日清オイリオグループ㈱
   新研究開発拠点「技術開発センター」
 「知」「技」集結、創造性豊かに
 生産と連携、迅速な商品開発推進
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は22日、横浜磯子事業場内に建設し、今年一月から本格稼働した新研究開発施設「技術開発センター」の記者見学会を開催した。これまで横須賀市にあった中央研究所を移転し、生産現場と隣接させることでさらなる研究開発体制の深化を図るもの。生産技術との融合、本社機能との連携で商品開発・技術開発の効率化とスピードアップを目指す。また、併設したプレゼンテーションルームを活用し、顧客・取引先とのコミュニケーションをより一層強化し、商品力・提案力を高める中で新たな価値創造につなげていく考え。上田善博理事中央研究所長(写真左)は「よりマーケットに近いところで、生産との連携を図り、スピーディーなモノ作りを進めるために磯子事業場内に技術開発センターを建設した」とその意義を強調した上で、「グループのハブ機能という形で総合力を発揮し、研究開発、商品開発を推進していきたい」と意欲を示した。
 同社は1959年、東神奈川(横浜市)に研究所を開設。その後、油脂の化学を中心に研究開発を続け、人員増などに伴って1995年に横須賀市に移転した。見学会で上田所長は、こうした同社研究所の歩みを振り返りながら、「当時の企業の研究開発というのは、アイソレートされた中でしっかりと、じっくりと研究開発をするという流れがあった。しかしながら、昨今はより一層マーケットに近いところで生産との連携を図りながら、スピーディーなモノ作りを進めるということもあって、横浜磯子工場があるこの事業場内に新しい研究開発施設を建設した。技術開発センターというのは、建物の名前であり、この中に中央研究所とユーザーサポートセンター、横浜磯子工場の品質管理チームが入って活動している。設計段階からわれわれの考え方、大きく2つのコンセプトを打ち出し、建設。一つは知と技を集結して研究員の創造性、創造を逞しく推進できるような場を作ること。二つ目は情報発信・情報交流の場を作ること。つまり、知恵や知識、知能といった『知』の部分と技術など『技(わざ)』といったものを集めて、研究員が創造性豊かに研究開発できる場を作っていきたいという考えだ。さらに、お客様や取引先様に実際に来ていただき、いろいろなものに触れていただく、情報交流の場にもしていきたいと考えている」と概要を説明した。
 その上で、上田所長は「今年度からスタートした新中期経営計画において、テクノロジーやグローバリゼーション、そしてマーケティングと大きな三つの経営ビジョンが示されている。そういう中で、技術開発の重要性が一層高まってくると考えている。今後、この技術開発センターが国内外のグループのハブ機能という形で総合力を発揮する研究開発、商品開発を推進していきたい」と強調した。
 技術開発センターは地上三階建て、延床 積は4,284㎡。その外観においては、建物の全 に広がる公園の立木をイメージした垂直ラインが同社のコーポレートステートメント「植物のチカラ」を表現し、技術開発の先進性と都市交 網の都会的スピード感を意識。室内機能を考慮した横連窓の水平ラインを重ねることで、この場所オリジナルのリズムを織りなし、日清オイリオグループの新しい顔として周辺に訴求している。
 建物一階は、新商品の紹介、商談の場となる来客ゾーンとして、また、研究員間の技術開発の発表・情報交換の場として開かれた空間としている。本館棟からの動線に配慮し、本館側にエントランスを設けた。「一階のプレゼンテーションルームでは、約100人が着席でき、そこでプレゼン等を行うことができる。オープンスペースといった形で、皆様に情報発信・交流をさせていただく場として、テストキッチンを設置。製菓製パンの実験室などで(開発した商品などを)紹介をしながら、情報発信していく」(上田所長)。このほか、温度調整が可能なチョコ実験室を二室設置しており、同社が注力するチョコレート用油脂、チョコレート事業のさらなる発展を目指す。,
 二階は研究員の居室で、公園側の眺望を配慮した 置にフリーアドレスの大部屋を配置。集中スペース・交流スペース等をフレキシブルにレイアウトできる空間を設けている。フリーアドレス、ペーパーレスという形で運営。グループごとの配置だった横須賀時代と違い、異なるグループ同士の交流を図ることも狙い。
 三階は大きな実験室を設け、効率的かつ機能的な空間としている。また、二階と三階をつなぐ連絡階段を設置し、効率的な動線に配慮している。衛生検査機器やガス、液体クロマトグラフィー、エックス線などの分析機器のほか、溶剤抽出、精製関連の実験室を備えている。さらに、新たに開発した揚げ物や咀嚼した際のサクミ音を記録する音響センサーも設置している。「機能 の実験室ということで、大きな実験室を三つ設けて効率的かつ機能的な空間ということで動線を配置している。これまでの横須賀の実験棟はそれぞれの各グループごとに居室と実験室を構えていたが、今回の技術開発センターにおいては、居室は一カ所、実験室も機能 に配置している。例えば分析器なども一カ所に集めており、違うグループがその場所に分析にいくといったことで、異なるグループの研究員が実験室の場でも交流ができるようにしている」(上田所長)。
 



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