日清オイリオグループ㈱
   
 結晶性油脂とヘルシシーオフ
 上原、青柳両氏が製品技術紹介
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・今村隆郎社長)は先月後半、横浜磯子事業場内で開催した新研究開発施設「技術開発センター」の記者見学会の中で、同社が新たに開発した「結晶性油脂」と一昨年新発売し、家庭用、業務用とも好調に推移する「日清ヘルシーオフ」の技術紹介を行った。
 結晶性油脂については、同社中央研究所構造油脂・商品開発グループの上原秀隆リーダー、ヘルシーオフについては同食油・加工食品開発グループの青柳寛司チーフが次のとおり説明した。
▽結晶性油脂 結晶性油脂は新しい粉末油脂で、油脂100%の粉末。一般的な粉末油脂は、例えばクリームを作ってスプレードライヤーで乾燥させたり、冷たい空気のところに噴霧して固めるといった方法がとられている。今回の結晶性油脂は、名前のとおり結晶の仕方、固まり方が異なる。一般的な油は溶けたものを冷やして固めるとブロック状になるが、今回の結晶性油脂は液体のものを固めると粉状になって固まる。原料油脂は中鎖脂肪酸油で、融点は約29度。組成や冷却条件を工夫することで細かく板状に結晶化。モコモコと体積を増やしながら固まる。このほかの特徴としては他の成分を含んだまま粉末化できる。また、ペースト状の成分でも粉末化が可能となっている。口に入れるとすぐに溶けて、冷たく感じる。冷涼感、粉雪のような口溶けを感じることができる。水などの液体と混ぜて冷却すると粉末やペースト、ドリンクになる。色素や香料も添加でき、さまざまな食品に応用が可能。アプリケーション例としてはマンゴーピューレとヨーグルトドリンクを使用した「マンゴーシェイク」、また、醤油、めんつゆ、練りワサビを使い、ペースト状にした調味料を提案。例えば、めんつゆのペーストは蕎麦の上に乗せても固形化しており、喫食時のこぼれ等を解消できる。このほか、カレー粉とブレンドした粉末を揚げ餅にまぶすと、油っぽさがなく、口溶けに優れたカレースナックができ上がる。
▽日清ヘルシーオフ 食用油で初めて揚げ物の吸油 を最大20%カット。揚げ物のカロリーを気にしている人をターゲットに開発したもの。開発の背景としては、近年の家庭用食用油市場は、オリーブオイルやゴマ油、サプリ的オイルが伸長。とくにオリーブオイルの拡大が顕著で、単価も上昇している。1方で、サラダ油やキャノーラ油といった汎用油は、ダウントレンドなのかと言うと、実はそうでもない。しかし、単価が下落傾向にある。従って利益がとりづらい商材となっており、汎用油カテゴリーの付加価値化・差 化が急務となっていた。また、揚げ物は昔と変わらず食卓に欠かせないものであり、2013年以降を見ると食卓への出現頻度は増加傾向にある。惣菜の利用も増えているが、実はまだ手作りが一番のシェアとなっている。揚げ物に対する意識調査によると、揚げ物を食べることは楽しい、家族が喜ぶ、家族団らんにふさわしい、ごちそうメニューと評価されている。ただ、食用油に求めることを調査すると、カロリーの低いもの、油切れのよいものなどが上 にランクされている。こうした部分には今まで着手していなかったところで、逆にいうとニーズが高く、消費者が求めている揚げ物のカロリーを気にしている人をターゲットに商品開発を進めたものだ。衣の油分が少ないのでカラッとした食感に仕上がる。天ぷら以外にも、フライ類でも油分 が下がることを確認しており、さまざまな揚げ物でその効 を実感してもらえるものと思っている。また、揚げ物だけではなく、炒め物や生食でも使える。炒め物では炒飯、さらにパン粉焼きなどでも表 がサクサクした食感に仕上がるので、揚げ物をあまりしない消費者でも十分においしく利用していただけると考えている。

 



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