加工油脂各社
   海外バター相場暴騰で採算悪化
  コンパウンド品再値上げへ
 ラウリン高くクリーム値上継続

   
   加工油脂各社の収益環境が悪化している。ラウリン油の高止まりに加え、海外乳製品の急騰が採算悪化に直結。とくにバター価格が「想定外の値上がり」(大手加工油脂筋)を見せており、価格改定が追い付かない状況となっている。各社は今後、コンパウンドマーガリンやクリームなど、バターやラウリン油を使用した製品について、早急にさらなる値上げに踏み切る考えを示唆している。
 昨年後半からの原料油脂価格の上昇と為替の円安、海外乳製品相場の高騰によるコストアップで加工油脂各社の収益は暗転。とくにラウリン油、海外乳製品急騰の影響は大きく、クリーム類、コンパウンドマーガリン等の採算が悪化し、4〜6月に続き、今第24半期決算も減益となっているものと見られる。大手各社を中心に4〜6月から価格改定に取り組み、リテール向けなどから着実に浸透。この10月には、値上げ交渉が難航していた大手製パン向けも実勢化に向かっている。,
 しかしながら、計画した値上げ幅には至らず、原料調達コストも1向に改善されていない。下期の収益環境が一段と厳しさを増す中、とくに、採算を直撃しているのが海外バター相場の急騰。春の値上げ時を「さらに上回るバター相場の急騰は、想定を超えるレベルとなっている」(同)と危機感を隠さない。欧州のバター相場は、昨年から今年にかけて右肩上がりの展開に。現状、トンあたり8000ドル超えまで暴騰しており、歴史的高値水準で推移している。上昇前が3000ドルを切るレベルだったことからすると、「倍以上の上昇で、異常値と言ってもいい」(同)との受け止め。欧州の高騰を受けて、米国、オセアニアの相場も追随して大きく値上がりしている。
 欧州については今後も、季節要因として生乳生産 が減り、バターの生産 も減少することが予想される中、需要 ではバター回帰のトレンドと年末需要が加わり、インパクトのある値下げ要因は見当たらない状況。従って、「当面は、現状の高値相場が続く可能性が高い」(関係筋)というのが大方の見方となっている。,
 今春から実施した価格改定は、ラウリン油、乳製品の高騰を受けてクリーム類、コンパウンドマーガリンを中心に実施。この10月に大手製パンメーカー向けの値上げが受け入れられたが、計画した値上げ幅には至らず、加工油脂各社の採算は下期も厳しい状況が続くことになる。追い打ちをかけるのがバター相場の高騰で、春の値上げ時から欧州バター価格は3500ドルほど上昇している。加工油脂側では「すでに海外バター相場は、想定を超えるレベルとなっている。現状の為替相場も112〜113円の円安。今後、バター換算でキロ400円の値上げを改めて早急に打ち出さざるを得ない厳しい環境となっている」と強調。コンパウンドマーガリンについては、そのバター配合率に応じて、改めて価格改定に乗り出す方針を明らかにしている。
 ラウリン油を使用するクリーム類の値上げも、計画した幅に届いていないことから、今後も継続して価格改定交渉を進める考え。ヤシ油相場は1時と比べ落ち着きを取り戻しているが、依然として高止まり。パーム核油も高値圏にある。今年1〜8月平均の輸入単価はヤシ油が前年と比べ27%高、パーム核油は36%高となっており、当 は高値時に手当てした原料を使用することから、採算の改善は見込めない。パーム油相場も思ったほど下がらず、大豆油・菜種油も製油各社が値上げを実施している。加工油脂各社の収益は、月を追って厳しさを増している。
 
 



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