日本植物蛋白食品協会
   平成29年度通常総会報告会見  
  久野新会長が方針など説明
 新用途、新機能開発が一層重要に
     
   新用途、新機能開発が一層重要に 日本植物蛋白食品協会(東京都港区)は5月22日、東京・大手町の「KKR東京」で記者会見を開催し、5月9日に開かれた平成29年度 常総会の概要報告を行った。 総会では任期満了に伴う役員改選で日清オイリオグループ取締役常務執行役員(6月下旬開催の株主総会後に社長就任予定)の久野貴久氏を新会長に選任した。このほか、平成28年度事業報告並びに29年度事業計画案などを可決承認した。
 会見には、久野貴久会長、一彦専務理事、会長会社で、協会運営委員長を務める日清オイリオグループ大豆蛋白営業部の谷剛部長が出席した。はじめに、久野新会長は「足下の経済だが、先月の月例経済報告によると、景気は一部に改善の遅れが見られるものの、緩やかな回復基調が続いているということだ。また、先週発表があったGDPの速報、企業決算においても明るいニュースが提供されている。ただ、残念ながら個人消費の弱さについては継続しているとのことで、家計には食料品価格など物価上昇への警戒感強まっているという報道も見受けられる」とした上で、穀物の状況について「2016/17年クロップについて、小麦はEU、中国で減少も、ロシア、米国での増加が見込まれている。先だっての米農務省の報告の り、世界全体では7億5,300万トンと4年連続で史上最高を更新する見込みだ。これに合わせて期末在庫も史上最高の2億5,500万トンの見通し。大豆については4月、5月発表とも大きな数字となっているが、5月の発表ではアルゼンチンでも微増、ブラジル、米国は増加となっており、世界全体は前年度を上回る史上最高の3億4,800万トンという生産高になる見通し。期末在庫も前年度から増加し、9,000万トン程度が見込まれている。このところの国際価格はいずれも軟化傾向にあるが、これから天候相場に入ることから、価格の居どころはこれからの状況次第であると考えている」との見解を示した。
 久野新会長は、国内の植物性たん白の動向について「2016年の出荷、自社使用 については約6万トン。このうち、大豆が3万9,000トン、小麦が約2万1,000トンで前年比では102・2%となっている。経済情勢等が必ずしも順調ばかりとは言えない中で、この結果に関しては関係官公庁、関係学会、ユーザー業界などのご支援、また、協会各社の成果であると考えている」と振り返った。その上で、久野新会長は今後の課題について「当業界が取り組むべきことは、一つは販売価格の適正化であるが、昨今の食品業界の中においては比較的用途が拡大してきている。研究開発、技術革新によって新用途、新機能の開発がさらに必要となっていると思う。従来機能だけの植物性たん白だけでは、国内の人口減少とともに市場規模が縮小してくる中、生産能力の過剰や需給緩和による収益の悪化に陥る懸念がある。従って、小麦、大豆のたん白成分を活用した新たな機能素材をこれまで以上に開発していくことが重要。これに伴って付加価値製品を作っていかなければならないと考えている。食品業界の皆さまの声をしっかりと聞き、市場性の高い製品を継続して展開できる産業を目指していきたい」と意欲を示した。
 久野新会長は、協会としての活動について「展示会の積極的な参加、講演会や技術セミナーの開催など植物性たん白の栄養、健康機能性を一般 消費者に広く認識してもらうため、PR活動に注力していく。本年についてもこうした活動を積極的に行っていく」とその方針を示すとともに、内外の取り巻く諸課題について「一昨年に大筋合意されたTPP交渉だが、米国の離脱表明によって当面の発効は困難な状況になっている。一方で、米国からは二国間の協議という話しも出ており、厳しい対応が求められることも想定される。食品産業を含めた国内フードチェーンがこれらのことによって 損されることがないように対応していく必要がある。さらに、われわれ業界だけではなく、原料原産地表示の問題、HACCPの制度化など取り巻く動向や我々固有の問題としては大豆たん白の窒素ーたんぱく質換算係数といった課題にも的確な対応をしていきたい」強調した。
 会見ではこの後、篠崎専務理事が平成28年度の事業報告、29年度の事業計画について説明。最後に谷氏が「肉などの代替原料としての用途が中心だった植物性たん白だったが、植物性たん白そのものの栄養機能に注目、期待される使用方法が出てきている。当協会の活動を通して、植物性たん白の正しい知識、情報を市場に発信し、市場に求められる商品開発につなげていきたい」とあいさつした。
 総会で新たに選任された役員は次のとおり。
▽会長 久野貴久(日清オイリオグループ)
▽副会長 大森達司(不二製油)、長田伊知朗(長田産業)、山口龍也(昭和産業)
▽専務理事 篠崎一彦(事務局)
理 事 大沢寛(理研ビタミン)、藤井勝彦(日本製粉)
 
▽監 事 荒木聡(不二製油)、丸山眞爾(昭和産業)。  
 



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