食用動物油脂商談
   11月渡しの「食用動物油脂」商談
  豚脂2円上げ牛脂3円下げ
 牛脂需要低迷からキロ90円の同値 

 
   専門商社筋は先週末の27日、国内の大手加工油脂メーカー向け2017年11月渡し「食用動物油脂」(豚脂・牛脂)商談が、両動物油脂の需給の逆転から豚脂がキロ当たり2円値上げで、牛脂は同3円の値下げで決着した事を明らかにした。今回の商談決着で豚脂、牛脂価格は同90円の同値価格となった。
 豚脂価格については、昨年の6月渡し商談で豚脂のみ2015年8月以来、11カ月振りにキロ当たり5円の値下げで決着していたが、当月は17カ月振りに豚脂がキロ当たり2円の小幅値上げとなった。
 また、11月渡しの牛脂については、2015年の8月以来28カ月振りに、こちらも同3円の小幅値下げで決着した事になる。
 国内の食用動物油脂の需給環境は「豚脂(ラード)については、冷凍食品や中食、外食分野で、価格的な割安感から1旦、パーム油系の揚げ油にシフトしていたものが、食味の良さから再びラードに需要が戻るケースが増えている」(商社動物油脂トレーダー)事から、豚脂の需給はタイト化している。
 また、豚脂の発生についても「関西、9州を中心に夏場の猛暑で豚の餌の食い付きが悪く、出荷された豚もと体の脂身の付きが悪く豚脂(生脂)の需給が牛脂に比べタイトになっており、ラードの在庫が減少している」(同)として、牛脂に比べ豚脂の需給が逼迫している現状を指摘した。
 一方の牛脂については、国内のマクドナルドの店舗数減少の影響が継続している。マックではポテトフライ用に牛脂を大 に使用しており、国内の牛脂需要に影響を与えて来たが、異物混入事件に端を発した業績不振から店舗数が200店程減少しており、同数のフライヤーの減少の影響が牛脂の需要に出ているとしている。
 牛脂については「年末に掛けて、カレーやシチュー用に需要が増加しているが、カレーについては、ルーからレトルトタイプにシフトしており、レトルトには植物系油脂が使われる事から、牛脂使用は減少傾向にある」(同)としている。
来年は豚脂価格上昇も
牛脂に比べ需給が逼迫

 今後の見通しについては、豚脂と牛脂の需給の逆転から、年内に掛けては現状価格が維持されるものと見られるが、来年以降については、豚脂の需給タイト感から豚脂のみ値上げされる可能性も出ている。
 国内の家畜のと畜頭数は最新の食肉流 統計で、本年8月の豚のと畜頭数が131万507頭で前年同月比98・7%に減少している。同月の豚の枝肉生産 は10万122・7トン同98・1%で、と畜との間に0・6ポイントの差がある事から、この分が猛暑によると体の減少に繋がっているものと見られる。 
 因みに8月の牛のと畜は、牛合計で8万3,080頭で、同99・4%、枝肉生産 は牛合計で3万6,802・8トンで、同100・5%と猛暑によると体への影響は見られていない。
 また、これまでは豚脂が動くと飼料用動物油脂(イエローグリース/YG級)商談に連動して来たが、来年1~3月渡しについて、飼料用の2号油(廃食用油)の発生が低迷している中で、月間3,000~4,000千トンの欧州、アジア向けの輸出が堅調な事から、2号油の需給バランスはとれており、飼料用については、来年の食用豚脂の価格如何としている。
 



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