家庭用市場
   4〜6月重量は前年並みを堅持
  金額ベースは若干の減少に
 オリーブEV堅調、ゴマ油も好調
 
   今期4〜6月の家庭用食用油市場は、重量ベースでほぼ前年同期並みを維持。主力のキャノーラ油、イタリアの大幅減産で値上げに向かったオリーブオイルはやや落としたものの、コメ油などプレミアム系、ゴマ油が好調に推移している。金額ベースはサプリ的オイルの減速が続いていることなどが響き前年割れも、その下落幅は3%ほどにとどまっており、全 は堅調な動きをキープしていると言っていい。一方で、年初からの採算悪化を受けて実施している値上げは「まだ道半ば」(大手製油筋)。カナダ菜種の高止まり、米大豆上昇でコスト環境はこの先も厳しい状況が続く見通しで、家庭用においても価格是正が急務となっている。
 大手製油メーカーによると、4〜6月の市場動向は、食用油トータルで重量ベースが前年同期並み、金額ベースは同3%減となった。カテゴリー では、キャノーラ油が重量2%減、金額5%減。レギュラーサラダ油は重量13%減、金額12%減。キャノーラ油に関しては前年のこの時期、小売り側が積極的な販促を展開し、チラシの回数も増やしていたことから売上げが8%伸長。今4〜6月はその反動減となったものと見られる
 オリーブオイルは重量が同2%減、金額が同1%減と、若干の前年割れとなった。エキストラバージン(EV)は重 、金額とも同2%増、ピュアは重 が同14%減、金額同11%減。ピュアが大きく数字を落としているのは前年が2割近く伸長していた反動。また、16年産のイタリア大幅減産の影響を受けて、スペインも含めて現地相場が高騰。このため、輸入物の大容 を中心に店頭価格が上昇したことも売上げ減の一因になったものと見られる。,
 一方で、EVは引き続き堅調な動き。Jーオイルミルズがこの2〜3月にかけて「AJINOMOTOエクストラバージンオリーブオイル」で大々的にテレビCMを投入し、「やや足踏み、踊り場にさしかかってきた」(大手製油筋)市場の活性化策を展開したことが奏功した。この効 は大きく、EVの2月は数 で13%増、3月8%増、4月も13%増と売上げは大きく伸長した。大幅増の反動からか、5〜6月は3%前後下落したものの、オリーブオイルが多様な食材に使用できるという明確なメッセージが伝わり、新規ユーザーの獲得はもちろん、使用経験はあるものの、このところ遠ざかっていた休眠ユーザーの発掘につながったことは確かなようだ。日清オイリオグループも、「鮮度のオイルシリーズ」の中で「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル145gフレッシュキープボトル」を品揃えしており、継続的に「オイルをかけて楽しむ」食シーンを提案している。
 好調なのはコメ油。15年後半から健康機能を訴求したメディアでの露出が増えたことから、前期は大幅に伸長。金額市場規模は45億円台と3割近い伸びを記録した。日清オイリオ、Jオイルの大手2社も昨年、新商品を投入しており、市場は着実に活性化されている。このまま定着するのかどうか、今年度の動向に注目が集まっていたが、今期も4〜6月は重量で同13%増、金額も同16%増と拡大傾向が続いている。
ゴマ油も重量同11%増、金額同6%増と好調な動き。昨年来、原料相場が落ち着いていることに加え、オリーブと同様に「かける」オイルとして訴求していることなどが奏功。また、かどや製油が純正ごま油発売50周年で積極的な販促キャンペーンを展開していることも底上げにつながったものとみられる。
 一昨年、新たな市場を創出した「えごま油」「アマニ油」「ココナッツオイル」のサプリ的オイルは今期も前年割れが継続。トータルで重 、金額とも同26%前後の落ち込み。ただ、アマニ油は重 がほぼ前年同期並み、金額は同6%減と底堅く推移。えごま油は重 、金額とも同2割減となっているが、金額市場規模はいずれも月5億円を維持しており、この数字をキープできれば年間では2品で120億円超となり、決して悪い数字ではない。十分に価値ある市場と言える。ココナッツオイルに関しては、日清オイリオが今秋、改めてリニューアル品を新発売することから、再活性化が期待される。
 カナダ菜種の高止まり、高温乾燥懸念で10ドル台を回復する米国大豆。今上期はもちろん、下期以降のコスト環境にも不透明感が漂っている。大手各社が年初から進めてきた価格是正は「まだ道半ば」(大手製油筋)との認識で、採算悪化は顕著。早急な値上げ浸透が求められており、大手各社は引き続き、「価格是正に取り組む」と強調している。
 



 2017年通関