日本ひまし工業会
   第59回定時総会京都で開催
   辻定昭氏が新会長就任
 先人に敬意を表し会を発展
     
   日本ひまし工業会は先週6月1日、京都市左京区南禅寺「菊水」において平成29年第59回定時総会を開催した。
 午後3時から始まった総会では、平成28年度の事業報告並びに収支決算承認の件、会計監査報告、平成29年度事業計画及び収支予算承認の件など、第一号議案から三号議案までが討議され、全議案が全会一致で可決承認された。本年は役員改選期に当たり、互選により新会長に辻定昭氏(伊藤製油代表取締役社長)が就任した。幹事には今川和明氏(豊国製油取締役会長)、河合春彦氏(日華油脂代表取締役社長)が選任された。
 総会終了後には 室において記者会見が行われ、今川前会長、辻新会長、河合幹事、会長会社の豊国製油から今川博道社長が出席し、昨年からのひまし油事情について報告を行った。
 冒頭に今川前会長が挨拶を行い、特にその中で「日華油脂が5月で100周年を迎え、攝津製油は125年を迎えた。企業の永続について考えさせられる。会場の菊水さんも150年の歴史がある。当社はまだ67年であるが、歴史の重みを感じる為に、総会の会場を京都にした事は良かった。加えて、ひまし工業会も59回の総会を迎える事が出来た。取り巻く環境は難しい局面に入ったが、情報の共有化を進めて、顧客に喜んでもらえる企業体質を作っていきたい。世代交代で、私も当社の会長になり、工業会も会長交代となる。いずれにしてもひまし工業会が発展する様に力を合わせていきたい」と語った。
 新会長に就任した辻定昭氏は、挨拶の中で「日本ひまし工業会は、1958年3月に同業八社で設立された。目的は、当時の種子の輸入先であったタイの原料調達に品質 でバラつきがあった。安定供給に問題が出て、8社が協力して、タイと交渉して、一つのフォームを作り挙げた事を起源とする。それから60年近くが経過したが、私が知っているだけでも色々な事があった。1995年に国内で搾油が一切無くなって、油での輸入となった。最近では2011年にロッテルダム相場が2700〜800ドルまで急騰し、業界には辛い時期もあった。今川前会長を筆頭に先人、諸先輩方が努力されてきて今の工業会がある。大役を仰せつかったので、ここにおられる今川幹事、河合幹事の協力を得ながら会の発展に努めていきたい」と語った。
 引き続き事務局を代表して今川博道社長が、経済の一般情勢から植物油業界及びひまし油業界の動向について触れ、特にその中で製油業界を取り巻く環境について「2016/17年の世界の油糧種子生産量は、4月に上方修正され史上最高の5億6,300万トンの収穫予測となった。これは世界の油糧種子の約6割を占める大豆の生産 が米国、南米、中国、EU等各地で増産となった事がある。特に主産地の米国では3年連続1億トンを超える大豊作で世界の大豆種子は前期比10・5%増の3億4,597万トンの収穫予測となった。一方、菜種需給ではカナダが前年並みの豊作で種子生産量は1,850万トンで、前期比0・7%の微増、中国、EU等が減産となり世界の菜種種子生産は前期比2・4%減の6,852万トンの収穫予測となった」と語った。
 今川社長は、ひまし油の概況について「2016/17年の世界のヒマシ種子生産量は、123万トンの予想で、昨年の158万トンを大きく下回る予想である。世界の種子生産 が130万トンを下回るのは2009/10年以来で7年ぶりの事。これは主にインドの減産によるもので、ひましから落花生への作付シフトが進んだ為と思われる。同国は昨年138万トン以上のひまし種子を生産したが、作付時期の相場が1,200ドルと低 だった為、ひましの作付面積が前年比26%減の84万ヘクタールに減少した事が響いている。なお、インド以外の主要産地については、中国が4万トン(前期比100%)、ブラジルが1万4,000トン(同29・8%)、アフリカが2万トン(同100%)と推定されており、ブラジルを除いて前年並みとなった。ひまし油ロッテルダム相場は、2016年前半はトン当たり1,200ドルと、近年の中では低 で推移していた。10月以降は中国や欧州の旺盛な需要により相場は、1,400ドルまで戻った。今後のひまし相場については、モンスーンがインドの生産地であるグジャラード州に順調に到来すると、加熱した相場は一旦落ち着くと予測される。世界の気象庁からはエルニーニョ現象の発生が指摘されている。我が国のひまし油需要は約1万7,000トン前後で、2000年に2万トンの輸入があった以降やや落ち込んでいる。これはひまし硬化油やセバシン酸等の誘導品へのシフトが進んでいる為と考えられる。ひまし油は、植物性原料として環境 で評価されているだけでなく、性能 でもパフォーマンスが有る。今後も更にこの傾向は強まり海外メーカーとの競合も激化すると考えられる」と語った。
 



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