米 国 牛 脂 
 供給潤沢とパーム油安で軟化も
  工業用BF級は660ドルに戻す
 堅調なBDF需要が相場下支え
   
   米国牛脂相場は12月に入って、一時の軟化傾向からやや値を戻している。引き続き、米国内のと畜頭数増加に伴う供給の潤沢さに加え、マレーシア・パーム油の大幅下落が弱材料となったものの、堅調なBDF向け需要が「底支えする格好」(トレーダー筋)で、西海岸積み相場のうち、工業用BF(ブリチャブル・ファンシー)級は10~11月にFOB630ドルまで値下がりしたものの、今月は660ドルまで反発している。
 来年の米国のBDF混合義務数量が21億ガロンと発表され、この部分の需要は今後も堅調な見 し。一方で、競合するパームステアリンがマレーシアFOBで620ドル前後と11月初旬と比べ80ドルほど下落し、弱基調で推移していることは、米国牛脂の圧迫要因となっていることに変わりはない。商社筋では「当面は、マレーシアのパーム油相場を眺めながらの相場展開が予想される」と指摘している。
 相場は4月に底を打ち、5~6月にかけて上昇。これは、牛脂が夏場に溶けやすく、BDFが年間を通して一番作られる時期にあたっているため。例年のことではあるが、今年も需要増を背景に、工業用BF級西海岸積みは6月末に、今年最高値となる820ドルまで値を上げた。
 一方で、「世界的に食肉需要が堅調で相場も高水準をキープ。パッカーマージンも良好であることから、米国内の牛と畜頭数が前年を上回って推移。それに伴い牛脂の供給が潤沢に推移している」(商社筋)ことは、終始、相場の頭を抑える形に。とくに、秋以降は下げ足を早め、そこにパーム油の急落が重なり、10~11月にBF級は630ドルまで値を下げ、今年の最安値まで軟化した。直近の米国のと畜頭数は、12月11~16日までの週で63・0万頭(前週63・6万頭)と、前年同期の60・6万頭を4%上回っている。
 BDF向けは需要は堅調な動き。米国環境保護庁(EPA)が2018年および19年のBDF混合義務数 を、ともに21億ガロンと発表したことを受け、「来年以降もBDF向けに使われることが明確となったことから、このタイミングで原料を抑える動きが見られた」(同)という。これは、12月に入って相場を反発させる一因となった。
 今後の相場動向については、「マレーシア・パーム油の動き次第の側 が強い」(同)という。パーム油はこの2カ月でRBDパーム油、ステアリンともFOB価格は一割強下落。「当 はパーム油の動きを注視したい」(同)としている。
 現地12月21日現在の北米西海岸積み牛脂のグレード 相場(1~2月積み/トン当たりFOB)と日本での岸着価格(キロ当たり/為替レートは1米ドル=113円40銭)は次の通り。

TW(トップ・ホワイト)級
720ドル(9月末比70ドル安)、岸着=105円05銭(同7円03銭安)
EXF(エクストラ・ファンシー)級
690ドル(同70ドル安)、岸着=101円55銭(同7円35銭安)
BF級    
660ドル(同70ドル安)、岸着=98円05銭(同7円04銭安)
   
YG(イエロー・グリース)級    
  475ドル(同70ドル安)、岸着=76円50銭(同7円65銭安)
   
 


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