国産原料油脂
   4月渡し米油商談5円値上げ  
  昨年の円安で輸入原油高騰
 ジャガイモ不足で製菓需要懸念
     
    昨年の円安時の輸入原油の高騰から、国内の米油メーカー各社は、値上げを模索していたが、昨年の北海道の台風被害でジャガイモが不作となり、原料が高騰した事で、ユーザーサイドは米油の値上げに難色を示して来たが、今回商談で値上げを受け入れた。
 米油メーカー筋は先週5日、加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの4月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、輸入米原油の価格高騰を背景に、前回3月渡しの平均決着価格からキロ当たり5円(2・1%)の値上げで決着した事を明らかにした。
 国内の米油バルク積み商談は、昨年10月以降6カ月連続で据置き決着していたが、当月は7カ月振りの値上げ商談となった。
 今回の値上げ決着で国内の2017年4月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流通する事になる。
 また、平行して行われていたポテトチップス等大口需要家向けの4〜6月渡し長契商談についてもキロ当たり5円の値上げで決着している。
 今回商談の環境については「現在、入荷している米原油は、昨年11月にトランプ氏が大統領に当選して以降、為替相場が1米ドル=118円の円安に振れた時の玉が入荷しており、国内での米油の生産コストが上昇した事で、大口需要家も含め値上げ受け入れとなった」(米油メーカーバルク販売責任者)として、今回商談の値上げの背景に、米国でのトランプ政権発足以降の為替の円安があった事を示唆した。
 また、事前に決着した1〜3月渡しの大豆、菜種油ローリー物商談でキロ当たり10円の値上げが実勢化した事も支援要因となった模様である。
 因に本年一月の米油の輸入単価は、トン当たり10万944円と、10万円の大台を突破し、前月に比べトン当たり3,585円(3・7%)上昇している。
 今後のバルク用米油の需給見通しについては「ポテトチップスの原料となるジャガイモが、昨夏の北海道台風によるジャガイモ生産の急減で、価格が上昇しており、今年の5月に鹿児島でジャガイモの収穫が始まるまでは原料需給が逼迫する可能性が強く、米油の需給にも懸念が出ている」(同)として、ジャガイモ不足から米油需要の7割近くを占めるバルク需要低下に懸念が出ている事を明らかにした。
 四半期商談については、これまで円高による輸入原油の価格下落を背景に、2016年7〜9月渡しでキロ当たり5円の、10〜12月渡し商談でも更に3〜5円の値下げで決着しており、2・四半期連続で都合キロ10円の値下げを受け入れてきた経緯があり、今回商談で、やっと半分まで価格を是正した事になる。
 前回の2017年1〜3月渡し商談では、為替が円安に振れた事で、輸入原油が高騰したが、北海道の台風被害で、主原料であるジャガイモが高騰した事がコストアップの最大要因となり、米油については据置かれた経緯があった。
 価格是正では、現在為替が1米ドル=110円台の円高に振れている事から「このまま、円高傾向が続く事になれば、輸入原油のコストが下落する事になり、次回7〜9月商談では値下げの圧力が掛かる可能性がある」(同)として、最近の急激な為替の円高に懸念を表明した。
 


㈱ADEKA