製油各社
   今月から価格改定、相場は強含み 
  加工用バルクで値上げ先行
 搾油採算悪化に一定の理解進む
   
   製油各社は今月から価格改定を実施、収益悪化への強い危機感が反映され、まずは加工用バルクから値上げが実勢化に向かっている。原料の高止まり、とくに菜種の調達コストが一段と高騰している中、物流コストの上昇も響き、10〜12月期の搾油採算はさらに悪化している。「不退転の決意で値上げに取り組む」(大手製油筋)という強い姿勢を背景に、ユーザー各社の理解を得つつあるようだ。今後、業務用斗缶、そして家庭用にも価格改定の波が波及することは間違いない情勢となっている。
  この数年で、「ここまで製油各社の値上げへの姿勢が一貫しているのは、久しぶりのことではないか」(加工油脂筋)という り、10月からの価格改定が実勢化に向けて動き出している。加工用バルクが値上げをリード、単月の値決めに関してはすでに値上げが受け入れられており、加工油脂メーカー向けに関しても今後、順次、実勢化が図られる見 しとなっている。製油メーカーの上期収益は大幅に悪化しており、それに対する強い危機感が確固たる各社の値上げへの姿勢につながっているもの。ここまでスピード感を持って、値上げの方向が明確に示されるのは「この数年では見られなかったこと」(同)と指摘されている。
 製油メーカーの今上期の業績は、大手、中堅とも厳しい状況で推移。前年同期と比較した為替の円安の影響が収益悪化に直結したほか、原料相場自体も高止まり。物流経費の増加なども加わり、各社は今年に入ってすぐに斗缶で500円、加工用、家庭用でキロ30円の大幅値上げを打ち出した。しかしながら、価格改定は「計画の半分にも満たない」(大手製油筋)進捗に終わり、結 が今4〜6月の決算に明確に表れた。7〜9月も収益悪化の流れは変わらず、第1四半期は連結で増益となった日清オイリオグループも国内の収益は厳しく、Jーオイルミルズ、昭和産業の油脂食品事業も大幅減益からの回復には至っていないものと見られる。
 10〜12月のコストも改善の兆しはなく、中堅各社を含めて、搾油環境は悪化の一途。大豆ミールが7〜9月に値下がり、10〜12月も横ばいとなる中、オイルバリューの上昇でコストアップが継続。原料相場は、一時と比べ落ち着いたとはいえ、シカゴ大豆は9ドル後半と高値圏。製油各社にとって、さらに厳しいのは菜種のコスト高騰。ひっ迫感が継続するカナダ菜種は、先物相場が高止まりする中、カナダドル高の影響を受け、輸入価格は見た目(ウィニペグ定期相場)以上に上昇している。原料コストは現状、改善するメドは立たず、このままいくと「1〜3月の搾油採算も厳しい状況が続く公算が高い」(大手製油筋)と危機感を露わにしている。このため、製油各社は8月末以降、相次いで価格改定を発表。この2日から、斗缶で300円、業務用ミニローリー、加工用商品バラ、家庭用商品で、いずれもキロ20円の値上げに取り組んでいる。
 先行するバルクを追いかけて、今後の注目は業務用斗缶の行方。「先週の動きはやや鈍かった」(流 筋)との声があるものの、いち早く値上げが浸透してきているバルクの影響も出てくるはずで、今後、斗缶についても順次、値上げが実勢化するものと見られる。また、家庭用に関しては、断続的に小売側と値上げ交渉を重ねている段階。 販店、スーパー間で激しい価格競争を繰り広げている中、店頭価格が上昇するのかどうかは不透明だが、納価の引き上げは進む可能性が強い。
 


  2017年通関/8月菜種粕