日清オイリオグループ㈱
   高柳常務が「結晶性油脂」説明
 食品の新しい美味しさを提供へ
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は、先週開催した「新中期経営計画説明会」で、ヘルスサイエンス事業を成長の核と 置付け、それを支える同社独自の新技術「結晶性油脂」について、高柳利明常務執行役員経営企画室長が次のとおり説明した。  
 
一、   当社の結晶性油脂は油脂100%。従来の粉末油脂とは大きさや形状、製造方法など全く異なる特性を持つ当社独自の技術で開発したもので、油脂や食品を食べやすく加工するもの。結晶性油脂は非常に細かく、10 m程度。形は板状。粉末油脂(同社のMCTパウダー)の大きさは約200 mで約20倍の大きさで形も球状。従って、粉末油脂とは特性が違う。結晶性油脂は中鎖脂肪酸のものと大豆や菜種など 常の油脂のタイプの2系統ある。
一、  結晶性油脂の性質だが、 常の油は冷却すると白く固まる。結晶性油脂は 常の油脂がある特定の条件を整えることで結晶も白く固まって体積が増えるという形となる。微細な粉末になるということ。イメージとしては水を冷却すると氷になる。水も大気中である1定の条件が整うと雪になる。雪もよく見ると6角形の結晶を持ち、集まるとふわふわっとした白い雪になる。結晶性油脂も特定の条件を整えると結晶化し、固まっただけではなく、少しずつ体積が増える。細かい結晶が白い雪のようにモコモコっとなる。そういった意味では大きな設備を作らなくてもこういう現象が再現できる。
一、  結晶性油脂は粉末状態なので多様な食品に応用が可能だ。食品の新しいおいしさを提供できるものと考えている。今回、2つの試食品を用意したが、一つは中鎖脂肪酸タイプの結晶性油脂で、抹茶の粉末と混ぜたものを餅にまぶした。二つ目はトマトジュースと結晶性油脂を混ぜてペースト状にしたもの。食べると、口の中でスゥーと溶けるような冷涼感が味わえる。中鎖脂肪酸の結晶性油脂については融点が体温と同じぐらいの温度であるため、そう感じるわけだ。大変微細で板状の性質なので、食品の表 をコーティングする。野菜であれば水分の離水を抑制する効 がある。生野菜は当然ながら時間が経つと水分が抜けてしなしなとなるが、結晶性油脂を使うと、水分の離水を抑制する効果を発揮し、シャキシャキ感が長持ちする。また、パイ生地に通常の油脂タイプの結晶性油脂を練り込み、パイを焼くと、パイの多層化やふくらみが増す。 
一、  結晶性油脂の応用については、まだまだこれからである。今後、サンプル等の供給体制を整え、いろいろな展開を進めていきたい。食品用途はもちろんだが、ファインケミカルなどへの応用も考えていきたい。今年の5月になるが、アメリカの油化学会に出展し、さらにグローバルにオープンテクノロジーとして進めていきたい。