国産原料油脂
   7月渡し米油商談据置きで決着
   コスト高も競合油軟化追随
 ジャガイモ供給回復で需要期待
     
   昨年の北海道の台風被害による原料ジャガイモ不足の影響は、6月以降、九州、本州で生産が回復している。ポテトチップス用も復活し、休売していた一部商品も販売を再開しており、今後の加工用米油の需要拡大に期待が出ている。
 米油メーカー筋は11日、この様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの7月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回6月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。
 米油バルク商談は、4月渡しで、円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、5、6、7月と3カ月連続での据置き決着となった。
 為替相場は日米の金利差の拡大を背景に円安傾向となっており「為替の円安から輸入米油の単価が上昇しており、7〜9月については値上げを期待していたが、競合するパーム油や他の植物油の軟化傾向から、米油だけ値上げ出来る環境にはない」(米油メーカーバルク販売責任者)として、夏場の不需要期もあって、海外原料が上昇する中で、可食油全 が弱含むんでいる事を示唆した。
 今回の据置き決着で国内の2017年7月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流通する事になる。
 国内の米油の環境については「家庭用は依然として好調を維持している。業務用についても斗缶製品が外食関連で新規需要も増加しているが、使用 の多い加工用については、ブレンド用のパーム油価格の長期低迷から、中々値上げもしにくい環境にある」(同)として、強行に値上げを行えば、揚げ油のブレンド比率を減らされるリスクを指摘した。
 原料生糠の需給環境については、協力出荷を行っていた茸(キノコ)業界の値崩れから、生産調整を行っており、搾油用生糠の集荷は増加傾向となっている。
 国内の米油の需給環境は、少子高齢化や人口減少の影響を受けて、需要が頭打ちとなっている事から、国内の米油メーカー各社は業務用や加工用分野で、炊飯油、離型油等で、外食産業や冷凍食品分野などへの新規需要の開拓を進めている。
 米油の統計量については、6月末に農水省から公表された油糧生産実績によると、本年5月の米糠の原料処理量は2万9,202トン(対前年同月比109・6%)に増加している。
 5月の米原油生産も5,859トン(対同110・4%)に増加した一方で、5月末在庫は、1,556トン(同97・7%)に減少。輸入原油在庫も2,580トン(同94・2%)に減少している。
 国産の供給不足をカバーする輸入原油は、5月の輸入実績で、ブラジル産を中心に2,443トン(同110・2%)に増加したが累計では36・4%の急減となっている。為替の円安から輸入単価は、前年に比べトン当たり7,866円(8・5%)上昇している。

 


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