家庭用食用油市場
   上期重量2%増で底堅い動きに  
  ゴマ油、コメ油は2ケタ伸長
 オリーブ油値上げ実施で若干減
   
   今上期の家庭用食用油市場は、重量ベースで前年を上回り、底堅い動き。産地の減産で値上げに入ったオリーブオイルはやや落としたものの、主力のキャノーラ油が堅調。さらに、コメ油などプレミアム系、ゴマ油の好調が全体を押し上げている。金額ベースはサプリ的オイルの前年割れが続くも、全体では前年並みを堅持している。一方で、大幅な採算悪化を受け、この10月から実施している価格改定は、バルク、斗缶と比べ遅れが目立っているが、今回は「着実に理解が進んでおり、各流 との値上げ交渉もある程度、まとまってきている」(大手製油筋)との見解。小売り側の競争は一段と激しく、店頭価格まで波及するかどうかは不透明というも、今後、納価は段階を踏んで引き上がっていくものと見られる。
 大手製油メーカーによると、4〜9月の市場動向は、食用油トータルで重 ベースが前年同期比102%、金額ベースは前年同期並みとなった。カテゴリー では、キャノーラ油が重 101%、金額98%。4〜6月の微減から、7〜9月で盛り返した。レギュラーサラダ油は重 、金額とも93%。
 オリーブオイルは重量が99%、金額が前年同期並み。エキストラバージン(EV)は重 同103%、金額同102%、ピュアは重量が同87%、金額同91%。16年産のイタリア大幅減産の影響を受けて、スペインも含めて現地相場が高騰。このため、輸入物の大容 を中心に店頭価格が上昇したことや現地の価格高騰で廉価のものが入りづらくなったことが若干減の要因。ピュアが大きく数字を落としているのは前年が一割近く伸長していた反動と見られる。
  一方で、EVは引き続き堅調な動き。Jーオイルミルズが今年2〜3月にかけて「AJINOMOTOエクストラバージンオリーブオイル」で大々的にテレビCMを投入したことが市場を牽引、4〜6月の売上げアップにつながったものと見られる。前期2〜3月で大きくジャンプアップした売上げは、4月も113%と継続。その後は大幅増の反動から5〜7月は前年同月を割り込んだものの、8〜9月は106〜107%と再び堅調な動きを取り戻している。日清オイリオグループが「鮮度のオイルシリーズ」の中で「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル145gフレッシュキープボトル」を品揃えしており、継続的に「オイルをかけて楽しむ」食シーンを提案。ここ数年手がけてきた生食での需要創造が着実に浸透してきたことも「やや足踏み、踊り場にさしかかってきた」(大手製油筋)市場の活性化に大きく貢献している。
 ゴマ油は重量同115%、金額同110%と極めて好調な動き。昨年来、原料相場が落ち着いていることに加え、かどや製油が純正ごま油発売50周年で積極的な販促を展開していることも押し上げ要因に。同社は今秋からも継続してキャンペーンを仕掛けており、下期にかけても底上げが期待されるところだ。
 このほか、引き続き好調をキープするのがコメ油。15年後半から健康機能を訴求したメディアでの露出が増えたことから、前期は大幅に伸長。日清オイリオ、Jオイルの大手2社も昨年、新商品を投入しており、市場は拡大の一途。一時的なブームに終わるのか、定着するのか、その動向が注目されていたが、今上期も重 で123%、金額も同122%と一段と伸長している。「定着化の動きを強めている」(大手製油筋)と言っていい。
 えごま油、アマニ油、ココナッツオイルのサプリ的オイルは今期も前年割れが継続しており、トータルで重量、金額とも2割強の落ち込み。ただ、アマニ油は重量 、金額とも前年同期並みと下げ止まり。えごま油は重量、金額とも一割強の前年割れも、7〜9月は重 で97%まで戻しており、こちらも底を打った感が強い。ココナッツオイルは半減と落ち込んでいるが、日清オイリオが今秋、改めてリニューアル品を新発売。MCT(中鎖脂肪酸)で、サッカーの長友佑都選手を起用した新CMを10月後半から展開しており、その復活に大きな期待がかかる。
 前年と比較した為替の円安と原料相場の高止まりに加え、物流費の高騰も響き、製油側の採算は年初から大幅に悪化。各社は改めて価格改定を打ち出し、この10月から実施。家庭用に関しては、加工用、業務用と比べ実勢化は遅れ気味であることは確かだが、危機感の強さは共有されており、「流 側の理解も徐々に得られてきている」(大手製油筋)。小売側の競争激化で、店頭価格がそのまま引き上がるのか不透明ではあるが、少なくとも11〜12月にかけて納価の値上げは浸透する見込み。
 



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