日清オイリオグループ㈱
   増収も価格是正不十分で減益に  
  久野社長が決算概要を総括
 期計画達成へ適正価格の実現を
     
   日清オイリオグループ㈱(東京都中央区・久野貴久社長)は17日、本社で「2018年3月期第2四半期決算説明会」を開催した。当日は、久野貴久社長が決算概要と 期の業績予想、今期からスタートした中期経営計画「OilliO Value Up 2020」の取り組み状況について説明。また、松浦謙司財務部長が決算概要の詳細を報告した。
 今第2四半期の業績は売上高1668億円で前年同期比7・6%増、営業利益47億円で同15・1%減、経常利益45億円で同12・4%減、四半期純利益35億円で同12・4%減となった。久野社長は「増収も利益 では減益となった。国内の油脂事業は高付加価値カテゴリーや中食・外食向けなどの拡販を進め、原料価格上昇分の販売価格の是正に取り組んだ。しかしながら、9月末段階では完全に進捗させるまでには至っていない。その結 が減益。一方、海外を含む加工油脂事業、ファインケミカル事業については、概ね前年同様の利益水準に達している」と総括した。
 通期の業績予想は売上高3400億円で前期比4・6%増、営業利益100億円で同2・3%減、経常利益100億円で同3・2%減、当期純利益65億円で同14・1%減を見込む。久野社長は「今期の計画達成に向けての最大のポイントは適正価格の実現になる。油脂の販売価格については、10月からキロ当たり20円、業務用斗缶で300円の値上げをお願いしている。これまでのところ、ホームユース、業務用、加工用それぞれで進捗の差こそあれ、全体的には理解が得られているものと考えている。その結 、市況も着実に上昇してきていると認識している。ホームユースの価格是正では、汎用油の中でも収益力のある商品の構成比を高めることで収益改善、サポート的に価格是正につなげていくということで取り組んでいる。こうした価格是正の取り組みに加えて、これまで継続してきた高付加価値製品の構成比を高めることで、当年度も目標利益を達成できるものと考えている」と強調した。
 中計の取り組み状況について、久野社長は「中計では『Globalization』『Technology』『Marketing』をキーワードとし、事業構造改革を継承しつつ、より成長路線に軸足を移すことが基本方針。既存の事業を強化拡大することに加え、付加価値の高い事業を作り出していくことをコンセプトとしている」とした上で、次のとおり説明した。
 
 
Globalization
  加工油脂事業については、マレーシアのISFが中核。当社のグローバルビジネスの核との 置付け。パーム油分 技術と構造油脂技術を活用し、製品の付加価値を高め、さらに当社の高い分析技術や生産技術の導入を続けている。その結 として、ISF社の製品は機能 だけでなく、品質 からも欧米の顧客から高い評価を得ている。とくに欧州の顧客については、パームの微 成分のコントロール、これに基づく高い水準の製品規格が要求されている。昨今ではサスティナビリティに対する要求も非常に強い。こうした要求に応えていくことによって、グローバル展開を進める上での当社グループの競争力、差別化につながっていると考えている。
 これを踏まえて、ISF社のグローバルサプライチェーンを拡充。上期には欧州と中国に拠点を持つことについて決定している。イタリアに精製設備を持つことで、今まで以上に柔軟・迅速に顧客の要請に対応していく。中国においても、より今まで以上に顧客サポートを充実させていくことを目的として、販売・物流拠点を設置(上海)し、事業の拡大を加速させていきたい。これはすでに設置済み。また、インドネシアにおいてはチョコレート工場の設立を行っていくが、建設については11月の上旬に開始した。2019年の年初には完工、稼働を目指していく。
 イタリアの生産拠点については、ISFのサプライチェーンの拡充ということで、基本的にはISFの製品を持ち込んで最終精製、場合によって、将来的には多少の組み立てなど、近隣に販売していくことを想定。中国の販売・物流拠点設置については、現状、ISFから箱物を中心に展開しているが、代理店に任せての販売もあり、マーケットに販売拠点を持つことで、きめ細やかな対応をしていきたいということ。扱い品目としてはチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティ製品。当初は箱物中心に展開しながら、場合によっては個 ユーザー向けのバルクオイルでの供給、あるいはそれの中継拠点といった 置付けとなればいい。既存のビジネスの拡充ということで考えている。
 ファインケミカル事業においては、中国での拡販が順調に進んでおり、グローバリゼーションの進展が順調に行われている。
 
Technology・Marketing
食卓で料理に油をかけていただく「かけるオイル」については、新しい油の使い方を提案することで当社が積極的に市場を創ってきたと自負している。今後もこの領域での新しい提案を続けていく。統計によると、家庭の食卓で油をかけて使っていただくメニューの登場する回数は、12年と比較して16年は約1・5倍になっている。この利用頻度の高まりに伴って、市場の金額規模も同2倍になっている。当社の販売実績も2・3倍となっている。また、上半期の実績においても前年同期比149%と、鮮度のオイルシリーズは順調に拡大してきている。また、技術力で得意先の問題・課題を解決していくという、ソリューション型のビジネスを志向。ホームユースの新商品「揚げずにから揚げオイル」はその一例で、中食・外食向けにおいても市場の獲得につながっていると考えている。MCTについては、これまで認知症や低栄養といった、どちらかといえば高齢者の方に当社製品を利用してもらっている。そうした中、この上期には、日ごろからスポーツに取り組んでいる方の体作りをターゲットにした新商品を発売している。今後はより幅広いライフステージで、MCTを利用してもらえるようにしていきたい。
 久野社長は最後に「中計がスタートして半年が経過した。これまでのところ、加工油脂事業やファインケミカル事業、また、付加価値カテゴリーの拡販等の取り組みについては順調に成 を挙げていると認識している。一方、油脂の価格改定については第2四半期では遅れが見られたが、足下では着実に得意先の理解を得られていると考えている。是正は進んでいると認識している。中計で目指している付加価値品で収益を上げる体質への変革、新しいビジネスモデルの構築について、これまで以上にスピードをもって取り組んでいく」と強調した。
 第2四半期の営業利益は47億円で前年同期と比べ8・5億円の減益。増減要因については、油脂・油糧および加工食品で8・5億円の減益。内訳は、販売数 の増加(付加価値カテゴリー、中食・外食向けの拡販など)で6・5億円の増益。原料相場の変動影響など単価の変動(販売、原価)で15億円の減益、販管費・その他で0・5億円の増益、子会社利益の増減で0・5億円の減益。加工油脂は前年同期並み。内訳は国内加工油脂で1億円の増益、海外加工油脂で1億円の減益。「国内は大東カカオのチョコレート製品、T&Cの製菓原料(調製品)が好調に推移。海外はISF社におけるパーム油の原料コスト上昇や為替換算要因で減益も、現地 貨ベースでは前年並みとなっている」(松浦部長)。ファインケミカルは0・5億円の減益、IQL社の減益が要因。その他・調整で0・5億円の増益。
 



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