国産原料油脂
   9月渡し米油商談は据置き決着
  原料糠安定も輸入原油上昇
 他油脂製品との値差拡大を考慮
   
   国産唯一の油脂原料である生糠は、今春の榎茸培地向けの需要低迷から軟化し、その後も価格安定状態が継続している。一方の供給不足分をカバーする輸入原油は、生産地の堅調な需要を背景に、昨年に比べた円安傾向の中、輸入単価は上昇している。
 米油メーカー筋は9月5日、前述した様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの9月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回8月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。
 米油バルク商談は、4月渡しで、円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、5、6、7、8、9月と5カ月連続での据置き決着となった。
 今回の据置き決着で国内の2017年9月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流 する事になる。
 国内の米油の環境については「米油のコスト は、輸入原油が上昇しているものの、原料生糠が安定している事から、値上げの環境にはない。また、他の油脂製品が軟化局 の中で、コメ油価格は維持した事もあって、ここで値上げすると、他の油脂製品との値差が拡大し、需要に影響してくる可能性がある」(米油メーカーバルク販売責任者)として、米油の健康イメージの定着から家庭用、業務用を中心に需要が堅調な事から、4〜6月の油脂全 の低迷期にも価格を維持した事で、ここで値上げをすると米油にレイショニングが起こる可能性を示唆した。
 原料生糠の需給環境については、飼料用のコーンフィードやフスマ等の糟糠類全 の価格が軟化して、生糠も連れ安になっており、競合する茸(キノコ)向けの出荷が生産調整を受け減少していることから抽出向け価格も下落している。
 加工用コメ油の需要量は、昨年の北海道の台風被害によるジャガイモ不足で心配されたポテチ(ポテトチップス)向けが、九州や中国地方のジャガイモ生産が順調だった事や、これから収穫が始まる北海道産についても順調に進むとの見通しからカルビー等向けのコメ油出荷も回復している。
 ポテチ以外の需要についても「7月の猛暑に比べると、8月後半から9月前半に掛けて暑さも治まり、秋の行楽シーズンを受け、米菓やカリントウ向けのコメ油の出荷が堅調となっている」(同)として、10〜12月のスナック需要期に向け加工用の米油の出荷が増加傾向にあることを明らかにした。
 今後の見通しについては「次回商談は、10〜12月の四半期商談も控えているが、現状は安値のパーム油に引っ張られている感がある。来月に掛けて為替が円安に振れて輸入コストが上昇する様な事がなければ、値上げの可能性は薄い」(同)として、10〜12月期商談については、輸入原油のコスト如何との判断を示した。
 国内生産の不足分をカバーする輸入米原油については、7月の輸入 関実績で、コメ油の輸入 は7月が猛暑で需要が落ちた事もあって、各国合計が1396トン(うち原油1168トン、精製油228トン)と、前年同月の2481トンに比べ、1085トン(43・7%)の急減となった。
 7月のトン当たり輸入単価は、前年同月に比べ、トン当たり1万9,073円(22・0%)の大幅上昇となっており、輸入原油コストは上昇傾向となっている。
 



2017年通関