日本植物油協会
   通常総会の懇親会で今村会長挨拶
  植物油の価値訴求に一層努力
 コストの適正な反映に取り組む
 
     
   日本植物油協会(東京都中央区)は5月18日、東京・大手町の経団連会館で「平成29年度 常総会」を開催し、「平成28年度事業報告書承認の件」、「平成29年度決算報告書承認の件」などを全会一致で可決承認した。また、岡田茂副会長(昭和産業取締役会長)の辞任に伴い、昭和産業の新妻一彦社長を新副会長に選任した。
 総会終了後には、懇親会が開かれ、今村隆郎社長(日清オイリオグループ社長)が取り巻く経済環境について「消費の減少や節約志向は一過性のものではなく、人口減少や高齢化に伴う構造的な消費の変化がその背景にあり、これからどう向き合っていくのかが、ますます重要な課題となっている」との認識を示した上で、「私ども植物油脂業界は、必要な油脂原料を海外の限定された国に依存している。近年、国際市場において、多くの油糧原料の増産にもかかわらず、中国を始めとした新興経済国の食料需要の拡大に伴う需給ひっ迫が基調となってきている。原料価格は一時の高値からは低下したとはいえ、以前に比べればパラダイム転換とも言うべき高価格水準が持続する状況にある。一方で、国内商品市場はなかなか活性化せず、原料と為替の相場変動を受け止めるだけの余力が十分にない状況にあり、消費低迷の厳しい局 が継続している。こうした状況下、昨年末の急激な円安や物流等の各種コスト高に直通。その後も、原料相場の高止まりの中、業界各社は現在もなお、コストの製品価格への適正な反映に正 から取り組んでいるところだ」と厳しいコスト環境の中、価格是正が大きな課題となっていることを改めて明確にした。
 今村会長は引き続き、「国際貿易交渉の中心課題として取り組まれてきたTPPは、米国トランプ大統領の離脱宣言により、ひとまず歴史の舞台から消えることになった。今後のポストTPPの展開方向は新たな動きも見えるが、依然として不透明であり、植物油業界としては会員各企業における自己革新を一層進め、今後、予想されるいかなる事態にも柔軟に対応していく必要がある。このためには、新たな商品価値の実現に向け、消費マインドの変化等に見合った積極的な新製品開発に努める一方で、原料事情に影響されにくい高付加価値型の事業構造への転換、聖域なきコスト構造改革など、国際競争力の強化に向け、さらに一層の努力を傾注していく必要があるものと考えている」と強調。また、原料原産地表示については「具体的な実施にあたっては関係部局と運用 でのしっかりとした調整が必要」、遺伝子組み換え表示については「我が国の植物油に関して、あえてこれを義務表示する意義はないものと考えており、今後とも科学的見地に立った主張を行っていく」との見解を示した。
  最後に今村会長は「植物油産業は、我が国のフードシステムの基幹産業であり、国民の命を支える価値ある植物油を安全・安心、安定的に消費者に届ける義務を有している。近年、健康 等を中心に植物油の持つ優れた価値が改めて見直されている状況の中、会員各社は各社の強みや特色を生かした多様な商品やサービスを提供する努力をさらに強化していく。こうした努力を通じて、植物油市場がさらに活性化していくものと確信。協会としては、植物油の価値について広く消費者や関連ユーザーに理解していただくために、関係各社と連携した啓蒙普及活動をさらに強化する必要があると考えている。こうした活動を中軸に、直 する課題の解決に一層努力し、業界のプラットフォームとしての事業展開に鋭意、努める所存だ」と力強く語り、あいさつを締めくくった。

 



不二製油グループ本社㈱