日清オイリオグループ㈱
   鈴鹿市での産学官連携活動を報告
 健康寿命延伸への可能性を示唆
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は、鈴鹿市(末松則子市長)、鈴鹿医療科学大学(高木純一」理事長)と昨年締結した産学官連携協力に関する協定に基づき、4つのテーマで取り組んだ結 、以下のとおりの成 をあげた。これを受け、2017年度も引き続き、産学官連携での健康寿命延伸につなげる健康的な食生活(中鎖脂肪酸)の普及・啓発や鈴鹿市の地場食材を活用した地域活性化などに取り組む。
【食生活(中鎖脂肪酸)での市民の栄養状態向上の大規模研究】
〈研究の目的と概要〉健康寿命の延伸に向けて健康的な食生活は有効な解決手段と考えられるが、一方で、食の習慣は個人の嗜好とも結びつき、日々の生活で改善していくこと(行動変容)は簡単ではないとも言われている。今回の大規模研究では
①献立メニュー(鈴鹿産の地場食材をふんだんに使うとともに、中鎖脂肪酸を含む食用油を使ったレシピ)やチェックシートの提供による食生活習慣の改善・定着
②多様な食材摂取による栄養状態の改善。以上を目的に研究を行った。
45歳〜79歳の鈴鹿市民(調査対象者503人)が協力。約1カ月間、健康によいと言われる10種類の食材(肉、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、いも類、海藻類、くだもの、油を使った料理)と中鎖脂肪酸を含む食品を毎日食べる食生活改善を推奨したうえで、前後の変化を調べた。また、推奨前後に採血した98人(60〜79歳)の血液を分析するとともに、認知機能検査を実施し、推奨前後の変化を調べた。その結 、中鎖脂肪酸を含む多様な食材を摂取したことで、健康状態が良好になり、加齢に伴い低下する機能の維持や低下防止につながる可能性、ひいては健康寿命の延伸につながる可能性を見いだすことができた。
  栄養状態の向上に伴い、血液中のIGFー1の濃度が改善した=多様な食材摂取を推奨する前後で、60〜79歳(98人)の血中IGFー1(※1)の数値が有意に増加した。また、赤血球のMCV、MCH、MCHC(※2)も有意に上昇した。IGFー1は、タンパク質合成促進・分解抑制の作用を持ち、神経細胞保護に働くことから、多様な食材摂取(健康によいと言われる10種類の食材+中鎖脂肪酸を含む食品)の推奨がサルコペニア(全身の筋力低下および身体機能の低下)の予防や認知症の予防につながる可能性が示唆された。

「IGF(インスリン様成長因子)︱1」は、赤血球産生促進、骨形成、免疫増強などに働き、細胞の増殖・分化誘導・機能維持、細胞死の抑制などの作用が知られており、一生を通じ、良好な栄養状態、成長ホルモン分泌、インスリン分泌により、その産生が維持される

「MCV」平均赤血球容積、「MCH」平均赤血球ヘモグロビン 、「MCHC」平均赤血球ヘモグロビン濃度。いずれも赤血球の状態を詳しく知るための検査指標。貧血等の原因を知るのに役立つ。一
(健常な人の)1部の認知機能の低下を抑える可能性が見いだされた=60〜79歳(98人)を対象に、多様な食材摂取の推奨前後で認知機能スクリーニング検査を実施したところ、総合的な評点が増加傾向となり、5項目の検査のうち、即時再認と呼ばれる検査項目では有意に得点が増加した。この結 、多様な食材摂取(健康によいとされている10種類の食材+中鎖脂肪酸を含む食品)の推奨が健常な人の認知機能の低下を抑える可能性が示唆された。
【監修医・加藤一彦氏(医療法人社団彦仁会かとうクリニック)のコメント】
今回の実証研究は500人超の一般市民を対象としており、このような規模で産学官が連携して行ったことは貴重な取り組みだと思います。また、「多様な食材」を摂り、中鎖脂肪酸のような機能性のある食品成分を摂ることで、血清中のIGF︱一濃度や赤血球のMCV、MCH、MCHCの上昇といった、からだの栄養状態を充足させたこと、健常者の認知機能の低下を抑える可能性を見いだせたことは、とても好ましいことです。薬だけに頼るのではなく、こうした身の回りの食材やそれに含まれる成分を利用し、さまざまな生活習慣病の改善や予防につなげることが重要だと考えます。
 同社では、今回の大規模研究の結 、中鎖脂肪酸を含む多様な食材の摂取の推奨が健康寿命の延伸につながる可能性が見いだせたことから、中鎖脂肪酸を含む多様な食材を無理なく、手軽に毎日の食生活に取り入れてもらえるよう料理教室の開催、小売店との連携などを じて、さらなる普及、啓発活動を実施していく。また、食生活(中鎖脂肪酸)に関する基礎的研究からの機能性の解明も引き続き進めていく。
 
 



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