パーム油
   マレー9月末在庫202万トン4%増
   需給緩和意識で相場は反落
 生産量前月比減で期近下支えに
   
    マレーシアのパーム油相場は10日、大連市場の大豆油安、利食い売り、さらには9月末在庫が200万トン超えに増加したことが圧迫し、反落した。先物相場は12月きりが1週間ぶりに2,700リンギを割り込んだ。この日発表された需給統計では、在庫 が19カ月ぶりに200万トン台に乗せ、「心理的な需給緩和ラインに到達した」(トレーダー筋)ことが相場を下押しした。来年以降の生産が大きく回復するとの見方が先安の根拠となっているが、一方で、9月の生産 が前月を下回った。増産期では異例の展開で、期近相場を下支えする可能性もある。
 MPOB(マレーシア・パームオイル・ボード)が10日発表した9月分のマレーシア・パーム油需給統計によると、当月の原油生産 は177万9,924トンとなり、前月と比べ1・7%減となった。前年同月(171万5,085トン)との比較では3・8%増。内訳は半島部が97万190トンで前年同月比1・0%減、東マレーシアが80万9,734トンで同2・5%減(サバ州42万8,842トンで同2・0%減、サラワク州38万892トンで同2・9%減)。
 原油在庫 は106万6,468トンで同1・0%増、半島部が60万7622トンで同3・8%増、東マレーシアが45万8,846トンで同2・5%減(サバ州27万8,699トンで同2・0%減、サラワク州18万147トンで同3・3%減)。精製パーム油在庫 は95万2550トンで同7・6%増、半島部が57万2180トンで同4・6%増、東マレーシアが38万370トンで同12・4%増(サバ州25万1,908トンで同6・3%増、サラワク州12万8,462トンで同26・6%増)。
 この結果、トータル在庫 は201万9,018トンとなり、同4・0%増となった。前年同月(154万6,758トン)との比較でも30・5%増。一方、輸出量は151万5,304トンで前月比1・8%増、前年同月(146万1,173トン)との比較でも3・7%増となった。,
 事前予想は生産量184万トン、在庫量200万トン、輸出 量160万トン。生産 は事前予想を若干下回り、前月実績にも及ばなかった。増産期としては異例の展開で、エルニーニョによる昨年の減産からの回復遅れが改めて浮き彫りとなった。在庫 については、ほぼ予想の範囲内で、昨年の2月(217万トン)以来、19カ月ぶりに200万トン台を回復した。
 パーム油相場は10月入り後も底堅い展開。ファンダメンタルズでは生産 への懸念が下支えするほか、シカゴと大連の大豆油の上げ下げに左右される展開。9月の需給統計で、「需給緩和への心理的なライン」(トレーダー筋)とされる在庫の200万トンをようやく超えたことは、今後も上値を抑える要因となりそうだ。,
 10日の先物相場は12月きりで前日比41リンギ安の2,694リンギ。10月3日以来の2,700リンギ割れ。FOB価格は1〜3月積みで6,65ドル前後で推移している。
 今後の相場動向については、来年以降の生産が大幅に増加するとの見方は期先の安値を誘っている。一方で、増産期にある中、9月の生産 が前月を下回ったことは異例のこと。生産への懸念が意識される可能性もあり、その場合は引き続き、期近の相場を支えることになる。
 


  日本フードサービス協会(JF)