㈱ADEKA
   食品事業は増収営業益38%増に  
  郡社長が決算概要など説明
 製品価格改定実行で収益確保を
     
   ㈱ADEKA(東京都荒川区・郡昭夫社長)は5月30日、本社で「16年度決算説明会」を開催した。当日は、郡昭夫社長が決算概要と17年度業績見通しなどについて説明した。
 連結業績は売上高2234億円で前期比0・3%増、営業利益210億円で同9・0%増、経常利益218億円で同11・6%増、当期純利益153億円で同15・6%増と増収増益となった。郡社長は「売上高、利益 はいずれも2期連続で過去最高を更新した。海外を中心に販売数 を伸ばす一方で、期中の為替の円高によって売上高で130億円ほどマイナスの影響を受けた」と総括した。
 食品事業は売上高664億円で同8・6%増、営業利益22億円で同38・2%増となった。郡社長は「食品事業は増収増益。国内では製パン、製菓、洋菓子向けにマーガリン、ショートニング類、ホイップクリーム等の販売が好調に推移したことに加え、クラウンの連結子会社化が寄与し、増収となった。海外では販売・開発体制の強化と現地ニーズに合った製品の開発などによって、中国、東南アジアでの販売が拡大した」と説明した。
 化学品事業は売上高1,476億円で同4・0%減、営業利益183億円で同7・0%増。
 期の連結業績予想は売上高2400億円で前期比7・4%増、営業利益200億円で同4・9%減、経常利益208億円で同4・8%減、当期純利益140億円で同8・6%減。郡社長は「海外で生産設備を増強した樹脂添加剤および半導体材料の販売が拡大し、売上高は前年度を上回る予想だが、積極的な設備投資等による固定費の増加、原燃料価格の上昇等によるコストアップを見込む」と増収減益を予想。食品事業での設備投資については、16年7月に中国・常熟で加工食品製品の製品倉庫を増設。また、17年7月稼働予定で、シンガポールにおいて加工食品の製造ラインを新設する。
 為替は1ドル=113円(前期108・38円)、1ユーロ=120円(同118・79円)、ナフサがキロ当たり4万1000円(同3万4675円)が前提。
 食品事業は売上高710億円(上期347億円、下期363億円)で前期比6・9%増、営業利益17億円(上期4億円、下期13億円)で同24・0%減と増収も減益の予想。国内は、製パン・製菓、洋菓子市場で戦略製品を拡販し、事業基盤を強化すると同時に、品種統合などコスト削減策を継続し、収益改善を図る。海外は、現地嗜好に合った製品と食感や風味などを高める製品の開発を推進し、アジア市場をターゲットに加工油脂、加工食品の販売拡大を目指す。
 原料油脂の上昇などコストアップを受けて、同社は4月後半から製品価格の改定を実施。その進捗状況について郡社長は「前提となっているのは、パーム油を中心とした原料のコストアップに対応するために(値上げを)お願いしたもの。17年度の予算では、パーム油を650ドルあたりで調達しようという計画で、現状、若干高い水準にあり、厳しい状況にある。継続してしっかりとお願いしていく。また、いわゆるフォーミュラではないが、原料が上がった時に、その都度契約で上げていくところについてはご理解をいただき、値上げが実行されていく見 し」と強調した。
 また、関連して17年度が減益見通しになっていることについては「原燃料コストの上昇による影響。一方で値上げを行っているが、実際には1 製品の値上げを織り込んで見通しを組んでいないので、ぜひ値上げの実行で収益を確保したいと考えている」との見解を示した。
 中国、シンガポールでの設備投資については「常熟の製品倉庫増設は、これまで外部に預けていたものを冷凍、冷蔵含めた能力の高いものを一棟新設した。これによって物流費の軽減に大きく寄与している。シンガポールの加工食品ラインの新設は、マレーシアの新会社で加工油脂の生産を開始したことから、シンガポールで作っていた東南アジア向けの製品についてはマレーシアに移行。その空いたスペースでフラワーペーストのような加工食品のラインを新設するもの」と説明した。
 



  日本植物蛋白食品協会