日清オイリオグループ㈱
   今村社長が決算概要などを総括
  経常益、純利益は過去最高に
 新中計スタート、目標達成に自信
 
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は23日、本社で「2017年3月期決算説明会」を開催した。当日は、今村隆郎社長が決算概要と18年3月期の業績予想について説明。また、渡辺信行財務部長が決算概要の詳細を報告した。
 17年3月期の連結業績は売上高3,249億円で前期比0・9%減、営業利益102億円で同43・6%増、経常利益103億円で同40・2%増、当期純利益76億円で同50・8%増となった。今村社長は「売上高はほぼ前年並みも営業利益、経常利益とも前年比40%以上の増益となった。当期純利益については株式の持ち合い解消による有価証券売却益や固定資産売却益などの特 利益があり、前年比50%以上の増益となった。経常利益と当期純利益は過去最高益となった。前中期経営計画スタートの前年、2013年度から見ると、利益はほぼ2倍。毎年順調に利益を積み上げてきた。3年間の中計取り組みの成 と考えている。今年度以降は、新しい中期経営計画の基本方針に沿って、これまでの事業構造改革を継承しつつ、新たなステージとなる成長路線に軸足を移していきたいと考えている」と総括した。
 今村社長はまた、前中期経営計画(14/16年度)を振り返り、「14年度から始まった3年間の中計の基本方針は、基幹事業である油脂事業の収益改善を中心とする揺るぎない収益基盤の構築だった。この基本方針に沿って、できるだけ相場に左右されにくい収益構造、そして毎年少しずつでも利益を積み上げるアップトレンドの収益体質へ転換することを目標に取り組んだ。結果として13年度を含め、4期連続の増益を たすことができた。これは、搾油環境が比較的安定していたこともあるが、この間、磨き上げた技術力をベースに付加価値カテゴリーの育成、聖域のないコスト構造改革、さらには海外事業の積極的な展開など、収益構造を変える地道な取り組みがこの成 につながったものと確信している。とくに付加価値カテゴリーを育成して事業構造を変えることは、最も重要なテーマであると考えていた。その進捗結 については、それぞれのセグメントでの付加価値カテゴリーについて、中計スタート前の13年度の利益を100とした場合、毎年着実に利益を増加させ、16年度には122となり、2割以上の伸びとなった。すべてのセグメントで付加価値カテゴリーを少しずつではあるが伸ばしてきた。16年度では連結子会社を含めたグループ全体で約半分の利益を付加価値カテゴリーで占めるという事業構造となった。さらに、ホームユース(家庭用)に限定して見ると、健康油、オリーブオイル、ゴマ油、アマニ油などにギフトを含めた付加価値カテゴリーで利益の6割以上を占めるようになっている。また、汎用品のカテゴリーにおいても揚げ物の吸油を抑制する日清ヘルシーオフやナチュメイドなどで、キャノーラ油やサラダ油と比較して、若干採算の良い商品を伸ばすことによって安定した利益を得られるように、汎用品においても収益構造の改善に取り組んだ」とした上で、「今後も販売数 の多い汎用カテゴリーの利益率を高めていくとともに、付加価値カテゴリーをさらに育成することで引き続き収益構造の転換を図っていく」と今年度以降の展開にも自信を見せた。
 18年3月期の連結業績予想は売上高が3400億円で前期比4・6%増、営業利益が100億円で同2・3%減、経常利益が100億円で同3・2%減、当期純利益が65億円で同14・1%減を見込む。業績予想について、今村社長は「売上高は3400億円、営業利益では若干の減益となっているが、これは今年度からスタートした新中期経営計画『OilliO Value Up 2020』において、すでに営業利益目標として2020年度130億円と設定しており、その初年度として当初から100億円と計画していたものであり、改めて今年度の厳しいコスト環境を踏まえて前年並みの100億円とした。ただ、この利益目標は130億円に至る道筋として最低限達成すべき堅めの目標として考えており、今年度すでに1カ月半が経過しているが、この先まずは、直近の中間期に集中し、今年度の計画達成に向けた戦略、施策の確実な実行と成長に向けた1歩1歩を着実に推し進め、少しでも利益を積み上げたいと考えている。従って、5期連続での増益を目指すことに変わりはない」と強調した。
 営業利益は18年3月期、100億円で前期から2・5億円の減益予想。増減要因については、油脂・油糧および加工食品のセグメントでは1億円の増益。内訳は、付加価値カテゴリーでの拡販など販売数 の増加で16億円増。市況変動(販売単価が65億円増、原価変動が75億円減)で10億円減、販管費・その他(販売数 増加に伴う物流費・販促費等の増加)で6・5億円減、子会社利益の増減で1・5億円増を見込む。「市況要因による原価変動あるいは物流費など販管費が増大するといったマイナス要因はあるものの、ホームユースで今後注力する『かけるオイル』やウエルネス食品など付加価値カテゴリーの拡販でマイナスをカバーする方針」(今村社長)。
 加工油脂では4億円減を見込む。内訳は国内加工油脂で0・5億円増も、インドネシア合弁事業での費用増加など海外加工油脂が4・5億円減の見 し。「ISFを前期よりも厳しく見ていることに加え、インドネシアでのチョコレートの合弁事業に関連した成長投資に伴う費用が増加するため」(同)。ファインケミカルにいついては、ほぼ前年並みの計画。「1昨年設立した中国の現地法人を活用した中国での販売もここにきて大きく伸びており、十分増益は可能とみている」(同)。
 今村社長は「全体としては若干の減益となっているが、市況の影響による原価変動や販管費増といった減益要因への対応には、まずは適正な価格改定が大前提となるが、これまでと同様に付加価値カテゴリーにおける着実な利益の積み上げ、そして継続的なコストダウンなどを して計画を少しでも上回りたいと考えている。営業利益130億円、ROE7%、EPS成長率年平均8%の成長、営業キャッシュフローの4年間累計500億円という2020年度の経営目標達成を目指し、綿密な戦略と施策、KPI、行動プランといった具体的なシナリオをすでに描いている。全員が一丸となって行動に移すことによって、この経営目標を十分に達成できるものと確信している」と意欲を示した。
 



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