日清オイリオグループ㈱
   久野貴久新社長が就任記者会見
  グローバル展開を一層加速
 ヘルスサイエンス事業本格展開
 
   日清オイリオグループ㈱の久野貴久新社長は3日、本社で就任記者会見を開催し、今年4月からスタートした中期経営計画「OilliO Value Up 2020」での取り組みなどについて、次のとおり方針を示した。
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製油業界の現状について  
 就任して一カ月余り、日頃お世話になっているお客様にご挨拶に伺っているところだ。多くのお客様から、とくに最近は、油に対してこれまでのネガティブなイメージではなく、ポジティブな形で受け止めているというお話しを聞く。従来の使い方ではない、直接かけて生でお召し上がりいただくような新しい用途、さらにはおいしさの追求などの点でご評価をいただいているものと思っている。私も入社して30数年になるが、これだけ油そのものに対するフォロー、追い風となっているのは初めて経験することである。これは、ぜひとも活かしていきたい。ブーム等もあるのかもしれないが、おいしさを演出したり、健康面でサポートしたり、まだまだ受け入れられる素地はあると思う。私どもとして機能性や新たな使い方を、いま以上に提案していくべき商材であろうと考えている。  
  一方で、今年も年明け以降、原料コストの上昇に伴い価格改定をお願いしてきているところだが、まだまだ道半ばである。足下の状況だけではなく、コストに見合った適正価格での販売が求められている。これは、当社だけでなく製油業界全体に言えることであり、お客様のご理解をいただきながら実現に向けて努力していきたい。  
重点的に取り組みたいテーマ  
 4月から新中期経営計画がスタートしているが、この「OilliO Value Up 2020」を何とか達成していきたい。先ほども少し述べたとおり、油に対しての市場からの評価もあり、ホームユースを中心にさらにオイリオブランドの一層の強化を図ってい。一方で、マーケットとしては中食、外食が伸びており、ここにさらなる注力をしていく。これは、中計における業務用、加工用領域でのグループの総力を結集した戦略の展開ということになる。健康アプローチもあるだろうが、中食や外食の現場においては、人手不足の問題が必ず出てくる。また、そこで働く方々の高齢化という問題もある。そういったところでのサポート、あるいは実際に中食で惣菜をお買い求めになるお客様への健康であったり、おいしさといった、ご家庭での食卓をより豊かにするようなご提案を、ホームユースも含め、行っていきたい。加工食品メーカーなどBtoBのところでも、中身は違えども、そのユーザーが求めているものは同じであろうことから、ソリューション機能を強めていきたい。  もう一つは、ここ数年取り組んでいるグローバル展開。グローバル化と言っても、単に国内、海外というわけではなく、国内を含めたグローバルでの展開と考えている。とくに加工油脂、ファインケミカルだが、従前から海外展開、国内を含めたグローバル展開を進めているが、これをもう一段加速させていく。まずはマレーシアのISFを中心としたワールドワイドでのサプライチェーンの構築、よりお客様に近いところでサービスを提供していく、ソリューションを突き詰めていくことを進めていきたい。合わせて、まだまだ伸長が期待できるアセアンを中心とした東南アジアの成長を取り込んでいきたい。加工油脂を中心とした動きになろうかと思うが、事業基盤、プラットフォームの構築を手がけていきたい。連結子会社の大東カカオがインドネシアにおいてチョコレート事業で合弁を組んでいる。こうした動きを2020年度までの間に、もう一つ、二つ何か手をつけられればと思っている。具体的にいま、何か案件があるというわけではないが、この四年間の中で、そういった取り組みを行っていきたい。  
 ファインケミカルについては、国内での販売も好調に推移しており、連結子会社の日清奥利友(上海)国際有限公司においても中国の需要の取り込みという意味では比較的順調だ。もう一段この動きを加速させたい。やはり、アジア、アセアンにおいて、同じように成長市場の取り込みに向けたアプローチを進めていきたい。また、化粧品原料の主な需要地は欧州であるので、子会社のIQLを活用しながら販路の拡大に努めていく。このように加工油脂、ファインケミカルが先兵となり、グローバル展開の加速を進めたい。点から面へという言い方をしているが、サプライチェーンで結び、事業プラットフォームを構築しながら、そこに事業の積み上げを行っていくことを じて、厚みをもった展開を進めていく。また、国内を含めたグローバル展開と申し上げたが、チョコレートを含む加工油脂関係、ファインケミカルにおいて能力増強も考えながら、この分野については国内市場も注力していきたい。  
 もう一つの重点課題は、ヘルスサイエンス事業である。MCT(中鎖脂肪酸)を基軸として展開していきたい。また、当社がこれまで培ってきた構造油脂の技術であったり、油脂の結晶をコントロールする技術をMCTと絡めながら本格的に進めていきたい。もちろん五つの成長戦略と二つの基盤強化策ということで、この中計を進めていくが、ポイントとしては先に述べた三つの施策ということになる。  
就任に際しての抱負  
 これまで述べた三つのポイントを中心に、五つの成長戦略と二つの基盤強化策からなる新中計を、まずは必達することに尽きるのだと思う。また、経営ビジョンにも掲げているが、当社が長年にわたって培ってきた油脂の技術、これをもってお客様のニーズや課題を解決することで価値を見い出していきたい。これは、私どもだけでなく、製油事業、加工油脂事業といった油脂のビジネスは、一つに食品産業の基盤という 置付けであり、これは永遠に変わらないと思う。この役割をきちんと たしていく。  栄養 、おしいさ、機能性等の提案を通じてこの役割を満たし、結果的に社会貢献につなげていく。さらに、長年培ってきた技術で当社固有のソリューションを生みだしていけると思っており、それを活用して直接、間接的にさまざまなライフステージのお客様の健康で豊かな食生活に貢献していきたい。このあたりを旗印にしながら、中計を進める。結果として企業価値の最大化に努めることが当面の抱負である。
 



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