㈱J-オイルミルズ
   原料上昇で採算悪化、大幅減益
  値上げ未達が大きく影響
 早期の価格是正で巻き返しを
     
   ㈱J-オイルミルズ(東京都中央区・八馬史尚社長)は7日、本社で平成30年3月期第1四半期決算説明会を開催した。当日は、代表取締役社長執行役員・マーケティング本部長の八馬史尚氏、取締役専務執行役員営業本部長の善当勝夫氏、常務執行役員製油本部長の内山明浩氏、財務部長の渡辺光祐氏が出席し、決算概況と経営環境、原料事情などを説明した。
 今第1四半期の連結業績は売上高467億6100万円で前年同期比3・5%増、営業利益8億6,900万円で同47・4%減、経常利益10億6,800万円で同40・7%減、四半期純利益7億1,000万円で同39・1%減となった。
 増収減益となったが、八馬社長は「「当初の業績予想において、上期については、営業利益で前年同期の約三分の二と見立てていたが、第1四半期についてはそれよりも厳しい結果となっており、何とか第2四半期でしっかりと取り組みながらキャッチアップを図りたいと思っている。中期経営計画でも掲げた高付加価値化の推進、さらにソリューション事業の取り組みについては成 が出ている。しかしながら、足下の汎用品の値上げについては想定あるいは計画していた水準まで至っていない。改めて価格是正に努め、 期目標数値を達成したいと考えている。外部環境は現状、天候相場ということで様子見状態となっているが、環境変化をしっかりと踏まえた対策を講じていきたいと思っている」と、今後の巻き返しに意欲を示した。
 決算概要については、渡辺財務部長が「増収となったのは、ミールの市況影響、販売 の増加、高付加価値品の拡販が主要因。営業利益については、原料コストの上昇に対してミールの販売価格は上がったものの、2月から取り組んでいる汎用油を中心とした値上げが目標水準に達していないこと、さらに物流コストの上昇などが大きく影響した。それを打ち返す策として、高付加価値品の拡販や歩留まりの改善、各種コストダウンを実施したが、全体では減益となった」と総括。さらに、「油脂の販売数 の確保、中食、CVS向け販売のさらなる強化、マーガリン、スターチでの高付加価値品の拡販、ソリューション営業の推進、コストダウンの実施等を引き続き推進。とくに、高付加価値品として、オリーブオイルは料理のおいしさへのアクセントとして、かける、和えるといった調味油としての使い方が浸透してきている」とし、通期について「第2四半期以降も原料、為替、ミール価格の相場影響による油脂コストの上昇に加え、オリーブオイルの輸入価格上昇もあり、非常に厳しい環境となっている。引き続き、油脂製品の価格是正に努めるとともにコストダウンの実施、お客様の課題、ニーズに対応したソリューション営業の推進、高付加価値品の拡販を進め、採算改善に努める」と強調した。
 販売状況について報告した善当専務は「第1四半期の利益は大変厳しい状況となっている」とした上で、「家庭用、業務用とも予算ベースでは、ほぼ100をキープできている。とくに家庭用の高付加価値品は二ケタ、業務用も高付加価値品と位置づけているものは金額ベースで二ケタ近い伸長となっている。前年を割っているのは、重量では家庭用のキャノーラ油、業務用の汎用油も重量では若干前年を下回った。ただ、予算ベースでは、われわれがやろうとしている高付加価値へのシフト、とくに家庭用ではオリーブオイルが2〜3月のテレビCM効果で4〜6月もしっかりと拡大できていることは、目的通り達成できており、7〜9月から下期にかけても大変期待しているところだ。キャノーラ油に関しては、昨年の12月に値上げを発表した。キロ30円の値上げを目指して実質3月で完了し、こうした厳しい状況になるとわかっていたので4〜6月にかけて実勢化したいと思っていたが、実際は目標の30%程度、10円の値上げにとどまっている。このため、家庭用では高付加価値で出た利益を吐き出すような形となった。業務用については、汎用品のウエイトが大きい中、500円の値上げを発表したが、4月の段階で何とか200円の値上げを目指していたが、届かない状況。足並みが揃わなかったこともあり、5〜6月も停滞し、実勢化できていない。こうした中で、結果として減益になったということだ。現在も、陥没価格の早期の是正を実施し、当初目標としていた単価、値上げ幅に追い付くように取り組んでいきたい。第2四半期残りの一カ月強、さらに下期にかけて単価のアップを目指していきたい」と、引き続き価格是正に取り組む方針を明らかにした。
 また、オリーブオイルの値上げについては「すでに特売納価是正の案内をスタートさせている。NBに関しては、特売納価の是正をお願いし、この9月の特売から納価の是正が実勢化する。PBの値上げも秋までに完了したい」と述べた。
 原料動向について、内山常務は「米国大豆は高温乾燥懸念で一時10ドルを突破、7月の米農務省の需給報告では単収が据え置かれたが、今後は下方修正が避けられないものとみられている。7月中旬に産地で降雨が観測され、修正が入ったが、引き続き天候を材料に高値圏9ドル台後半で推移しているのが現状だ。菜種に関しては作付け遅延、降雨不足で500カナダドル台前半の高値で推移。6月後半以降は大豆同様、高温乾燥懸念で急騰し、その後も高値圏にある。カナダの作付 積は史上最高と見込まれているが、輸出、国内搾油とも旺盛で需給はひっ迫した状況が当 継続するものとみられ、相場の下支え要因となっている。オリーブオイルについては、引き続き高値での取引が続いている。最大生産国のスペインは昨年をさらに下回る予想となっており、タイトな需給環境の継続が見込まれていることが相場を下支えしている。少なくとも主要産地で新穀の収穫が始まる秋までは強基調で推移するものと思われる」との見解を示した
 ミールの需給・出荷見通しについては「大豆ミールは各飼料原料の価格動向において最も価格優 性のある原料となった。従って配合率は上昇する見込みで、需給状況は適正な水準で推移するものと思われる。菜種ミールは配合率が4〜6月と比べ若干下がるものと見込まれているが、需給環境においては大きな問題はないものとみている。10〜12月の大豆ミール商談だが、7月から米国の高温乾燥懸念でシカゴ大豆が大幅に上昇し、大豆ミール価格も前期平均を大幅に上回る局面が続いたため、値決めは遅い展開。7月中旬にシカゴ相場が一時下落した局 でスタートし、現在の進捗状態は8月3日現在で10%を超えたところ。非常に遅い成約状況となっている。ミール、原料の状況も含めて不透明であり、今後の油価に対する影響も不透明感が漂っている」と述べた。
 



  不二製油グループ本社㈱