マレーシアのパーム油
   マレー先物相場2カ月ぶり高値
  増産観測の中も底堅い展開
 低水準の在庫や輸出増が支援し
     
   マレーシアのパーム油相場は、今後の増産見 しが絶えず圧迫要因となる中、足下の在庫の少なさや堅調な輸出需要などが支援材料となって、「思いのほか相場の基調は強い」(トレーダー筋)との見方が台頭している。過去5年間と比べ、月末在庫 は今年ここまで最低水準で推移。150万トン台の在庫はいかにも少なく、「180万トンを超えるレベルまで戻らない限り、相場を下支えする要因となる」(同)としている。また、今月の輸出需要が前月を上回って推移していることも強材料。とくに、中国向けが好調な動きを示している。25日の先物相場は10月きりで前日比73リンギ高の2,626リンギ、2カ月ぶりの高値まで上昇した。FOB価格は10〜12月積みで630ドル前後で推移している。
 エルニーニョによる減産から今年に入って、生産量は着実に回復。増産期入りで、今後のさらなる生産の伸びが見込まれることは、上値を抑える要因となっている。ただ、逆に市場の期待ほどの増産幅となっていないとことも確かで、目先は7月の生産 の動向に注目が集まっている。SPPOMA(マレーシア半島南部パーム油協議会)によると、7月1〜20日までのマレー半島南部のパーム油生産 は前月同期比17%増。1方で、MPOAは7月1〜25日までのマレーシア・パーム油生産 が同5・7%増にとどまっているとの見方を示している。当月の生産 が最終的にどこまで伸長するのか、マーケットの期待を上回ることができるのかがポイントとなる。
  一方で、低水準で推移する月末在庫が相場の底堅さを映し出している。6月末在庫 は約153万トンで前月比2%減、2カ月連続で減少。今年に入って4月に160万トンを記録したものの、他の月はほぼ150万トン台にとどまっており、過去5年では最低のレベルで推移。在庫の少なさが期近の高値を演出するほか、「今後の増産が期待される中にあっても、心理的な懸念要因として市場に意識されている」(トレーダー筋)。ここにきて、「相場は思いのほか強い」(同)という根拠も在庫の低水準に起因する。
 このほか、7月の輸出需要が前月を上回って推移していることも相場を支援。ITSによると、7月1〜25日までのマレーシア・パーム油輸出 は101万6,689トンで前月同期(98万5,534トン)比3・2%増。中国が12万7,226トン(同8万7,300トン)、EUが27万6,721トン(同20万3,986トン)。
 中国については、60万トン前後で推移していたパーム油の港湾在庫が6月に入って約40万トンまで削減されたという。期近が高値圏にあったため買いがしぼみ、在庫を消化した結 とみられる。この港湾在庫の減少に加え、7月に入って農産品にかかるVaT(付加価値税)が13%から11%に減額されたことも、中国の輸入が増加した一因と指摘されている。
 今後の相場動向については、「月末在庫が最低でも180万トン超え、市場の大勢は200万トンまで積み上がらないとダウントレンドに転換できないのではないか」(トレーダー筋)としている。また、米国の天候懸念でシカゴ大豆・大豆油が1時と比べ上昇傾向にあり、期先(10〜12月)に関してはパーム油の割安感が強く、今後も大豆油が高止まりするようだと、パーム油に需要が向く可能性もある。先物相場は再び2600リンギ台を回復。当初、生産の回復次第では下値2,300リンギの可能性も指摘されていたが、現状は2,500リンギまで底上げされた感が強い。
 


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