㈱Jーオイルミルズ
   価格改定未達と原料高で減益に
   八馬社長が決算概況総括
 値上げに理解、着実に実勢化へ
   
    ㈱Jーオイルミルズ(東京都中央区・8馬史尚社長)は21日、本社で平成30年3月期第2四半期決算説明会を開催した。当日は、代表取締役社長の8馬史尚氏、取締役専務執行役員営業本部長の善当勝夫氏、常務執行役員製油本部長の内山明浩氏、財務部長の渡辺光祐氏が出席し、決算概況と 期予想、第5期中期経営計画の取り組み状況などについて説明した。
 今第2四半期の連結業績は売上高923億円で前年同期比2・2%増、営業利益18億円で同47・7%減、経常利益20億円で同44・2%減、4半期純利益17億円で同21・8%減となった。8馬社長は「前年上期は原料・為替・ミール等による採算良化を受けて油脂市況が下落傾向にあったが、下期、とくに11月以降、環境が悪化し、12月末に値上げを発表した。しかしながら、今上期は目標に届かず、加えて原料コストが上昇したこともあって残念ながら減益となった。一方で、中期経営計画では付加価値品の拡大など成長戦略、あるいはサプライチェーンの効率化・高度化といった構造改革を二本柱とし、こちらは予定通り進捗している。今後も、環境変化に強い構造を作る上では、こうした取り組みを加速していくことが必要であると認識している」とした上で、搾油の環境については「大豆原料や為替は前年並みで推移も、菜種原料が大きく上昇。ミール販売は、価格が若干低下したものの、販売 の増加でカバーしている。油脂の販売は、昨年12月発表の値上げが目標未達。8月に未実現分について値上げを発表し、現在、鋭意その実現に向けて取り組んでいるところだ。成長戦略については、家庭用のオリーブオイル、業務用の機能性油脂・風味油などは予定通りの進捗となっている」と総括した。
 当期の営業利益は18億円で前年同期の34億円と比べ16億円の減益。増減要因は原料費および購入油コストで9億円の減益で、内訳は大豆がプラス2億円、菜種がマイナス9億円、為替マイナス1億円、購入油・歩留ほかでマイナス1億円。ミール販売はプラスマイナスゼロ。油脂の販売単価はマイナス8億円、油脂の販売 でプラス2億円、育成事業でプラス1億円、燃料費・資材コストはマイナス1億円、コストダウンでプラス1億円、その他でマイナス2億円(内訳は償却費マイナス2億円、物流費マイナス2億円、広告費プラス1億円、修繕費プラス1億円)。
 通期の連結業績予想は売上高1860億円で前期比3・2%増、営業利益46億円で同15・9%減、経常利益52億円で同10・8%減、当期純利益37億円で同13・5%増。売上高は計画に対して40億円減、営業利益は同14億円減、経常利益は同13億円減、当期純利益は計画並み。第24半期に投資有価証券売却益25億円を特 利益に、神戸工場(住吉)閉鎖に伴う減損18億円を特 損失として計上した。
 営業利益は46億円で前期の55億円と比べ9億円の減益。増減要因は原料費および購入油コストで38億円の減益、内訳は大豆がプラス12億円、菜種がマイナス29億円、為替マイナス15億円、購入油・歩留ほかでマイナス6億円。ミール販売はマイナス3億円。油脂の販売単価はプラス15億円、油脂販売 でプラス7億円、育成事業でプラス4億円、燃料費・資材コストはマイナス5億円、コストダウンでプラス4億円、その他でプラス7億円(広告費の見直し、修繕費の圧縮など)
 八馬社長は、中期経営計画の取り組み状況について「これまでは食品、ファインと油脂以外の領域の強化を成長の軸足としていたが、今回は今一度、油を徹底的に究めることを軸足に据えている。その中でも油の機能としてのおいしさデザインにフォーカスし、推進していきたいと考えている。それを基に、財務体質、採算構造を改善していくことで、これからの成長原資を生み出し、新領域あるいは海外といったところの拡大を加速していきたい。事業戦略の土台は企業ビジョン体系策定・浸透、組織風土の改革。元々、3社統合の会社であり、これまでの12年間においては規模の拡大および効率性の向上という統合効 の点で大きな成 があったが、今後はそのDNAをいま一度融合させてシナジーを追求し、新たな成長の力に変えていくというステージに移っていきたい。そのためにも従業員が同じ方向を進んでいけるよう新しい企業ビジョン『JOY for life生きるをおいしく、うれしくしたい。』を策定した」と、その骨格を改めて説明した。
 事業戦略については、成長戦略が①油脂・育成領域(スターチ、ケミカル)での高付加価値品拡大②BtoB市場でのソリューション事業強化〜強みの掛け算〜。「強みの掛け算と呼んでいるが、従来、我々は油脂の営業で中食・外食大手のお客様と非常に強い取り組みをしてきた歴史もあり、そのお客様に対して油だけでなくスターチであったり、マーガリンといった商品も合わせて提案していくことで、より広い課題解決にお役立ちをしていきたい。一例を挙げると、大豆粉とスターチ商品の『アミロファイバー』を独自配合し、低糖質・食感改良を実現。おいしさを損なわず健康効 をプラスしたことから、糖質に配慮したパンに採用されている」(8馬社長)。③アジアでの海外展開加速〜国内で磨いた価値を基に〜④汎用油脂商品の収益力強化ーー。
 構造改革では①サプライチェーンの効率化・高度化の取り組み推進。「現在、物流が大きな課題となっている。4月からサプライチェーンコントロールセンターという組織を立ち上げ、生産現場からお客様に届けるところまでの1気 貫の中で効率化・高度化を図っていく。また、味の素グループと包装資材の共同調達のスキームに参加することによって、スケールメリットを享受しながらコスト削減に取り組んでいる」(同)。②中長期視点での生産拠点最適化③選択と集中および効率化。「メディカル事業(がん新薬)をJーケミカルに移管し、黒字化を目指す。健康食品事業は、これまで長らくご愛顧をいただいていたが、昨今の販売 の縮小に伴って赤字が継続していたこともあって、来年6月で終売する」(同)。
 10月から実施している価格改定の進捗状況については、善当勝夫専務が「バルクについては、得意先の理解を得て値上げは進んでいる。家庭用は、オリーブオイルに関しては、プロモーションの条件カットで理解を得ながら、収益の悪いものから納価の引き上げを実施。PBはこれからとなる。斗 は300円を掲げ、10月2日から即実施ということで交渉を進めてきた。値上げの幅、時期をめぐって強いプレッシャーがある中、今回は春の値上げとは異なり、我々も不退転の姿勢で臨み、価格の改定を最優先で取り組み、お願いしている。11月から、あるいは11月末から、エンドディーラーや大手の食材卸向けなどでは、概ね200円までの改定は理解を得ており、すでに値上げが実行されているところもある」と説明。その上で、善当専務は「斗缶はもう100円残っているが、今回は唱えではなく、実行すると言っており、粘り強く、何とか12月中にもう100円分を実現したいと思っている。積み残す部分は年明けになると思うが、必ず値上げをやっていかなければならない」と、今回の価格改定に不退転の決意で臨む姿勢を明確にした。
 



不二製油グループ本社㈱