米 国 牛 脂
   供給増加とBDFの不透明感で
   工業用BF級は730ドルに軟化
 6月末比1割安、強材料欠く展開
 
 米国牛脂が軟化傾向を示している。米国内のと畜頭数増加に伴う潤沢な供給に加え、BDF混合義務 引き下げへの懸念が圧迫要因となっているもの。西海岸積み相場のうち、工業用BF(ブリチャブル・ファンシー)級は9月末でFOB730ドルまで値下がりしている。これは、6月末の直近最高値820ドルから1割強の下落。競合するパームステアリンもマレーシアFOBで680ドルと、ここ3週間で25ドルほど下げてる。インパクトのある強材料が見当たらない中、商社筋では「今後もBDF混合義務 の動向が相場を大きく左右しそうな展開が見込まれる」としている。
 相場は4月に底を打ち、5〜6月にかけて右肩上がりで上昇した。これは、油脂の中で融点の高い牛脂は、夏場に溶けやすく、BDFが年間を通して一番作られる時期にあたっているため。例年のことではあるが、今年も需要増を背景に、工業用BF級西海岸積みは6月末に、820ドルまで値を上げた。
 一方で、供給は潤沢な動きに終始。「世界的に食肉需要が堅調で相場も高水準をキープしている。パッカーマージンも良好であることから、米国内の牛と畜頭数が前年を上回って推移。それに伴う牛脂の発生増が相場に対してプレッシャーを与えている」(商社筋)としている。6月末の820ドルをピークに、その後は790ドル、770ドル、750ドルと軟化傾向を強め、9月末には730ドルまで下落し、今年の最安値である4月段階と同水準まで軟化した。直近の米国のと畜頭数は、9月25〜30日までの週で64・8万頭(前週63・7万頭)と、前年同期の61・5万頭を5・4%上回っている。
 このほか、EPA(米国環境保護庁)がBDFの混合義務数 の引き下げを提案したことも下げ相場を後押しした。これは、大豆油の下げにもつながり、7〜8月にかけてのオイルバリュー急上昇に歯止めをかける格好ともなった。さらに、エルニーニョによる乾燥で牧草の生育に悪影響が及んだ豪州では昨年来、牛のと畜頭数が減少し、牛脂相場も高止まりしていたが、今年に入ってと畜頭数が徐々に回復し、夏場以降、牛脂相場が下落に転じたことも弱気な要因となったようだ。
 今後の相場動向については、BDFの混合義務数 の引き下げの行方が焦点。ただ、BDFについては、アルゼンチン、インドネシア産を排除し、結 的に国内での供給にシフトしており、こちらは強材料となる可能性も指摘されている。今年の義務数 の80%をすでに8月末でクリアしており、BDFの需要自体は堅調な動きを見せている。
 現地9月29日現在の北米西海岸積み牛脂のグレード 相場(10〜11月積み/トン当たりFOB)と日本での岸着価格(キロ当たり/為替レートは1米ドル=112円65銭)は次の通り。

TW(トップ・ホワイト)級
790ドル(6月末比90ドル安)、岸着=112円35銭(同9円95銭安)
EXF(エクストラ・ファンシー)級
760ドル(同90ドル安)、岸着=108円90銭(同9円95銭安)
BF級
  730ドル(同90ドル安)、岸着=105円45銭(同9円95銭安)
YG(イエロー・グリース)級
  545ドル(同90ドル安)、岸着=84円15銭(同10円05銭安)
 



2017年通関/パーム油