日本植物油協会
   パーム油調達基準検討について
 定例会見で齊藤専務が見解示す
   
   定例会見で齊藤専務が見解示す
日本植物油協会(東京都中央区・今村隆郎会長)は10月30日、定例の記者会見を開催し、齊藤昭専務理事が10月度会員集会の概要について説明した。
 齊藤専務はとくにその中で、10月20日に開かれた「持続可能な調達WG」において、パーム油の調達基準について検討が行われたことに関して説明を行った。現状、民間のNPOであるRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)が持続可能な調達の認証をリードするが、ここにきてマレーシア政府がMSPO、インドネシアがISPOを立ち上げ、生産国視点からの独自基準の認証に動いている。齊藤専務は「パームに関して、オリンピックにとどまらず、今後の日本のレガシーとなるものでもあり、消費者、購入者の期待に応えるためにも、各認証の選択の幅が広がることが期待される」と強調した。
検討会で示した植物油協会の見解の要旨は次のとおり。
認証制度に対する考え方
世界にはパーム油に限らず、それぞれの商品特性や歴史を踏まえた多様な認証制度がある。こうした認証制度がどの程度、本来の目的を たしているかなど、その判定は難しく、その意味では本来、国際的にみて公正な客観的な第三者により判定されることが必要である。しかし、現段階において、環境認証制度に関しては、適格性をチェックする上 の客観性を持った国際認証組織の評価システム等は存在していない現状にあるのも事実だ。次善の策として、認証基準のレベルや監査につき、有力NGO等から評価されることをもってその客観性の担保とされる場合があるが、そうしたNGOが例えば、西欧諸国系のNGOであった場合、アジアの現実をしっかり把握しているのかといった課題も存在する。特にパーム油の生産環境や労働環境を見る場合、アジア特有の労働・環境条件をしっかり把握する必要がある。また、とりわけ資金力、マンパワーの点で劣る小規模農家・小規模農園(スモールホルダー)はその環境維持対応とは関係なく、大規模農園会社に比べて認証取得が容易でないことなどの多くの課題も有している現状にも目を向けていく必要もある。
 パーム油の認証を巡っては、これまで、主としてグローバルにサプライチェーンを抱える西洋の企業を中心に、環境対応等に関する批判リスクの回避が大きな誘因となってきた経緯がある。我が国の場合、現段階でパーム油の諸問題に対する社会的な認知が低く、なんらかの認証制度を推奨する場合には、行政と民間が1体となって認証の意義や役割の啓蒙普及を推進する一方で、認証システムの基準等によっては、大幅なコストアップとなる場合も想定されることからすれば、末端価格まで適正に転嫁する行政指導なども併せて期待されるところだ。
オリンピック・パラリンピックにおけるパーム油の調達基準の推奨等について
パーム油に関しては、すでに実質的に大きな役割を たしている民間主導のRSPOに加え、新たに、マレーシア政府主導のMSPOなどが立ち上がってきている。マレーシア政府は認証に関して、政府で責任を持って対応するとしており、その負担が最終消費者にいかないようにしていると言明、持続可能性の支援に繋がっていくものと考えているとしている。先行するRSPOに加え、MSPO、インドネシア政府のISPOが国際的制度として機能することも視野に入れ、本検討会において各実施主体による意見開陳等を踏まえた建設的な議論がなされることが期待される。
 



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