展開といった成長市場に積極的に進出することで、全てのセグメントでValue Upを目指す方針。
  注目のヘルスサイエンス事業については、売上高の成長率で2020年まで年平均20%の成長率、16年度対比205%を目指す。今村社長は「事業規模をスピード感をもって拡大。当社のもつ独自技術を、海外を含めた他社とのコラボレーション、また社外リソースの活用を じてスピード感をもって、グローバルな事業展開にしていく」と説明。また、この事業を支える新技術「結晶性油脂」を開発。これは特定の条件を整えることで油脂を従来の粉末油脂とは全く異なる特性を持つ油脂に加工する同社独自の技術。水やジュースと油脂を乳化したペーストや食品の表 をコーティングして離水を防止するなど、さまざまな用途で活用できる。今村社長は「すでに開発しており、特許も申請済み。従来の粉末油脂とは全く異なる油脂の結晶であり、さまざまな分野で活用できる可能性をもつ非常におもしろい商材である」と述べ、結晶性油脂で新たな付加価値商品の創出を図る考え。
 グローバル展開については加工油脂、ファインケミカルを中心に、これまで進めてきた海外拠点、海外の基盤を最大限に活用し、事業を拡大する。海外売上高の成長率年平均7%を目標に設定し、16年度比132%を目指す。今村社長は「ISF社については、最新式の設備を導入したR&Dセンターを開設。これは世界的に見ても最先端の技術力をもつセンターとなっている。ISFではこの技術力を活用し、欧州のグローバル企業などの厳しい品質基準を満たし、お客様の満足を得ている。こうしたことがISFの事業の拡大につながってきている。また、インドネシアにおいては、大東カカオとサリムグループとの間で、チョコレート事業での合弁契約を正式に締結。新会社を設立し、工場の建設が始まっている。ヘルスサイエンス事業のグローバル化を含めた海外事業の拡大においては積極的なM&Aや業務提携といった海外リソースも今後、積極的に活用していきたい」と説明した。
 同社は先に 、久野貴久常務が新社長に昇格するトップ人事を発表した。新体制で4月からの新中計に臨むにあたり、今村社長は「会長になっても代表権のある会長であるので、当然、この中期経営計画を作り上げてきたものとして責任がある。会長という立場で新社長と一緒にやっていく」、また、新社長に内定している久野常務は「抱負を語るにはまだ時期が早いが、今回発表した新中計の策定には役員として関わってきており、完遂に向けて率先してがんばっていく、それに尽きる」と語った。
 


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