国産原料油脂
   5月渡し米油商談据置きで決着  
  家庭用堅調も加工用が低迷
 ジャガイモ不足ポテチ向け減少 

     
   昨年の北海道の台風被害はジャガイモ畑だけでなく、ポテトチップスを中心とした製菓メーカーの現地工場にも被害を及ぼした。
 年明け後の初夏になっても北海道では、耕作地が荒れてジャガイモの作付けを行わない農家も出ており、5〜6月に掛けての九州、中国地方での収穫が終わった後の、ポテトチップ向けジャガイモの供給に懸念が出ており、加工用米油の需要不安が長期化しそうな情勢である。
 米油メーカー筋は9日、この様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの5月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回4月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。
 前回4月渡し商談では、輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで、4〜6月渡しの長契商談についても同5円の値上げで決着していた。
 今回の据置き決着で国内の2017年5月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流 する事になる。
 今回商談の環境については「ポテトチップス向けの米油は、ブレンド製品を除いても加工用の2割程度を占め、原料ジャガイモの8割近くを占める北海道産のジャガイモ不足によるポテチ向け米油需要の低迷は、業界全体にとっても厳しい環境となっている」(米油メーカーバルク販売責任者)として、据置き商談の背景に、ポテトチップスメーカーの原料ジャガイモ不足が影響している事を明らかにした。
 原料ジャガイモは、付着した泥による外来の病害虫問題から輸入規制が厳しく、港湾に近い工場でしか輸入ジャガイモの加工が出来ない事から、輸入量は限定的となっている。
 加工用米油の需要回復策としては「スーパーの製菓の棚で、ポテトチップの代替で、米菓や成形ポテトチップス等が生産されており、ポテトチップス向け程のボリュームはないものの、その分野での揚げ菓子需要を掘り起こしていく」(同)として、加工用米油の需要対策として、ポテトチップス以外の揚げ菓子需要を増やしていく事を示唆した。
 一昨年にTVで米油の健康 での評価が高まり、家庭用を中心に、供給不足まで招いたが、現在は沈静化しており、家庭用向けで、米油需要全体の7割を占める加工用需要の低迷をカバーする力はない事から、加工用の落ち込みは、加工用の新規需要開拓でカバーするしかないのが現状である。
 米油の統計量については、4月末に農水省から公表された油糧生産実績によると、本年3月の米糠の原料処理量は2万9,859トンで、前年同月に比べ、数 で1,447トン(5・1%)の増加となった。
 3月の米原油生産も5,970トン(107・2%)に増加した一方で、3月末在庫は、加工用向けの低迷を反映して、1,584トン(同157・3%)に増加している。
 国産の供給不足をカバーする輸入原油は、3月の輸入実績で、2,510トンで、前年同月を32・6%上回ったが、1〜3月累計では5,716トンと、前年同期比4,430トン(43・7%)減と半減している。
 輸入急減の背景には、一昨年が米価の低迷で、米菓子メーカーが増産し、米油の需要も拡大した事で、輸入量が増加したものと見られる。現在は米価の安定で米菓子向けの米油需要も 常に戻っている。
 



  ボーソー油脂㈱