家庭用市場
   前期重量4%増で好調を維持  
  オリーブ油、ゴマ油が貢献
 金額前年割れも1363億円で堅調に
     
   前期(16年4月~17年3月)の家庭用食用油市場は、重量ベースでは前年を上回り、堅調な動きが継続。主力のキャノーラ油が伸長したことに加え、オリーブオイル、ゴマ油も前年実績を上回り、好調に推移したことが大きく寄与した。一方で、金額ベースはサプリ的オイルの減速が影響して前年実績を割り込んだものの、全体の市場規模は1,363億円と、過去最高の売上金額となった前年(1,432億円)の流れを引き継ぎ、全般は堅調な動きをキープしたと言っていい。
 大手製油メーカーによると、前期の市場動向は、食用油トータルで重量ベースが前年比4%増、金額ベースは同5%減となった。カテゴリー では、キャノーラ油が重量4%増、金額1%増。レギュラーサラダ油は重量7%減、金額9%減と縮小傾向は変わらない。キャノーラが伸びたことに関しては「15年に食用油の市場規模が急拡大。売り手=小売りにとっても大きな柱となったことから、積極的な販促を継続した。チラシの回数がとくに上期に増加。サラダ油を含む汎用油のチラシの回数は前年上期と比べ1割程度増えたことが、キャノーラの売上げを後押しした」(大手製油筋)との見解を示している。確かにキャノーラは上期重 6・6%増の一方、下期の伸びは1・7%増にとどまっている。
 オリーブオイルは重量 、金額とも5%増と前期も市場を拡大した。エキストラバージンが重量、金額とも6%増、ピュアが重量前年並み、金額1%増といずれも堅調な動きに終始した。15年はスペイン、イタリアの大幅減産による相場高騰を受けた値上げ実施の影響で数字を落としていたが、16年は全般に原料も落ち着き、日清オイリオグループが基幹ブランドの「BOSCO」発売20周年キャンペーンを積極的に展開したこともあって売上げは大きく回復した。継続的なレシピ提案、メディアによる健康訴求もマーケットを支えている。
 ただ、伸び率が鈍化してきたことも確かで、「やや足踏み、踊り場にさしかかってきた」(同)との認識。「新規ユーザーの獲得による間口の拡大、ライトユーザーに対しては普段使いに向かわせるなど使用 の拡大を図ることががさらなる伸長への道筋」とし、Jオイルはこの2~3月、大々的なテレビCMを投入し、市場の活性化策を展開した。その効果は大きく、EVの2月は数量で13%増、3月も8%増と売上げが大きく伸長した。
 えごま油、アマニ油、ココナッツオイルのサプリ的オイルは大幅な前年割れ。テレビの情報番組などで、その健康性が取り上げられ、健康フリークの参入などでブームに沸いた前年から大きく後退した。それでも三品で金額ベースは150億円弱あり、この水準を大きく落とさなければ、十分に価値ある市場と言える。とくに、えごま油とアマニ油は、今年度に入ってもテレビで健康効果を取り上げられるケースが続いており、メーカー側の仕掛けを含めて、まだまだ伸びが期待できるカテゴリーと言えそう。
 このほか、こめ油の売上げが大幅にアップしている。金額市場規模は45億円台まで伸びており、60億円弱のえごま油、50億円超えのアマニ油に迫る市場規模に成長している。15年後半から健康機能を訴求したメディアでの露出が増えたことが大きな伸びにつながったものだが、今年1~3月も勢いに衰えは見られない。日清オイリオ、Jオイルの大手二社も昨年、新商品を投入しており、市場の活性化につながっている。このまま定着するのかどうか、今年度の動向に注目が集まる。ごま油は重量7%増、金額6%増と引き続き好調な動き。
 昨年は全般に原料コストが落ち着いていたことから、汎用油(キャノーラ油とサラダ油)の価格は年後半に向かって下落傾向を強めたことは確か。一方で、今期は原料相場の高止まりと為替の円安で製油側の採算は大きく悪化している。家庭用においても、遅れ気味ではあるが、各社とも価格改定に注力している。
 



  2017年通関