国産原料油脂
   8月渡し米油商談は据置き決着
  原料は国内軟化し輸入上昇
 ポテチ回復で加工向け需要期待
     
   昨年の北海道の台風被害によるジャガイモ不足の影響は、ポテチ(ポテトチップス)メーカーの決算にも深刻な影響を与えているが、その煽りを受けて国内の米油メーカーの加工向けの需要低迷の要因となっていた。
 その後、これから収穫が始まる北海道産ジャガイモも順調に進むとの情報も入っており、10〜12月のスナック需要期に向け加工用の米油の需要拡大が期待されている。
 米油メーカー筋はこのほど、前述した様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの8月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回7月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。
 米油バルク商談は、4月渡しで、円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、5、6、7、8月と4カ月連続での据置き決着となった。
 今回の据置き決着で国内の2017年8月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流通する事になる。
 国内の米油の環境については「家庭用は、米油の健康イメージの定着から好調を維持している。業務用も展示会への出展などを じて、米油の用途開発を提案し、徐々に需要が就いてきており、前半の加工用の落ち込みをカバーしている」(米油メーカーバルク販売責任者)として、家庭用だけでなく業務用についても需要が増加傾向にある事を示唆した。
 原料生糠の需給環境については
飼料用のコーンフィードやフスマ等の糟糠類全般の価格が軟化している
競合する茸(キノコ)向けの出荷が生産調整を受け減少している
こと等から抽出向け価格も軟化している。
 一方の国内生産の不足分をカバーする輸入米原油については「最近こそ1米ドル=110円台に落ち着いているが、前年同期は同105円の円高だった事から見れば、円安に振れている事は間違いない。加えて主要輸入先のブラジルからのフレートも上昇しており、輸入米油のコストは上昇している。この様な環境から10〜12月期については、価格是正も課題になってくる」(同)として、輸入原油のコスト高から、今秋以降の価格是正に含みを残した。
 米油の統計別については、7月末に農水省から公表された油糧生産実績によると、本年6月の米糠の原料処理 は2万8,355トン(対前年同月比106・2%)に増加している。6月の米原油生産も5,643トン(対同107・0%)に増加した。
 国産の供給不足をカバーする輸入原油は、6月の輸入実績で、ブラジル産を中心に2,887トン(同126・0%)に増加したが累計では28・4%の減少となっている。為替の円安から輸入単価は、前年に比べトン当たり6,565円(7・0%)上昇している。
 輸入米油については「ポテト向け需要の回復から、年間では昨年並みの3万トン程度に回復する見通しである」(同)としている。
 国内の米油の需給環境は他の油脂と同じで、少子高齢化や人口減少の影響を受けて、需要が頭打ちとなっている事からパン練込み向けの業務用や、加工用では炊飯油、離型油等で、外食産業や冷凍食品分野などへの新規需要の開拓を進めている。
 また、直近ではジャガイモ生産の回復で、ポテトチップス向けの揚げ油の需要拡大が秋の行楽シーズンに向けて期待されている。
 



  不二製油グループ本社㈱