日本植物油協会
   高付加価値型事業構造に転換を
  今村会長が大阪で記者会見
 価値再認識、活性化に全体で努力 

 
   日本植物油協会は10月25日、大阪・北区のクラブ関西で10月度の会員集会を開催した。
 会員集会終了後には、今村隆郎会長(日清オイリオグループ㈱会長)と会長会社の日清オイリオグループ㈱から、尾上秀俊取締役常務執行役員、岡雅彦常務執行役員、齊藤昭専務理事が出席し、記者会見を行った。
 会見では、今村会長が業界を取り巻く内外諸情勢について見解を示した上で、「国内の経済は比較的安定しているものの、物価の上昇率を見ると、これまで政府が目標としてきた2%は達成されず、先延ばしとなっている。そういう意味で、デフレ脱却が全くできていない状況と言える。我々のように大きく輸入原料に依存している業界は、適正な価格転嫁が極めて困難な事態に直 しており、実際、総務省によると、植物油の価格は2015年を100とすると、17年の7月は93・5。30年前の1987年は124で、価格は大きく低下している現状にある。こうした中、消費者の皆さまに高品質な植物油を安定的に供給していくためには、適正なコスト転嫁ができるような環境整備を進めていくことがますます重要になってきているものと考えている。いま、日本の平均寿命は世界トップクラスということで、日本人の健康を支える日本食が改めて注目を浴びている。世界のブランドたる日本食に植物油は不可欠な存在である。当業界は改めて植物油の価値を再認識し、日本の消費者の変化を見極めた適切な商品開発が求められているのではないか。日本に立地する企業としての優 性を活かし、原料事情に影響されない高付加価値型の事業構造への転換など、産業競争力の強化に向けて、さらに一層の努力を傾注していく必要があると考えている」と指摘した。
 また、今村会長は「最近の健康ブームで、植物油の健康効果が改めて見直されてきている。私ども植物油協会は、世界中から多様な原料を調達し、高度な技術で加工。その製品は直接、あるいはさらに加工した多 な形態で提供しているということだ。こうした状況下で、昨今の植物油のブームが一過性のものとならないように、植物油市場の活性化に向けて業界全体で努力していくことが、ますます重要になってきている」と強調した。
  この10月から、各社とも価格改定に取り組んでいるが、日清オイリオグループとしての現況について、岡常務は「大きな流れとして、価格是正は進捗しているものと捉えている。まず、10〜12月のバルクの価格については(値上げが)実現してきており、結 も出ている。バルク先行で進み、業務用斗 に関しても確実に動き出している。家庭用については、だいぶ認識が進んできたが、実現に向けてはもう一歩というところである。ただ、業界を取り巻く事情についてはご理解いただき始めている。もう一段階進んでくれば、今回お願いしている価格是正についてはそこそこ進んでくるものと考えている」との見解を示した。
 懇親会では、今村会長が改めて「最近、食用油の健康効 が非常に見直されてきている。追い風が吹いている。今年は原料高などでコストアップとなっており、厳しい状況となっているが、会員各社それぞれ得意な分野で技術力を磨き、商品力を高めて、適正価格を求めると同時に、ぜひ付加価値型の事業構造にして製油業界全体をレベルアップしていいきたい」と呼びかけた。
  引き続き、八馬史尚副会長(㈱Jーオイルミルズ社長)が「このところ油に対する見方が随分変わってきている。こうした流れを一時のブームに終わらせず、継続できるように努めていきたいと思う。そして、その価値、さまざまな価値に見合った価格を形成する努力をしっかりとしていきたい」と高らかに杯を上げ、和やかな懇親の場に移った。
 



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