米 国 牛 脂
   BDF、ケミカル向け需要堅調
  工業用BF級820ドルに上昇
 パーム油と格差拡大で天井感
     
   トランプ政権の環境政策とは裏腹に、米国内のBDF(バイオディーゼル燃料)需要が堅調で、加えてシェールガスの採掘向け潤滑油等、化成品分野も好調な事から需給にタイト感が出て米国牛脂西海岸積み相場が上昇している。
 商社筋は4日、米国牛脂西海岸積み相場のうち、工業用BF(ブリチャブル・ファンシー)級が堅調な米国内需要を背景にトン当たりFOB820ドルに上昇している事を明らかにした。
 この相場は、競合するパームステアリンの急落に追随して値を下げた本年4月中旬の同730ドルに比べると、トン当たり90ドル(12・3%)の急騰となっている。
 4月以降の米国牛脂相場経緯は、石油原油価格が底を打った事もあってBDFに競争力が付いて需要が堅調になり、5月には同770ドルに上昇し、堅調な需要を背景に牛脂にタイト感が出た事から、6月に入ると同820ドルと更に上昇していた。
 米国牛脂の市場環境は、2017年のBDFの補助金額が米国議会で決まっていない環境の中で、油の中では融点の高い牛脂にとっては、夏場は溶けやすく、BDFに利用し易い環境となっており、牛脂の需給逼迫の要因にもなっている。
 また、化成品分野でも米国の石油代替燃料となっているシェールガスの採掘に使われる潤滑油の原料にも牛脂が利用されており、需要拡大に1役買っている。一★,
競合する植物油の環境は、パーム油が昨年のエルニーニョ現象による減産が1転して、増産観測が出ており、マレーシアパーム油相場が、昨年末の期近相場トン当たり3150リンギが、直近の7月10日で同2705リンギに軟化しており、牛脂が底値だった4月中旬の相場と大きな変化はない。
 石鹸等のオレオケミカル分野で競合するパームステアリン相場は、現地7月10日現在でトン当たりFOB620ドルで推移しており、「BF級牛脂との間に同200ドルの格差が付いている事から、牛脂相場は現在が天井との判断もある」(牛脂トレーダー)として、牛脂相場は現在価格が天井との判断を示した。
 BDF関連では、補助金対象が国内重視となり、ブレンダー(混合企業)クレジットからプロデューサー(BDF原料製造業者)クレジットに移行する可能性が強くなっている。一★,
米国牛が2012年の干ばつで、牧草の生育が悪化し子牛の飼養頭数が減少していたが、その後2016年前半からは飼養頭数も回復しており、本年5月で3%増加している。それに伴いと畜頭数も前年比で7%の増加となっており、牛脂の発生も順調である。
 現地7月5日現在の北米西海岸積み牛脂のグレード 相場(7〜8月積み/トン当たりFOB)と日本での岸着価格(キロ当たり/為替レートは1米ドル=113円40銭)は次の通り。

TW(トップ・ホワイト)級
  880ドル(4月中旬比90ドル高)、岸着=123円45銭(同14円40銭高) 
EXF(エクストラ・ファンシー)級 
  850ドル(同90ドル高)、岸着=120円(同14円25銭高)
BF級 
  820ドル(同90ドル高)、岸着=116円50銭(同14円10銭高)
YG(イエロー・グリース)級
  635ドル(同90ドル高)、岸着=95円05銭(同13円30銭高)。
 



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