不二製油グループ本社㈱
   3月期営業利益過去最高を更新  
  清水社長が決算概況を総括 
 戦略的拡販や採算改善が奏功し

 不二製油グループ本社㈱(大坂市北区・清水洋史社長)は11日、都内で「2016年度決算説明会」を開催した。当日は、清水洋史社長、酒井幹夫CSO(最高戦略責任者)、松本智樹CFOが16年度実績と17年度の見通しなどについて説明した。
 説明会では、清水社長
(写真)が「社長就任して四年が経った。口を開けば変革、変革と言ってきた。この年間は基礎作りの四年、今期から始まる中計の三年間は変革の三年間で、仕上がったところで2020年を迎えるということ。グループ憲法を作り、おいしさと健康の両立を掲げた。憲法の一番の特徴は、人のために働くということである。さらに地域エリアに重点を置くということでホールディング制にし、ブラジルの会社をM&Aした。これらの構造改革、つまり変革を今年は着実に実行する最初の年ということになる。基盤は16年までに作りあげたので、今一年目から実行していく。ただ、結論から言うと、意志ある踊り場というべきか、一年目の変革は18年以降の大きな伸びに向けて、準備をしっかりやり切る、準備期間という 置づけとする。正月の日経新聞のとおり、過去の延長線上にない断絶の時代ということになるが、今までのやり方では絶対にできないことは明確である。プロダクトアウト型からソリューション型の経営をやっていくということだ。とくに初年度である17年度が最も大切であると考えており、16年度に過去最高の売上と利益を達成した今だからこそできる17年度である考えている」と、社長就任以来のこの4年間を総括した上で、今後の同社の方向性を明確に 置付けた。
 引き続き、松本CFOが16年度実績と17年度の業績見通しについて説明した。16年度実績は売上高2,925億円で前期比1・7%増、営業利益197億円で同16・9%増、経常利益197億円で同39・6%増、当期純利益121億円で同31・2%増と増収大幅増益となった。松本CFOは「営業利益は7期ぶりに最高益を更新した。積極的な拡販施策、価格政策による採算改善に加え、原料相場、為替等の外部環境が好転したことが本社経費、減価償却の固定費の増加を吸収し、最高益となった。しかしながら、4半期ごとの推移を見ると、第4四半期が前年同期を下回った。これは油価の上昇によって油脂部門の日本、欧州で前年を下回ったことによるもの。製菓製パン、大豆たん白は増益を確保したが、油脂の減益によって目指していた営業利益200億円には届かなかった」と総括した。
 営業利益は前期比29億円の増加。油脂・チョコレート販売増など拡販要因(数 要因)で20億円増、原料コスト低減・価格改定・生産効率アップの単価要因で34億円増、ハラルド関連で17億円増。施策経費・減価償却費等の固定費で34億円減、為替要因で8億円減の差し引き29億円の増益。
 17年度の業績予想は売上高3,090億円で前期比5・6%増、営業利益200億円で同1・6%増、経常利益194億円で同1・6%減、当期純利益125億円で同3・3%増。営業利益は油脂・チョコレート・マーガリン・クリーム・フィリングの販売増による拡販要因で28億円増、原料コスト増を価格政策、生産効率アップでカバーする単価要因で5億円増。施策経費・減価償却費等の固定費で31億円減も差し引き3億円の増益予想。為替は15年度が121円、16年度が109円、17年度は111円と見込む。
 所在地別の営業利益については、17年度は日本の油脂、大豆たん白の減益を製菓製パンでカバーする予定。アジアは製菓製パン、チョコレート用油脂関連の拡販を見込み、増益予想。同社が一番の戦略エリアと見ている米州は、アメリカの油脂ではノントランス酸の追い風を受けてフルキャパの状態だが、利益を維持していく。ブラジルのハラルド社はレアル高もあって原価関係は改善。収益性は向上する見込みで、大きく増益を予想。これら海外の伸長で、海外営業利益率は16年度の33・5%から42・5%に大幅な上昇を見込んでいる。
セグメント の業績予想は次のとおり。
油脂部門 
売上高1,127億円(前期1,094億円)、営業利益66億円(同64億円)。「17年度はアジアでのチョコレート用油脂の拡販、他のエリアにおいてもかなりの拡販政策をとってきており、生産設備的にフルキャパの状態となっている。価格戦略、顧客、製品群を選びながら採算重視で販売していくという戦略をとりながら66億の営業利益を確保したい。また、安定化DHA・EPAが将来的に寄与していくものと考えている」(松本CFO)。 
製菓・製パン素材 
売上高1,600億円(同1,440億円)、営業利益118億円(同106億円)。「チョコレートを引き続き成長ドライバーとし、とくにハラルド社の収益向上と中国、アジアでの提案営業強化による成長市場の取り込みで収益の確保を図りたい。また、シンガポールにおける調製品の利益も大幅に改善する見通し」(同)。 
大豆たん白 
売上高362億円(同392億円)、営業利益16億円(同27億円)。「16年度は13億円から27億円に大幅な増益となった。酸性乳飲料向けなど大豆多糖類が国内、中国での販売が好調で、ここの利益が大きく伸長した。また、たん白素材も価格改定をした中で、原料も比較的低 安定で推移したという追い風もあり、数量と原価 、高付加価値の大豆多糖類が好調に推移。中国、とくに日本が大幅な増益となった。こうした中で、17年度は営業利益が11億円減の見通し。成長のドライバーとしては、引き続き高付加価値品を販売していくことに変わりない。一方で収益性の低い、採算性の低い製品は見直しをしていきたい。大きな資産をもってトップラインの400億円前後で推移しているということからすると、やはり選択と集中をすることによって、高収益の事業体質に変えていく必要があると考えている。そう意味で収益性の低い堺事業所を閉鎖する決定を昨年行った。低採算の製品群の縮小、生産拠点の統廃合を進めている中で、一部、製品群の販売の見直しをするため、先行的に収益を落とす形となっている。2020年までに30数億円の営業利益をあげたいと思っており、そのためには一旦は17〜18年度にかけて事業の再構築、ビジネスモデルの転換を行っていかなければ、現在の延長線上では難しいと判断した」。 



 ボーソー油脂㈱