国産原料油脂
    10月渡し米油商談は据置き決着   
  輸入原油上昇も需要を優先
 新米高値で米糠集荷が減少傾向
   
   今春のエノキ茸培地向けの需要低迷から原料生糠の集荷が堅調に推移していた米油メーカーだったが、ここに来て、新米の価格上昇などから、米の消費そのものが減少し、原料生糠の集荷も低迷し始めている。
 米油メーカー筋は先週末の6日、前述した様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの10月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回9月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。
 本年の米油バルク商談の経緯は、4月渡しで、円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、5、6、7、8、9、10月と6カ月連続での据置き決着となっている。
  今回の据置き決着で国内の2017年10月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流 する事になる。
 国内の米油の抽出環境については「本来ならこの時期は新米の季節で、消費が拡大し原料の生糠も増加してくるが、東北から関東に掛けての長雨で、収穫の遅れもあり、新米在庫が足りない状況になっている。また、飼料米へのシフトもあって主食米の生産は減っている。これに伴い生糠の集荷も減少している」とした上で、「これまで生産調整を行ってきたエノキ茸が秋の需要期を迎え生糠の使用 が増加している」(米油メーカーバルク販売責任者)と述べ、生糠の集荷価格は据置いたものの、年末に向かって集荷 が減少傾向にある事を示唆した。
  国産米油の不足分をカバーする輸入原油の現状については「主要輸入先のブラジルが、鶏肉偽装問題の影響を受けて、コンテナー船のフレート上昇などからコストがキロ当たり1〜2円上昇しており、大手需要家には価格転嫁を打診したが、このレベルでは値上げを受け入れてもらえる環境にはない(同)としている。
 米油の国内需要については、家庭用、業務用斗缶については好調な需要が継続している。加工用については、昨年の北海道の台風被害によるジャガイモ不足が解消されて、北海道産についても収穫が順調な見 しからカルビーなどのポテトチップメーカーも前半の生産不足を回復させる方針に出ており、年末に掛けてのバルク向けコメ油出荷増加に向けて期待が出ている。  米油需給を統計別で見ると、農水省が発表した8月の油糧生産実績によると、生糠の原料処理 は2万7,167トン(対前年同月比104・1%)に増加した。8月の米原油生産も5,303トン(103・3%)に増加している。
 ただ、9月以降については、前述した新米の価格上昇による米消費の低下、エノキ茸の需要期に入る事で生糠の抽出向けの減少——などから原料処理 は減少する可能性が強いと見られる。
 輸入原油の現状については、8月の輸入 関実績で、コメ油の輸入 は2091トン(うち原油1981トン、精製油110トン)で、前年同月の2151トンに比べ、数 で60トン、比率で2・8%の微減となった。
 1〜8月の輸入累計は、前半の生糠集荷の増加傾向で、輸入原油が減少した事から各国合計で1万6,316トンと、前年同期を6242トン(27・7%)下回って推移している。
 8月のトン当たり輸入単価は、前年同月に比べ、トン当たり1万3,522円(16・0%)の上昇となっており、輸入原油コストは上昇している。
 


 日清オイリオグループ㈱